2017年12月7日木曜日

08- 参院憲法審1年ぶりに審議 憲法9条への自衛隊明記に賛否

 参議院憲法審査会では6日、およそ1年ぶりに審議が行われ、各党が「憲法に対する考え方」をテーマに、意見表明と自由討議を行いました。
 自民党は憲法9条に自衛隊の存在を明記する改正の必要性を訴え、野党の日本維新の会と希望の党も前向きに議論する考えを明らかにしました。
 民進、共産両党と参院会派「希望の会(自由・社民)」は反対する意向を表明し公明党は見解を示しませんでした
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憲法9条への自衛隊明記に賛否 1年ぶり参院審
東京新聞 2017年12月6日
 参院憲法審査会は6日、約1年ぶりに実質的な議論を実施した。自民党は憲法9条に自衛隊の存在を明記する改正の必要性を訴え、野党の日本維新の会と希望の党も前向きに議論する考えを明らかにした。民進、共産両党と参院会派「希望の会(自由・社民)」は反対する意向を表明した。自民党と連立を組む公明党は見解を示さなかった。

 この日は「憲法に対する考え方」をテーマに各会派が自由討議した。自民党は、隣接県を一つの選挙区に統合する参院選「合区」解消の改憲も提起したが、公明党や希望の会は慎重姿勢を見せた。10月の衆院選を経て衆参両院で憲法論議が始まったものの、各党の立場の隔たりが改めて鮮明になった格好だ。

 自民党の磯崎仁彦氏は改憲対象として9条と合区解消、緊急事態条項、教育無償化・充実強化の4項目を検討していると説明。「憲法を論じることは国会に課せられた重大な使命だ」と活発な議論を呼び掛けた。9条への自衛隊明記について、古賀友一郎氏は「法的に不安定な状態を放置していいわけがない」と意義を強調した。
 民進党の白真勲氏は集団的自衛権の行使を容認した憲法解釈変更を前提とする自衛隊明記案は「立憲主義の破壊行為だ」と批判共産党の仁比聡平氏は「際限のない武力行使に道を開くことになる」と非難し、審査会を開催しないよう要求した。
 一方、日本維新の会の東徹氏は自衛隊明記の必要性に理解を示した上で、教育無償化の議論も提案した。希望の党の松沢成文氏は文民統制の明記を含めて9条改正論議を進めるよう求めた。

 参院選合区解消を巡っては、磯崎氏が改選ごとに各都道府県から1人以上を選出できるようにする改憲案に言及し「現代的かつ緊要な課題だ」とした。公明党の西田実仁氏は合区解消に慎重な姿勢を示した。憲法での参院の権限見直しが必要になる可能性を指摘し、二院制の堅持を訴えた。
 先の通常国会では「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を巡る与野党対立のあおりを受け参院憲法審の実質議論は行われなかった。(共同)


参院憲法審1年ぶりに審議 改憲の是非など各党が主張
NHK NEWS WEB 2017年12月6日
参議院憲法審査会では、およそ1年ぶりに審議が行われ、各党が改憲の是非や自衛隊の明記といった改正を検討すべき項目などについて、それぞれ主張を述べました。
参議院憲法審査会では6日、去年11月以来およそ1年ぶりに審議が行われ、各党が「憲法に対する考え方」をテーマに、意見表明と自由討議を行いました。

このうち自民党は「9条への自衛隊の明記に加え、教育の無償化・充実強化などを党内で議論している。いずれも今日的な課題で、どう考えるかは大切な問題だ」と述べました。
民進党は「衆議院の解散は内閣と議会の対立が生じた場合などに限られるべきで、解散権の乱用について憲法審査会で調査し、再発防止を議論すべきだ」と述べました。
公明党は「審議を補完し、再考を促すため二院制を維持すべきだ。二院制を前提に、参議院が独自性を発揮するため行政監視機能を充実させるべきだ」と述べました。
共産党は「9条に自衛隊を書き込むことは、際限のない武力行使に道を開くものだ。国民の多数は改憲を求めておらず、審査会で議論する必要はない」と述べました。
日本維新の会は「教育無償化を憲法に定めて、予算措置などを義務づけるべきだ。地方の権限と財源を強化する形で、国と地方の関係を定めるべきだ」と述べました。
希望の党は「単に自衛隊の存在を9条に加えるだけでなく、自衛隊を文民統治の下に置くことを書き込んで、自衛権の明記も議論していくべきだ」と述べました。
社民党は「憲法を変えるのではなく、憲法を生かす政治をやるべきだ。憲法が規定する、個人が尊重される社会を作らなければならない」と述べました。