2017年7月8日土曜日

加計学園の金銭疑惑が続々 補助金詐欺も

 加計学園問題は、まずは安倍首相の「腹心の友」に多大な便宜が供与されたことへの疑惑です。
 それに対して首相は「自分には全く何の責任もない」と繰り返し述べていますが、都民(国民)がそれをどう受け止めたかは都議選の結果が明確に示しています。
 問題はそれに留まらずに、下村博文元文科相が計200万円を受け取っていたことがその後発覚しましたし、「週刊朝日」によると、今治市の獣医学部の建設を受注した岡山市のアイサワ工業(自民党・逢沢一郎衆院議員の従兄が経営)から2015年に、逢沢議員の政治団体に750万円が寄付されているなど、ついに金銭問題が浮上しました。

 その最たるものが建設費で、今治市の獣医学部の建設費は割安な鉄骨造りであるにもかかわらず坪単価は約150万円と高額で、「大学病院」でも坪単価の相場は87万円、また3年前に鉄筋コンクリート造りのオシャレな獣医学部棟を立て替えた北里大学でも坪単価は82万円であったのに、それらを7割以上も上回っているということです。
 この建設費が水増しされている疑惑は当初からありましたが、今治市は獣医学部の設計図を公表しませんでした。
※ 4月25日  加計学園誘致 今治市民「国が金を出してくれると思っていた」

 今治市は加計学園が見積もった建設費148億円をベースにして96億円の補助金を出すことを決めているので、もしも建設費が水増しされたものであれば、森本学園と同様に「補助金詐欺」が成立します。また今治市がその可能性を知りながら高額な補助金を決めたということであれば、さらに疑惑は発展しそうです。
 Literaの記事を紹介します。
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下村ヤミ献金に続き加計学園の金銭疑惑が続々
自民議員の親族企業が校舎建設を高額受注、森友と同じ補助金詐欺も
Litera 2017.07.06
 下村博文元文科相が計200万円を受け取っていたことが発覚し、疑惑がよりいっそう深まった加計学園問題。10日発売の「文藝春秋」(文藝春秋)では下村元文科相と加計学園の関係についての続報が出るといい、早くも注目が集まっている。
 実際、今回の下村元文科相の問題は、真相究明の上でひとつの突破口になる可能性は高い。というのも、これまでは「総理のご意向」という“忖度”が働いていたことが内部文書などによってあきらかになっていたが、下村元文科相の200万円問題によって、異常な便宜の裏に有力政治家とカネが絡んでいたことがわかってきたからだ。
 しかも、カネ絡みの疑惑が浮上しているのは、下村元文科相だけではない。自民党議員の親族企業が、新設される獣医学部の建設を高額受注していたという問題が浮上しているのだ。

 あらためておさらいしておくと、今治市は岡山理科大学獣医学部のため約37億円の土地を無償譲渡、さらに建設費96億円を愛媛県とともに補助。市は最大64億円を負担する予定だ。そして、施設などの設計を請け負っているのは加計学園グループであるSID創研であり、施行は大本組と岡山市のアイサワ工業が受注している。このアイサワ工業というのが、岡山一区を選挙区とする自民党・逢沢一郎衆院議員の従兄が経営する会社なのである。
 この疑惑を追いかけている「週刊朝日」(朝日新聞出版)によると、逢沢議員は加計学園の国際交流局の顧問を30年ほど務める関係にあり、一方、アイサワ工業は2015年に逢沢議員の政治団体に750万円を寄付。自民党の政治資金団体にも30万円を寄付しているという。
 その上、毎日新聞6月23日付の記事では、獣医学部新設の事業者が加計学園に決定した今年1月より前の昨年12月の段階で、工事の元請けは地元業者でと陳情した市の建設業協会役員に対し、今治市の菅良二市長が〈岡山市に本店がある建設会社の名前を挙げ、元請けではなく下請けを前提に「そこに行ったらどうか」と促した〉とある。つまり、加計学園が事業者に決定する以前から、市長はアイサワ工業が工事を請け負うことを知っていた可能性があるのだ。

建設費見積もりを水増しか…加計学園に“補助金詐欺”疑惑が
 加計学園と30年にわたる深い関係にある逢沢議員と、多額の寄付を行うその親族企業が工事を請け負うことが事業者決定以前から決まっていた──。これだけでもかなりきな臭い問題だが、さらにもち上がっているのが、“補助金詐欺”疑惑だ。
 今治市議会は6月21日に獣医学部の施設など建設にかかる費用見積もりは約148億円と公表。単純計算で坪単価は約150万円となるが、これが相場よりかなり高いのだ。
 実際、「今治加計獣医学部問題を考える会」の村上治氏は、前述の「週刊朝日」で「大学病院の建設費用の相場は、坪単価87万円。加計学園の獣医学部はそれに比べて7割以上高い」と指摘。さらに本日発売の「週刊新潮」(新潮社)でも、3年前に獣医学部棟を立て替えた北里大学では、「獣医学部棟としては、オシャレで凝った造り」なのに82万円で抑えられていることをあきらかにしている。加計学園の施設はすべて鉄骨造りだが、北里大学のほうは一般的にそれよりも高いと言われる鉄筋コンクリート造りであるにもかかわらず、だ。
 ようするに、この相場よりもかなり高い建設費の見積もりをもとに、今治市は96億円の補助金を捻出することを決めてしまったが、加計学園側は高額な補助金を得るために建設費を水増ししているのではないかという疑いがあるのだ。しかも、この見積もりを出しているのは、加計学園と深い関係にある逢沢議員の親族企業だというのである。

 森友学園問題では、小学校の校舎建設をめぐって補助金を不正受給した疑いが浮上。そして教員数や障がいのある子どもの数をごまかして補助金を受け取ったとする詐欺容疑で告訴され、大阪地検特捜部による強制捜査が入った。この強制捜査は大阪地検が安倍官邸に配慮し、疑惑の核心である国有地払い下げ問題に踏み込まず補助金詐欺だけに絞って行われた「国策捜査」であると見られているが、森友と同様に、加計学園に対する詐欺疑惑を問題視しなければまったくフェアではない。
 安倍政権は籠池泰典前理事長をほとんど“詐欺師”扱いすることで疑惑を自分から逸らそうと必死だったが、はたして加計孝太郎理事長にも同じことが言えるのか。加計学園と有力政治家に絡んだカネの流れへの追及もさることながら、この補助金詐欺疑惑にも注視が必要だ。(編集部)