2017年9月22日金曜日

22- 内閣官房「行政文書は発言すり合わせて」と

 森友・加計疑惑をめぐり、真相解明につながる公文書が破棄されたり、作成されていなかったことが問題になりました。それを受けて内閣官房20に提示した「行政文書の管理において採るべき方策」は、省庁が他の省庁や民間企業などと協議や打ち合わせを行った際は、相手側の発言内容を先方に確認した上で議事録などの記録を残すというものです。
 これでは省庁間の生々しいやりとりは記録されず、きれいに調整された当たり障りのない文書しか作成されなくなり、政策決定の過程をますます不透明になります。

「森友問題」などの徹底取材を続け、ツイッターで情報発信してきたノンフィクション作家・菅野完氏のツイッターアカウントが19日深夜、突然、永久凍結されました
 その記事も併せて紹介します。
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内閣官房「行政文書は発言すり合わせて」 不透明化加速も
 日刊ゲンダイ 2017年9月21日
 転んでもタダでは起きないヤツらだ。森友・加計疑惑をめぐり、真相解明につながる公文書が破棄されたり、そもそも作成されていなかったことが問題になった。これを受けて内閣官房は20日、「行政文書の管理において採るべき方策」を提示したが、批判を逆手に取って、政策決定の過程をますます不透明にする内容なのだから呆れる。

「方策」では省庁が他の省庁や民間企業などと協議や打ち合わせを行った際は、相手側の発言内容を先方に確認した上で議事録などの記録を残すとしている。
 加計学園の獣医学部新設疑惑では、文部科学省の課長補佐が「萩生田副長官ご発言概要」と題した文書を作成。官房副長官だった萩生田が「官邸は絶対にやると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っている」などと迫ったことが生々しく記録されており、これがマスコミなどに流出して大騒ぎとなった。
 新たな「方策」が実施されれば、こうした生々しいやりとりは記録されず、きれいに調整された当たり障りのない文書しか作成されなくなる恐れが大だ。

 問題発言は隠されてしまい、仮に不正が行われても疑惑解明は困難になる。モリカケの教訓に“逆行”している。


解除求め署名活動も 菅野完氏ツイッター“永久凍結”のなぜ
日刊ゲンダイ  2017年9月20日
「森友問題」などの徹底取材を続け、ツイッターで情報発信してきたノンフィクション作家・菅野完氏のツイッターアカウントが19日深夜、突然、永久凍結された。フォロワー約6万4000人の菅野氏のツイッターは、今や「モリ・カケ問題」などの国民的議論の場になっていた。何があったのか。

 菅野氏によると、19日午前0時にはツイートできたが、5分後「アカウントが凍結されています」という画面になっていた。菅野氏が言う。
「これまで2度、アカウント凍結の警告はありました。その際、警告に従って投稿を削除し、凍結は免れています。今回は一切、事前の警告はありませんでした。凍結の理由をツイッター社に問い合わせていますが、いまだ回答はありません。とにかく何が問題なのかを知りたい」
「Twitterルール」では、非合法利用、不適切画像、なりすましなどの他、暴力行為の脅迫、嫌がらせ、ヘイトなど攻撃的行為も禁じていて、永久凍結もあり得ると規定している。菅野氏の投稿は決して“行儀いい”ものではないが、理由も示さず“出禁”とは穏やかでない。

ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「2度目までは事前警告で挽回の機会は与えたが、3度目で“退場”ということだと思います。ツイッター社は莫大なツイートを扱っていて、何度も個別のユーザーに対応できないのが実情です。もちろん、菅野氏に理由をきちんと説明した方が親切だとは思います」
 ツイッター社のメディア広報チームに凍結の理由を問い合わせたが、期限までに回答はなかった。

 ツイッターを読むと過激な差別的表現が散見される。いったい菅野氏のツイッターのどんな表現がNGだったのか。解散・総選挙前の微妙な時期の永久凍結に、「モリ・カケ問題を隠す言論統制だ」とのツイートまで登場。6万4000人のフォロワーはいぶかしがり凍結解除を求める署名活動も始まった。ツイッター社は理由を開示すべきではないか。