2018年2月8日木曜日

貧困打開に向け「生活保障法」に 志位委員長が緊急提案

 安倍首相は、多くの国民が貧困化しているのに対して、相対的貧困率が若干改善されたとして、国民の貧困化を認めようとしません。
 それはいわゆる99%の国民の手取り収入がダウンしたためその中央値の半額(貧困ライン)も低下した結果、それ以下の人たちの割合がほんの少し減ったということであり、それを国民生活レベルが改善されたと見るのであれば大間違いです。貧困の問題を正しく認識できない人間は、為政者になる第一条件の欠格者です。。

 共産党の志位委員長は5日の衆院予算委で、貧困化が進む中で食費や光熱費などに充てる生活保護の生活扶助費を削減する安倍政権の方針を批判し、削減するのを止めるように要求しました
 そして現在の生活扶助基準は、憲法25条が保障する健康で文化的な生活を満たすものとは到底言えないとして、現行の生活保護法を「生活保障法」に名称を改め、25条の生存権をきちんと保障するよう求めました。
 また自治体窓口での水際作戦などで、日本では、生活保護を利用する資格がある人のうち実際に利用している人の割合が2割程度にとどまっていることも指摘しました。
 所得が最も少ない10%層の中の8割近くがそうした人たちで占められているのに、その層の収入をベースにして生活扶助基準を決めるのは大いなる誤りです。

 志位委員長による首相追及(の展開)は実に見事で、評論家の室井祐月氏などは他の野党議員も見習うべきだと述べています。質疑の詳細は、「関連記事」のところに載っていますが、長文のため紹介できません。青太字部分をクリックすれば同記事にジャンプするので、そこでご覧になってください。
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貧困打開に向け「生活保障法」に 衆院予算委 志位委員長が緊急提案
生存権脅かす生活保護削減の撤回を
しんぶん赤旗 2018年2月6日
 すべての国民の権利にかかわる重大な問題だ―。日本共産党の志位和夫委員長は5日の衆院予算委員会で、日本の貧困が悪化するもとで食費や光熱費などに充てる生活保護の生活扶助費を削減しようとしている安倍政権の方針を批判し、削減計画の撤回を要求。現行の生活保護法を「生活保障法」に名称を改めるなど、生活保護を使いやすくする緊急提案を示し、憲法25条の生存権をきちんと保障するよう求めました(

 安倍晋三首相は、相対的貧困率が低下したなどとして、貧困が悪化している事実を認めていません。志位氏は、日本の「貧困ライン」は安倍政権のもとでも下がりつづけ、世界でも異常な国になっていることを指摘。実際、所得が最も少ない10%の層(一般低所得世帯)の実質所得も下がっているとして「貧困は改善したという認識をあらため、貧困が悪化している事実を認めるべきだ」と安倍首相の認識をただしました。

 安倍首相は「(貧困ラインの低下は)デフレの影響も非常に大きい」「(貧困の)悪化はしていない」などと言い訳に終始しました。
 志位氏は「自分に都合のよい数字だけを宣伝し、深刻な実態を見ようとしない。そんな姿勢からは、まともな政策は絶対に出てこない」とズバリ。さらに、安倍政権が生活保護の生活扶助基準を「一般低所得世帯」に合わせるとして最大5%、平均1・8%、総額210億円も引き下げようとしている問題点を告発しました。

 そもそも、現在の生活扶助基準は、憲法25条が保障する健康で文化的な生活を満たすものとは到底いえません。「一般低所得世帯」は、その生活扶助基準すら満たさない困窮状態におかれている場合が少なくありません。

 志位氏は、大阪府で中学生、小学生の2人の子どもを育てている母子家庭が「息をひそめ、薄氷の上を歩いているような生活」と話した暮らしの実態を紹介。「生活扶助基準を『一般低所得世帯』に合わせて引き下げるということは、この母子家庭をかつて置かれていた生活扶助基準にすら満たないつらくて惨めな生活に引きずり戻すということだ」と批判しました。

 安倍首相はまともに答えられず、「生活保護世帯の子どもに対する支援を強化していきたい」というだけ。志位氏は、「一般低所得世帯」が困窮状態に置かれる背景には、生活保護の異常に低い捕捉率があると指摘。生活保護に対する「スティグマ(恥の意識)」や「バッシング(非難)」が原因で、生活保護を利用する資格がある人のうち実際に利用している人の割合が日本では2割程度にとどまっていることも示し、安倍首相の認識をただしました。
 安倍首相は「(生活保護の)適正な運用に取り組んでいく」というだけで、生活保護が国民の権利であるとの明言を最後まで避け続けました。

 志位氏は、貧困打開のためには総合的対策が必要だが、生活保護法の改正が緊急に必要だとして、生活保護を使いやすくするための緊急策を提案。「憲法25条の生存権が文字通りすべての国民に保障される日本をつくるために、力をつくす」と表明しました。

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