2018年2月16日金曜日

自分の面子が大事なだけの安倍・トランプ電話会談+

 天木直人氏は、15日早朝にNHKが「安倍首相はトランプ大統領と電話会談し、引き続き北朝鮮に圧力をかけることで完全に一致したと報じたことを取り上げて、これは首相が「梯子を外されそうになっていることに焦って、外されていないことを国民に強調したいがためだ」と述べました。

 安倍首相が、北朝鮮に対し圧力を最大限まで高める方針で行くことを、平昌でペンス米副大統領と擦り合わせたと述べたにもかかわらず、ペンス氏はワシントン・ポストのインタビューで、南北対話の進展次第で前提条件なく直接対話を行う用意があると述べたので、自分の説明と齟齬を来したことに心外な思いをしたからでしょう。

 そもそも北朝鮮に最大の圧力を掛け続ければいいというのは安倍首相だけの思いであって、アメリカの思いは必ずしもそうではない筈です。それをわざわざ大統領に電話して一致を確認するというのも大人げない話です。しかも、北朝鮮への圧力を高めるためにはパラリンピックの終了後に、軍事演習を実施することが重要だと述べたということです。
 その軍事演習が戦端を開くことにつながることを北は最もおそれている訳なので、それでは安倍首相が北から憎悪されるのは当然のことです。

 北朝鮮のチェ・リョンヘ副委員長は、金正日総書記の生誕記念日の16日を前に中央報告大会を開き、「自衛的な核抑止力をしっかりと強化し、威力ある先端武装装備をさらに多く開発、生産すべきだ」と、核・ミサイル開発では一切、譲歩しない姿勢を示しました。
 北の核・ミサイル開発が、米国の攻撃から国家の存続を守るためのものであることは容易に理解できることで、米国の傘の下にあることをことあるごとに強調している日本がそれを認めないのは筋が通りません。それでは、日本が核の傘に入るのはいいが北朝鮮はダメだという身勝手なダブルスタンダードになります。

 残念ながら国連には、米国の攻撃から北を守る力はないし、他のどこの国にもありません。であるからこそ自衛のための核抑止力は放棄できないという北に対して、片や 核・ミサイルの放棄が話し合いの前提になるというのでは、話し合いの始まりようがありません。

 もしも戦争が始まれば日本人も数十万人は死ぬ可能性があるというのに、何故安倍首相はそんなに好戦的なのかという疑問は海外からも寄せられています。
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今朝早朝のNHKが報じた噴飯物の安倍・トランプ電話会談
天木直人のブログ 2018年2月15日
 今朝早朝のNHKニュースが流した。
 最近のNHKが早朝に他のメディアに先駆けて流す政治ニュースは、安倍首相の代弁であると相場は決まっている。
 今朝のこのニュースもそうだ。
 安倍首相はトランプ大統領と電話会談し、引き続き北朝鮮に圧力をかける事で完全に一致したと報じた。
 これは、きのう、安倍首相が国会で、わざわざ、自らの平昌五輪外交の成果を誇って見せた答弁と相俟って、安倍首相の焦りの裏返しだ。
 外されそうになっているはしごを、懸命に外されてはいないと、国民に向かって強弁してるのだ。

 しかし、安倍首相が電話会談で真っ先にトランプに言うべき事は、はしごを外さないでくれ、という懇願ではない。
 日本を守ってやっているのに日本は貿易黒字をため込んで米国人を殺している、という、トランプの言われなき暴言に対して、国民を代表して怒ることだ。

 NHKが流したのは、噴飯物の安倍・トランプ電話会談である。
 なぜメディアは、ただの一社も、トランプの日本は殺人者だ、という暴言を報じないのか。
 トランプに、そんな暴言の謝罪、撤回を電話会談で迫るよう、なぜただの一社も安倍首相に求めないのか。
 きのうの日刊ゲンダイだけが書いた。
 「シンゾー&ドナルドの友情などしょせん、塵のようなものだ」と。
 その通りではないのか(了)


北非核化“対話で要求”米副大統領 「圧力と関与」説明
しんぶん赤旗 2018年2月16日
 【ワシントン=池田晋】ペンス米副大統領は14日、北朝鮮が核・弾道ミサイルの開発を完全かつ検証可能な形で放棄するまで経済的・外交的圧力を続けるとする一方、北朝鮮との対話には「オープンだ」とし、機会があれば米国の非核化要求を伝えると述べました。米ニュースサイトのアクシオスとのインタビューで発言。

 同氏が平昌五輪への訪韓時に文在寅(ムンジェイン)大統領と合意した「最大限の圧力と同時の関与」の方針を説明したものとみられます。
 ペンス氏はインタビューで、「(トランプ)大統領はいつも対話の正当性を信じていると明確にしてきた。しかし、対話は交渉ではない。対話は互いを理解するものだ」と述べ、意見交換の対話と、非核化の交渉は異なるレベルだとの認識を示唆しました。

 14日付の米紙ニューヨーク・タイムズは複数の米政権高官の話として、ペンス氏の訪韓の結果、トランプ政権は北朝鮮が非核化に向けて行動しないかぎり対話しないとした従来の姿勢から、予備対話には応じると軌道修正したと報道。南北対話に踏み切った同盟国との亀裂を避ける米国の判断だとし、「韓国の勝利だ」との見方を示しました。