2017年9月13日水曜日

13- 核ミサイル 沖縄で1959年誤発射 「爆発なら那覇は吹き飛んでいた」

 10日、NHKは「NHKスペシャル スクープドキュメント 沖縄と核」を放送しました。その中で1959年当時で既に1300発の核兵器が沖縄に配備されており、同年の619日に、核弾頭を搭載したミサイルナイキ・ハーキュリーズが誤って発射されていたことを報じました。
 たまたま水平に置かれた状態で発射されたために、核弾頭は爆発せずに沖合の海に着水し、のちに米軍によって回収されました。
 この事故は沖縄タイムスが米軍司令部情報部の発表した内容を伝えましたが、核を搭載していた事実は機密事項として伏せられていました。
 
 NHKスペシャルは、当時整備担当の元米兵の証言として「核弾頭は搭載されていた」「核爆発を起こしていたら那覇が吹き飛んでいた」と報じましたが、これは全く新しい内容でした
 搭載された原爆の規模は20キロトンTNTで、広島に投下された原爆(15キロトン)を上回っていましたから元米兵の言うとおりです。
 この番組はネット上でも話題になりましたが、沖縄タイムスがこの「NHKスペシャル」を取り上げました。

NHKスペシャル スクープドキュメント 沖縄と核2017.09.10放映)」の完全録画版(49分54秒)はブログ「晴天とら日和」(9月11日)で見ることが出来ます。
 記事のURLは下記の通りです。 
 なお、同番組のナレーション部分の完全書き起こし版が、晴天とら日和」の末尾に掲載されています。
 これは晴天とら日和」氏がビデオから聞き取って書き起こしたもので、文字数で約10,050字の大作です。(長文で引用できないので直接原文をお読みください)
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核ミサイル、沖縄で1959年誤発射 「爆発なら那覇は吹き飛んでいた」
沖縄タイムス 2017年9月12日
 米軍統治下時代に核ミサイル「ナイキ・ハーキュリーズ」が配備されていた米軍那覇サイト(現・那覇空港)で、1959年6月19日、核弾頭を搭載したミサイルが誤って発射されていたとNHKが10日、報じた。爆発はせず、那覇沖合に着水したミサイルは米軍が回収したという。沖縄タイムスは事故発生翌日の紙面に、米軍発表として「ミサイル発射寸前に発火」と誤発射を報じているが、米軍から「核弾頭搭載」との広報はなかったとみられる。

 「NHKスペシャル 沖縄と核」では、当時、整備担当の元米兵の証言として「核弾頭は搭載されていた」「発射に備える訓練中に兵士が操作を誤り、ブースターが点火した」「核爆発を起こしていたら那覇が吹き飛んでいた」との内容を放送。

 米軍内部文書から「核兵器の事故はアメリカの国際的地位を脅かす」「全ての情報は関係者以外、極秘とする」との記述も報じた。
 翌20日の沖縄タイムス紙面では軍司令部情報部の発表として「ミサイルが水平状態で一部発火、その発射火薬で操作員一人が即死、他の五人が負傷した」としているが、核搭載との情報はなく「事故原因はまだ分からない」との記述にとどまっている。

 当時、整備工として那覇サイトにいた元米軍作業員の男性(81)は本紙の取材に「サイト8(那覇サイト)の点検日で、レーダー施設から発射台に向かったが、手前の兵舎で止められた。兵舎のハウスボーイから『ミサイルから火が出て、黒人兵が亡くなった』と聞いた」と証言した。男性は核弾頭搭載ミサイルとは聞いておらず「騒がれないよう、一部の事実は公表し、核弾頭のことはひた隠しにしたのだろう」と推察している。