2017年7月28日金曜日

民進の蓮舫代表が辞任を表明/仙台市長選で勝利しても野党共闘が進まない

 民進党は野田幹事長の辞任に続いて、代表の蓮舫氏も27日、「より強い民進党を新たな執行部に率いてもらうのが最善の策だと判断した」と述べ代表を辞任する考えを明らかにしました。
 幹事長の人選については当初から党内に、民主党を没落させた超本人の野田氏を何故??と強い違和感を持つ人たちが沢山いました。したがって彼の辞任は遅きに失しましたが、蓮舫氏が体表辞任を決断したのは、民進党を統率していく自信が得られなかったからでしょう。
 民進党は解党的出直しをするしかないと、これまでずっと言われてきました。野田と蓮舫の二人の辞任がそのきっかけになることを願います。
 
 出直しのためには若い人たちによる新たな執行部が必要で、少なくとも菅政権と野田政権に関与し、国民に決定的な民主党(民進党)拒否感を与えたメンバーたちはこの際消え去るべきでしょう。もしもその残党たちがまた立ち現れるようであれば清新な党風など築きようもありません。
 どうかこれを機会に安倍政権打倒のための野党共闘に熱心に参加する党に変わって欲しい。

 高野孟氏の連載物・「永田町の裏を読む」=「仙台市長選で勝利しても野党の選挙協力が進まない理由」を併せて紹介します。
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民進 蓮舫代表 記者会見で辞任を表明
NHK NEWS WEB 2017年7月27日
民進党の蓮舫代表は記者会見で、「より強い民進党を新たな執行部に率いてもらうのが最善の策だと判断した」と述べ代表を辞任する考えを明らかにしたうえで、速やかにみずからの後任を選ぶ代表選挙を実施するよう求めました。
この中で、民進党の蓮舫代表は「党の代表をひく決断をした。どうすれば遠心力を求心力に変えられるのか考えた結果、いったんひいて、より強い民進党を新たな執行部に率いてもらうのが最善の策だと判断した」と述べ、代表を辞任する考えを明らかにしました。

そのうえで蓮舫氏は「東京都議会議員選挙は1つのきっかけではあるが直接の原因ではない。ただ選挙結果を通じて、丁寧に仲間の声に耳を傾けていろいろな声を受け止めながら、代表になってしっかりと向き合ってきたのか、反省と足らざる部分に気づいたことも大きく、総合的に勘案した。統率する力が不足していた」と述べました。

そして蓮舫氏は、みずからの後任を選ぶ代表選挙について、「党の規約に基づき、速やかに代表選挙に入り、新たな代表と執行部を作っていただきたい。安倍内閣に対する国民の不満を代弁し、それに代わりうる『民進党、ここにあり』という態勢を作ってほしい」と述べました。
さらに蓮舫氏は新しい執行部について、「わが党には、経験がある人や志が常に高い仲間、若くてチャレンジ精神があるすばらしい仲間がいる。求心力を高める執行部ができることをせつに願う」と述べました。

一方蓮舫氏は、次の衆議院選挙で東京の小選挙区から立候補する考えを明らかにしていたことについて、「そのことも含めて、一度立ち止まる。立ち止まって考えたい」と述べ、改めて検討する考えを示しました。
後 略  かなり長文です


   永田町の裏を読む
仙台市長選で勝利しても野党の選挙協力が進まない理由
高野孟 日刊ゲンダイ 2017年7月27日
 仙台市長選は、野党側の思惑通り、4党の選挙協力がカチッと組めれば自公に勝てるという道筋を指し示す結果となった。各紙はその結果を一様に「自民に打撃」と伝えたが、その中にあって毎日新聞は1面トップで「内閣支持率続落26%、“総裁3選”62%否定」と大見出しを打った。

 こうなると、いつ安倍政権が崩落して解散・総選挙になだれ込むやも知れずという地雷原状況が続くわけで、野党4党の衆議院選挙での協力態勢づくりもモタモタしてはいられまい。民進党の大幹部に聞くと、「ごく一部の極端な反共派は別として、トップから末端まで、濃淡やニュアンスはいろいろあっても、4党選挙協力で次期衆院選に臨むということについては党内合意ができている。理由は簡単で、我が党単独で安倍政権を追い詰め、その先、政権を取りにいく展望は、今のところ絶無だからだ」と言う。なるほど、分かりやすい。

 でも、細野豪志が憲法観の違いを理由に代表代行を辞任したり、前原誠司が「共産党の下請けにはならない」と発言するなど、ゴタゴタが続いている。「細野は軽挙妄動で、自分のグループもバラバラになってしまった。前原は口だけ達者でいろいろ言うけれども、京都での候補者調整ではちゃんと共産党と手を握っているんじゃないか」ということで、実は4党選挙協力がトレンドなのだという。

 しかし、野党選挙協力で戦うぞ ー! という勢いがなかなか見えてこないのだが? その幹部が答える。
「個々の選挙区事情となると、なかなか複雑なのだ。例えば私の県では、共産党が『1つの選挙区を譲ってくれれば他の全部の選挙区で民進党なり他の2党を支援する。簡単な話です』と言うが、その共産党が欲しい区は、我が党としては有力候補がいて譲りにくい。また、仮にそこを譲って民進党候補を取り下げたとして、1つには、それを今から発表すると、すぐに“小池新党”みたいなのが出てきて票をさらおうとする。2つには、それがなくとも、民進党が持っている保守寄りの票や連合の票は、必ず自民党に流れ、共産党には行かない。共産党は組織政党だから、『今回は我慢してこの民進党候補に入れろ』と言えば大半の党員・支持者はそれに従うだろう。しかし民進党は、そんな組織政党ではないから、誰も言うことを聞かず、みんな自民党に行く。そういう微妙な事情を分かっていただかないと、野党協力態勢は進まない」
 なるほど、仙台で勝っても一直線にはいかないのである。

  高野孟  ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。