2017年9月3日日曜日

プーチン大統領「北朝鮮に一方的に圧力を掛けるのは誤り」

 ロシアのプーチン大統領は1日、大統領府のウェブサイト上で、米国と北朝鮮の対立が大規模な紛争に発展する恐れがあると警告し、北朝鮮に一方的に圧力をかけるのは誤りだ」との見解を示しました。

 安倍首相は来週プーチン大統領と首脳会談を行う予定で、その際に北朝鮮への説得を要請すると見られています。
 しかしアメリカの公式見解は、北朝鮮が核兵器の所有と弾道ミサイルの開発を止めることが米朝が話し合いを始める前提になるというものであり、安倍首相はアメリカが全て正しく北朝鮮が間違っているとしてそれに同調しているのですから、そんな立場からの第三者による説得はあり得ず、プーチンがそれを受け入れることもありません。

 そもそも、アメリカ(など)は核兵器も弾道ミサイルも持って構わないが北朝鮮には許されないなどとする国連決議に北朝鮮が従う筈はなく、かつてイラクがIAEAの度重なる査察に合格したにもかかわらず、アメリカに言いがかりをつけられ最終的に石器時代と見まごうほどに国土を完全に破壊された事実を目の当たりにした北朝鮮が、命の綱となる核兵器と弾道ミサイルを手放すこともあり得ません。

 ロシアや中国が言うとおり、米・韓も合同軍事演習で北朝鮮を威嚇することを止め、「全ての関係国が前提条件なしに直接対話を行い問題を解決することが不可欠」という立場こそが事態を解決するものです。

 北朝鮮の国営メディアは、「日本は先鋭化した地域情勢をあおっていると危機に陥りかねない」、「弾道ミサイルはわが国を核で威嚇するアメリカを狙ったもので、アメリカの敵視政策に積極的に同調しない限り、われわれの戦略兵器を恐れることはない」と日本を牽制しました。
 安倍首相はこうした声に耳を傾けるべきでしょう。
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プーチン大統領「北朝鮮への圧力はむだなだけ」
NHK NEWS WEB 2017年9月2日
ロシアのプーチン大統領は、核とミサイルの開発を加速させる北朝鮮への国際社会の対応について、「圧力をかけてもむだなだけだ」として対話によって解決すべきだと主張し、来週行われる日ロ首脳会談でもこうした立場を直接伝えるものと見られます。
ロシアのプーチン大統領は、中国などの新興5か国でつくるBRICSの首脳会議が3日から中国で開かれるのを前に1日、こうした国々との協力の在り方を記した文書を発表しました。

このなかでプーチン大統領は、北朝鮮への国際社会の対応について「核やミサイルの計画をやめさせようと圧力をかける政策は誤りで、むだなだけだ。挑発や圧力、攻撃的で侮辱的な言葉の応酬を続けてもその先には何もない」として対話を通じて解決すべきだと改めて主張したうえで同じ立場の中国との連携を強調しました。

ロシアが対話を重視する背景には、日本が、新型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をアメリカから導入する方針となっていることなど、アメリカが北東アジアでの軍事的な影響力を強化していることに強い懸念を抱いていることもあるとされています。

プーチン大統領は来週、ウラジオストクで安倍総理大臣と首脳会談を行う予定で、ロシアのこうした立場や懸念を直接伝えるものと見られます。


北朝鮮 日本の「イージス・アショア」導入方針を非難
NHK NEWS WEB 2017年9月2日
北朝鮮の国営メディアは、日本政府がアメリカの地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を導入する方針を示していることを非難し、「日本は先鋭化した地域情勢をあおっていると、危機に陥りかねない」として、アメリカとの連携を強化する日本をけん制しました。
これは2日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が論評として伝えたもので、日本政府がアメリカの地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を導入する方針を示していることを、「われわれの戦略兵器を脅威だと騒ぎ立て、難癖をつけている」と非難しました。

そして「弾道ミサイルはわが国を核で威嚇するアメリカを狙ったもので、アメリカの敵視政策に積極的に同調しない限り、われわれの戦略兵器を恐れることはない」と主張しました。
また、先月行われた航空自衛隊によるアメリカ軍のB1爆撃機との共同訓練などに触れ「日本は先鋭化した地域情勢をあおっていると、危機に陥りかねない。日本列島は朝鮮半島と決して遠く離れていない」として、アメリカとの連携を強化する日本をけん制しました。