2017年8月31日木曜日

「新党憲法9条」代表 天木直人氏の野党批判3部作

 当ブログでしばしば記事を紹介させて貰っている天木直人氏は元駐レバノン日本国特命全権大使ですが、2016年8月29日に政治団体「新党憲法9条」 を設立し、その代表になっています。
 「新党憲法9条」代表としての発言はいつも極めてシビアで、認識を改めさせられることが多々あります。

 31日のブログで、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議する」と題する日本共産党の声明を手厳しく批判しました。その主旨は「北朝鮮に対する一方的非難」だけでは足りないとするものです。
 併せて30日に出した民主党代表選への批判のブログと、細野豪志・長島昭久・野間健議員の3人が新党結成を先行させるということへの批判のブログを紹介します。
 野党批判の3部作です。
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日本に本物の護憲政党は存在しない事を証明した閉会中審査
天木直人のブログ 2017年8月31日
 北朝鮮のミサイル発射に関する閉会中審査がきのう8月30日に急きょ開かれた。
 私はてっきり野党による安倍政権の対応に対する厳しい追及がなされるものと期待していた。
 なにしろ迎撃ミサイルシステムでは日本を防げないことが露呈したからだ。これ以上の税金の無駄はない。なにしろ、このまま米国と一緒になって北朝鮮に軍事的圧力をかけると、真っ先に犠牲を受けるのは日本だからだ。
 これほど国民の生命と財産をないがしろにする政治はない。

 ところが今朝の各紙を見ると、どこにも野党の追及は見られない。それどころか、与野党の全会一致で北朝鮮非難決議を採択している。いったい、この国の護憲政党は何をしているのか。
 そう思っていたら驚いた。護憲政党を売り物にしている天下の共産党が、いち早く、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議する」と題する声明を志位和夫共産党委員長の名前で出していたのだ。
 その内容はトランプ大統領や安倍首相の言っている事と同じだ。北朝鮮に対する一方的非難だ。
 どこにも北朝鮮に対する軍事的圧力への非難はない。こんな声明を出すような共産党は護憲政党ではない。
 憲法9条はもちろん北朝鮮の行為を認めない。しかし、憲法9条は、みずから核兵器を保持し、それを使って威嚇する米国と、その米国の核の傘に頼って北朝鮮との戦争を辞さない安倍首相の日本もまた、等しく認めないのだ。それが日本国前文と憲法9条に謳われている憲法9条の精神である。

 北朝鮮のミサイル発射が教えてくれた事。それはこの国の政治には本物の護憲政党が存在しないということだ。
 それだけではない。いわゆる護憲・リベラルと言われている朝日も毎日も東京も、その社説でこぞって北朝鮮を批判するばかりだ。米国との軍事同盟を最優先する安倍政権が憲法9条の精神に反している事を批判する社説は皆無だ。
 野党といい、護憲リベラル紙といい、北朝鮮は許せないという世論に迎合しているからそうなるのだ。
 世論に迎合してはいけない。世論を正しく覚醒させなければいけないのだ。
 憲法9条を世界に先駆けて持つ日本こそ、北朝鮮にも米国にも、そして中国やロシアに対しても、軍事力で平和を実現することは出来ない事を説得すべきである。それこそが日本だけしかできない平和外交である、と。
 この事を世論に気づかせる政党こそ真の護憲政党である。新党憲法9条の目指すものである(了)


前原か枝野かの選択しかない民進党代表選の不毛
天木直人のブログ2017-08-30
 いよいよ明後日9月1日に民進党の代表が決まる。
 予想では前原氏が優勢らしい。しかし前原代表ではとても安倍自民党には勝てない。なにしろ消費税10%増税を公約するようなピント外れだ。安倍首相でさえ、国民受けを狙って消費税増税見送りのサプライズを行うかもしれないと言われているのにである。
 その一方で、前原の安保政策は安倍首相となんら変わらない。これでは、逆立ちしても前原民進党は安倍自民党に勝てない。

 その一方で枝野氏はどうか。
 ひょっとしてリベラル派の巻き返しで逆転勝利するかもしれない。しかし、その枝野氏は、北朝鮮のミサイル発射を見て何と言ったか。
 「日米同盟を中心に関係諸国との連携を深め・・・毅然とした対応を取るべきだ。具体的な安全保障論は今の自民党と大きな違いはない・・・」と。
 驚いた。こんな発言をする者がリベラルと言えるのか。

 前原、枝野のどちらが民進党の代表になっても、とてもじゃないが、自民党と戦って政権政党になれる可能性はゼロだ。民進党代表選が盛り上がらない理由がここにある(了)


ろくでもない新党ばかりになる日本の政治
天木直人のブログ 2017年8月30日
 驚いた。細野豪志議員が長島昭久議員、野間健議員と三人で新党結成を先行させるという。
 長島昭久議員の事は知っている。自民党議員でもおかしくない親米・保守だ。
 しかし、野間健という政治家は知らない。
 調べてみて驚いた。改憲論者であり、核武装論者であるらしい。改憲論者だけならまだいい。改憲論者の中でもまともな議員はいる。
 しかし、改憲に加えて核武装を唱えるような政治家は、それだけで私の基準では政治家失格だ。 そんな野間健という議員と新党を作ろうとしている細野豪志議員は、それだけで終わりだ。
 若狭議員の新党と合流することはないだろう。もし合流したら小池新党もまた終わる。

 そして、その小池新党も、歴史認識問題で大きな欠陥を白状してしまった。小池新党は名古屋の河村たかしなどと組むという。そうなれば安倍首相と同じ歴史認識の集まりになる。

 どうして、新党はみな安倍首相と同じ様な議員の集まりになろうとするのか。絶望的な日本の政治である(了)