2017年12月5日火曜日

自民党が国民をだましてボロ儲け

 総務省が発表した昨年度の政治資金収支報告書によれば、自民党本部の収入は241億円(うち政党交付金は174億円)で企業・団体献金は23億円でした。
 アベノミクスの円安と法人税減税で潤った大企業が、儲けの一部を“お礼”として政権に還流している構図です。品質データを改ざんしたり、完成品検査をごまかしたりした東レ(5000万円)、神戸製鋼所(1000万円)、日産自動車(3500万円)からの献金は、消費者を騙して儲けたカネのほんの一部です。

 そもそも血税で賄われている莫大な政党交付金は、企業・団体献金を廃止して企業との癒着を防止する趣旨で作られた制度でしたが、そんなのはもはや「どこ吹く風」で、いまや一企業と政治家個人の問題ではなく、経済界全体と自民党の癒着という構造になっています。
 献金が政策上の見返りを期待してのものであるのは明らかで、現実に国の予算は資金力や献金力のあるところに手厚く付けられて、そこからまた献金の形で政党に還流する仕組みが出来上がっています。

 露骨な大企業優遇策の結果、この5年間で労働分配率が下がり実質賃金は60万円近く減る一方で、大企業は16年度で内部留保は前年度より約28兆円も増えて過去最高の406兆円に、また経常利益も前年度比9・9%増の75兆円という過去最高額になっています。大企業はそれでも足りないとして、政府と一体となって「働き方改革」と称して残業代ゼロやクビ切り自由化を進めようとしています。

「安倍政権は軍拡予算を増やし、米国から言われるまま武器を購入してカモにされていますが、その原資は庶民の懐です。いくらお人よしな国民でも、ここまでコケにされて黙っているのは、どうかしています。それは大メディアのせいでもあり、彼らはスポンサーである大企業の顔色をうかがい、新聞は軽減税率を適用してもらいたいから政権にもおもねる。大新聞が国民の敵という点が、この国にとって一番の不幸かもしれません」と、経済アナリストの菊池英博氏は述べています。
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 巻頭特集
世間はそれを詐欺と言う 「自民党」国民だましのボロ儲け
 日刊ゲンダイ 2017年12月4日
 フザけた1強支配の実相がよく分かる。30日に総務省が発表した2016年の政治資金収支報告書。自民党本部の収入は241億3000万円と、その金満ぶりは他を圧倒した。

 174億3600万円の政党交付金に加え、企業・団体献金は、第2次安倍政権が発足した12年から5年連続で増加し、23億2000万円だった。自民党の政治献金受け入れ団体である「国民政治協会」への寄付は、自動車工業会が8040万円、鉄鋼連盟が8000万円など。企業別ではトヨタ自動車が6440万円でトップ。これに経団連・榊原会長の出身企業の東レ(5000万円)、キヤノン(4000万円)、住友化学(3600万円)が続く。榊原会長は15年から経団連の会員企業に自民党への政治献金を呼びかけてきた。15年に献金を再開した三菱東京UFJ銀行など3メガグループも、前年同様に2000万円を献金である。

アベノミクスの円安と法人税減税で潤った大企業が、儲けの一部を“お礼”として政権に還流している構図が鮮明に浮かび上がります。これはもう白昼堂々の贈収賄と言っていい。しかも、品質データの改ざんが発覚した東レが5000万円、神戸製鋼所も1000万円、新車の無資格検査問題が判明した日産自動車は3500万円……。消費者を騙して儲けたカネを自民党に献金し、大企業優遇政策を進めてもらおうというのだから、あまりにおぞましい。権力に群がり、利権を分け合う政官財の腐敗構造が安倍政権で完全復活してしまいました」(経済アナリスト・菊池英博氏)

■献金は見返りを期待して渡すもの
 腐敗を象徴するのが、自民党の園田博之衆院議員がNPO法人から200万円の寄付を受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかった一件だ。資金提供元のNPO法人理事長は1日に会見を開き、「園田氏に渡したカネは総額で約2000万円」と話した。「障害者に関する施策が整備されれば自分たちの事業が安定する。園田氏に期待した」とも言っている。
 こんなものは氷山の一角で、そもそも企業献金は、何らかの見返りを期待して渡すものだ。カネで政策を買う。当然、汚職の温床になる。政治学者の五十嵐仁氏が言う。
「だからこそ、企業献金を制限し、政党交付金という『税金』で政党の活動を助成する制度をつくったのです。巨額の政党交付金は企業・団体献金の廃止が前提だったのに、血税と企業献金を二重取りのデタラメが横行している。さらには裏金もせしめて、お友達を優遇する。企業を儲けさせてキックバックを得るというのは、自民党が昔からやってきたことですが、一企業と政治家個人の問題ではなく、今は経済界全体と自民党が癒着している。そのために国民生活が大きな犠牲を払わされていることに気づかなければなりません」

 立憲民主党の長妻昭代表代行は、2日の集会でこう言って企業献金の禁止を訴えていた。
「日本は公共事業が先進国1位。建設会社はパーティー券も(買い)、献金もいっぱいくれますよ。ところが、子育て予算は最低レベル。子育て中のお母さんが気前良く、100万円のパーティー券を買ってくれるわけがない。資金力や献金力のあるところに予算が手厚くついて保護される

 企業献金の増加とともに、安倍政権は露骨な大企業優遇策を推し進めてきた。法人税を減税し、その穴埋めを消費税増税で庶民に押し付ける。輸出企業を儲けさせるために、庶民生活を圧迫する円安政策を取る。その結果、疲弊しきった国民の嘆きが、怒りに変わらないことが不思議だ。

金権腐敗政治の無間地獄で庶民派殺される
「子育てなどで大変な思いをしている人が自民党に投票するのは、本来は自殺行為です。安倍政権は大企業と金持ち、オトモダチのことしか考えていない。突然、国難などと言い出し、大義なき自己都合解散を繰り返しても選挙に勝ってしまうのは、野党の分裂に助けられている面がありますが、本当にこういう政治を私物化する政権が続いていいのか、国民はもっと真剣に考える必要があります。衆院選に勝った途端、サラリーマン狙い撃ちの『給与所得控除の見直し』やたばこ税、森林環境税、観光促進税と増税メニューが次から次です。これらの増税分が、法人税減税の手当てに使われる。企業は社会保障の負担も減らし、社員の給料も上げないから、内部留保は過去最高に膨れ上がっています。そこから自民党にカネが流れる。庶民から巻き上げたカネがいろんなルートで自民党に流れ込むだけです」(五十嵐仁氏=前出)

 国民から税金を吸い上げ、企業から献金を受け取り、お友達優遇の私物化でバラまき、カネにものをいわせて選挙に勝つ。勝てばまた庶民から取り立てる。これでは金権腐乱政治の無間地獄だ。その犠牲になっているのは国民生活なのである。
 財務省の16年度の「法人企業統計」によれば、企業の内部留保は前年度より約28兆円も増えて過去最高の406兆2348億円。経常利益も前年度比9・9%増の74兆9872億円で過去最高だ。

 それでも、庶民の所得は増えない。安倍政権の5年間で労働分配率が下がり、実質賃金は60万円近く減った。非正規労働者が増え、貯蓄ゼロ世帯も増加の一途だ。サラリーマン世帯も保険料アップなど負担増ばかりで、可処分所得が減っているのに、そこにまた課税強化しようというのである。さらに「働き方改革」などと言って、残業代ゼロやクビ切り自由化も進めようとしている。

■1強支配で汚染が複合的に拡大
 選挙の時は増税に触れず、自民党が勝ち、与党が圧倒的多数で政権は安泰となると、取り立てやすいサラリーマンを狙い撃ちにして負担増を強いてくる。
 それも、所得税率を上げるのではなく、給与所得控除を縮小してこっそり実質増税するというのは、実に姑息で卑劣なやり方だ。

「世間ではこういうのを詐欺と言う。詐欺師政権と大企業がグルになり、国民を騙してボロ儲けしている。いま政府・与党の税調で話し合われているサラリーマン増税による税収増は年間1000億円程度といわれています。法人税を上げれば、ケタ違いの税収増が見込めるのに、そうはしない。法人税減税で、大企業の株主配当や役員報酬も大幅に増えました。安倍政権の5年間で奪われた国民の富が、大企業に付け替えられてきた。社会保障のためといって消費税増税を強行したのに、肝心の社会保障費は削られ、教育予算も削って、軍拡予算を増やしているのが安倍政権です。米国から言われるまま武器を購入してカモにされていますが、その原資は庶民の懐ですよ。いくらお人よしな国民でも、ここまでコケにされて黙っているのは、どうかしていますが、それは大メディアのせいでもある。政権が庶民から搾取したカネの流れや、大企業との癒着を批判しようとしないからです。スポンサーである大企業の顔色をうかがい、新聞は軽減税率を適用してもらいたいから政権におもねる。大新聞が国民の敵という点が、この国にとって一番の不幸かもしれません」(菊池英博氏=前出)

 独裁政権による政治の私物化は国民生活を破滅に導く。行政も司法も歪められ、産業界との癒着、メディア懐柔で国民はカヤの外。汚染は複合的に広がっている。増え続ける自民党への献金は、その惨憺の極致を物語っている。