2018年1月24日水曜日

24- 「改憲反対で一致すべき」小林節氏が野党超党派連盟に

 よく言われるように、安倍首相の主張する「憲法9条に自衛隊の存在を明記する」ことには、政府自らが「自衛隊は違憲」というのに等しいという矛盾があります。
 したがって普通の政権であればそういうことはしないものです。しかも安倍首相によれば、集団的自衛権の行使を盛り込んだ安保法(戦争法)の成立で、米政府から「もう9条の改憲は不要になった」と言われたというのですからなおさらです。
 それを敢えて自衛隊を明記して9条を「壊憲」しようとするのは、戦前のような完全な軍隊を持ちたいからに他なりません。

 野党議員が超党派でつくる「立憲フォーラム」の会合で21日小林節慶大名誉教授(憲法)は、9条は侵略戦争を放棄しているが、自衛権は自然権として持っているものなので、専守防衛に徹する限りは自衛隊は合憲の範囲に収まると説明し、「9条新3項で1項と2項を死文化させる姑息な9条改憲への反対という一点で野党は一致すべきだと訴えました。
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「改憲反対で一致すべき」小林節氏が野党超党派連盟に喝
 日刊ゲンダイ 2018年1月22日
 安倍デタラメ改憲は許さない――。通常国会召集を控え、立憲民主党を中心に約70人の野党議員が超党派でつくる「立憲フォーラム」(代表・近藤昭一衆院議員)が21日、慶大名誉教授の小林節氏(憲法)やジャーナリストの高野孟氏らを講師に招き、都内で会合を開いた。

 安倍は自民党が2012年にまとめた改憲草案を事実上、棚上げ。9条1項(戦争放棄)と2項(戦力不保持と交戦権否認)を残し、3項を新設して自衛隊の存在を明記する“加憲”による強行突破をもくろむ。

「〈自衛隊が違憲かもしれない〉などの議論が生まれる余地をなくすべき」という持論を振り回すが、小林氏は「安倍首相の主張は筋がズレている。国際法上の侵略戦争を行わず、専守防衛に徹する限りは自衛隊は合憲の範囲に収まる」と解説。9条は1928年のパリ不戦条約以来、国際法の慣用句である「侵略戦争」を放棄しているが、自然権としての自衛権は保持。外敵侵入を排除する警察権行使の一環として、自衛隊が設置・運用された経緯を改めて説明した。

 一方、改憲の是非を問う国民投票は衆参両議員の3分の2以上の発議後、60~180日以内に実施され、投票数の過半数の賛成で成立する。国会の改憲勢力は3分の2のハードルを優にクリア。投票の15日前までテレビCMを無制限に流せるため、資金力でも優位に立つ自民の独壇場になるのは必至だ。そうした事態も踏まえ、小林氏は「国民投票は議席を争う選挙ではない。新3項で1項と2項を死文化させる姑息な改憲への反対という一点で野党は一致すべきだ」と訴えた。
 安倍の動きを封じ込める手だては、野党の結集しかない。