2017年7月29日土曜日

特別防衛監察結果 稲田大臣の関与は認定せず

 鳴り物入りで進められてきた特別防衛監察の結果がまとまりました。
 注目された日報データの所在確認とその隠蔽についての防衛相への報告とその了承の有無に関しては、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」が、「非公表の了承を求めた事実はない」とされました。
 要するに稲田防衛相には累が及ばないことにしたわけで、元検事総長や現役の検事が参加しているから厳正で公平であるという言い分が空しくなります。もっとも国民の多くも別に期待はしていなかったことでしょうが

 陸自の抵抗は単に、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」旨を追記させたに留まったとも見られますが、それを機に稲田氏が防衛相を辞任したことで満足したのではないでしょうか。
 彼女は自分が弁護士資格を持っていることを鼻にかけて、報告を受けるたびに「その法的根拠は?」と無用な質問を重ね、何かというとすぐに「貴方たちは司法試験に受かっていないんだから」と怒鳴ったということです。そんな人間を防衛省のトップに任命した人間の顔が見たいものです。

 彼女は辞任会見でも、辞任を決めたタイミングについて「かねてより総理と相談してきた。そのつど、そのつど自分の気持ちを伝えてきた」と答えましたが、それは安倍首相が「特別防衛監察の実施中であったので、防衛相から一切、報告を受けていない」と繰り返し答弁してきたのが虚偽であったことを示すものです。
 記者団からそれを追及されると、彼女は「漠然と相談してきた」とゴマカし続けましたが、一体「漠然とした相談」などがあり得るでしょうか。これこそは彼女が「ウソ吐き」であることを証明するものです。
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日報非公表の監察結果 稲田大臣の関与認定せずも玉虫報告
日刊ゲンダイ 2017年7月28日
 案の定、玉虫色の報告書だ。28日に公表された特別防衛監察の結果。最大の焦点である南スーダンPKO日報を非公表とする判断への稲田防衛相の関与について、「公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実はない」と認定した。

 問題は、稲田大臣が2月15日に黒江哲郎事務次官や岡部俊哉陸上幕僚長らと打ち合わせした際の記述だ。報告書には、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」とある。稲田大臣の関与を完全には打ち消していないのだ。

 防衛監察本部によると、監察の過程で陸自は稲田大臣に日報の保管を報告したと複数が主張したものの、稲田氏本人を含む数人がこれを否定し、証言が一致しなかったという。ただ、日報データの存在を示す書面による報告が確認できなかったことから、「非公表の了承を求めた事実はない」と結論づけたようだ。稲田大臣と陸自の言い分のどちらが正しいのか。陸自内には「我々だけの責任にされるのは納得がいかない」(陸自幹部)と不満の声が広がっている。

 稲田防衛相の辞任を受けて、安倍首相は「安全保障には一刻の空白も許されない」と語り、8月3日の内閣改造まで岸田文雄外相に兼務させるとした。


稲田氏辞任会見でも失言 今度は安倍首相の虚偽答弁に発展
日刊ゲンダイ 2017年7月28日
 辞任会見でも、またやらかした。稲田防衛相は記者から辞任を決めたタイミングを問われると、「かねてより総理と相談してきた。そのつど、そのつど自分の気持ちを伝えてきた」と答えた。
 辞任の相談をしてきたのなら、安倍首相に「その原因」も説明しなければ不自然だ。稲田防衛相は日報問題を巡る監督責任を取って辞めるわけだが、日報問題について安倍首相は、特別防衛監察の実施中であることを理由に「一切、報告を受けていない」と国会で繰り返し答弁してきた。
 辞任を相談していたなら、安倍首相にも日報問題を詳細に説明したのではないか。だとすれば、安倍首相の国会答弁は虚偽にあたる――。

 記者団がそう繰り返しても、稲田防衛相は目を泳がせながら「漠然と相談してきた」とゴマカし続けた。この人の失言癖は一生直らない。