2017年11月22日水曜日

22- マイナス金利が金融機関を壊している 出口戦略を説明すべき

マイナス金利が金融機関を壊している
無策・無能だったアベノミクスの出口戦略を説明すべきだ。
日々雑感 2017年11月21日
 みずほフィナンシャルグループ(FG)は20日の投資家向け説明会で、人員・店舗削減などの構造改革を通じ、2024年度までに1000億円台半ばの経費圧縮を目指すことを明らかにした。超低金利で銀行業務の収益性が低下。人件費が高い総合職の大幅削減を含め、経営を抜本的に合理化する。

 みずほFGは既に、臨時雇用を含む約8万人の全従業員を、26年度までに1万9000人削減する計画を公表済み。総合職は現状より3割少なくする。本社事務部門などの総合職を減らす一方、営業部門には重点配置して稼ぐ力を高める。

 従業員は現在と比べて、21年度までに8000人、24年度までに1万4000人減らす。新規採用抑制などを通じて実現する。約500拠点ある店舗網は、21年度までに50カ所、24年度までに100カ所削減する
(以上「時事通信」より引用)

 日本の大手都市銀行の大幅なダウンサイジング規模縮小は来るべきものが来たという感が強い。日銀のマイナス金利は日銀・政府が進めている異次元金融緩和政策で禁じというべきマイナス金利を実施しているが、それが「禁じ」と言われているのは市中銀行から「利益」を奪うことになるからに他ならない。
 もちろん、金融機関本来業務の「貸付」が行われて日銀口座に資金を置かなければ問題ない、という日銀・政府の理屈はあるが、日本経済がデフレ下にあり企業の新規投資意欲がなかなか高まらないのも事実だ。日銀がマイナス金利に突入する環境として、政府が企業投資減税策を強力に推進しておくべきだった

 日銀と政府は安易に「禁じ手」を使った。その政策によって日本の金融機関が壊れかねない、という影響の深刻さを勘案しない安易さは安倍自公政権の特徴的なものだ。総合的な視点を欠いた政策は必ず深刻な影響を国民経済にもたらす
 フランスのエマニエル・トッド氏の理論ではないが、「グローバル化疲れ」が日本にも出始めている。その顕著なものが労働者賃金の低下と日本の金融機関の「壊れ」だ。都市銀行ですら一割以上のリストラを行うというのなら、体力のない地方銀行の困窮振りは推して知るべきだ。

 経済の血液というべき貨幣のポンプ役を果たす心臓が金融機関だが、その金融機関が壊れ始めている事態を日銀と安倍自公政権は重く見るべきだ。そして異次元金融緩和策の出口戦略をいかにすべきか、日銀と安倍政府は手立てを説明すべきだ。もはやアベノミクスの時代は終焉を迎えている。