2017年7月28日金曜日

連合 “残業代ゼロ法案” の政労使合意の見送りを表明

 連合の神津会長は札幌市で記者会見し、労働基準法の改正案(残業代ゼロ法案)について政府や経団連との修正合意(政労使合意)を見送ることを正式に表明しました。
 この日午前中に開かれた臨時中執委では、その冒頭 神津氏と逢見事務局長が「組織的混乱を招いた。みなさんに迷惑をかけて申し訳なかった」とそれぞれ陳謝しました。その際執行部の責任を問う声は特に出なかったということです。

 それにしても本部の東京を離れて札幌で臨時中央執行委員会を開くとは、避暑旅行を兼ねたものとしか考えられず豪勢なものです。それに「政労使合意」を「見送る」というのも未練がましい言いぐさで、本当に残業代ゼロ法案を阻止する意志を持っているのかは疑問です。

 NHKが連合傘下の産別組合などから厳しい批判や疑問の声が上がっていることを報じました。
 連合の3役は、中執委に諮ることもなく重大な変更を行って政労使合意までことを進めようとしたわけで、これほどひどい反労働者行為もありません。徹底的に糾弾されるべきです。
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連合 成果で評価”の労基法改正案 合意見送り表明
NHK NEWS WEB 2017年7月27日
連合の神津会長は札幌市で記者会見し、働いた時間ではなく、成果で評価するとした労働基準法の改正案をめぐり、政府や経団連との修正合意を見送ることを正式に表明したうえで、改正案の最終的な内容を精査し、組織として対応を判断する考えを示しました。
 「『裁量労働制』が本来の趣旨どおりに運用されるかどうか、極めて強い問題意識を持っており、いい加減な形で長時間労働を強いられることに歯止めをかけなければならない。そうした問題意識を持つ連合への誤解がさらに広がるような選択は取れなかった」と述べ、政府や経団連との修正合意を見送ったことを正式に表明しました。

そのうえで神津会長は、今後の対応について、「今の時点では法案そのものがどうなるかわからず、全く予断を許さない。法案がどのようなものになるのかを見たうえで、改めて連合として考え方をはっきりさせていきたい」と述べ、改正案の最終的な内容を精査し、組織としての対応を判断する考えを示しました。

また神津会長は、記者団が修正合意の見送りによって政府との関係が厳しくなるのではないかと質問したのに対し、「政府にはこれまでも『是々非々で取り組んできた。修正合意の見送りは理にかなった判断なので、そのことをもって政府との関係がおかしくなるとは考えていない」と述べました。

産別組合からも批判や疑問の声
連合を構成する産別組合からも一連の対応への批判や疑問の声が出ています。
産別組合の幹部の1人は「修正合意を見送る事態になる前に、連合の組織内で丁寧な議論が必要だった。今回の件で自分たちは軽視されていると感じている組合もある」と話していました。
また、別の産別組合の幹部は「働き方改革が進むいま、長時間労働の是正や労働者の健康確保に向け、連合がまとまるどころか組織内の乱れを示す形になってしまった。過労死を1人も出さないよう、どんな制度を作り上げていくべきなのか、もう一度意思の疎通を図ることが必要だ」と話していました。

連合傘下労組「的確な判断だ」
連合の傘下で労働組合がない企業の正社員や非正規労働者などで作る東京・渋谷区の「全国コミュニティ・ユニオン連合会」は、政府や経団連との労働基準法の改正案をめぐる修正合意について「これまでの連合の方針に反する」などとして反対する声明を出していました。
27日に連合が修正合意を見送る方針を正式に決定したことについて「全国ユニオン」の鈴木剛会長は、「的確な判断だと思いほっとしている。政府と一部のメンバーで話をして決めるのではなく、現場の声を聞いて進めなければならない点で問題があったと思う」と話していました。

「全国ユニオン」によりますと改正案で盛り込まれた働いた時間ではなく成果で評価するなどとした「高度プロフェッショナル制度」で対象になると想定される人やその家族から過労で倒れたり、精神疾患になったりしたなどといった相談がこれまでにも多く寄せられているということです。
鈴木会長は今回の改正案について「どんなに収入が高くても仕事が好きでも、労働時間の短縮という社会の流れに逆行してはいけないと思う」と話しています。そのうえで連合に対して「今後は労働者の声をしっかりと聞いて労働者に寄り添った政策を進めていくべきだ」と話しています。

連合が方針転換した背景は
連合執行部が、政労使の修正合意を目指したのは、ことし3月に政府が、連合や経団連との協議を踏まえて取りまとめた働き方改革の実行計画に、連合が長時間労働を助長すると反対してきた「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ、労働基準法の改正案の早期成立も明記されたのがきっかけでした。
連合執行部は、衆参両院で与党が過半数を占める中で、「高度プロフェッショナル制度」の導入に反対するだけでは何も得るものが無いとして、できるかぎり労働者の健康を担保する措置などを盛り込もうと政府側との修正協議を進めました。
そして、今月13日に神津会長が安倍総理大臣と会談して改正案の修正を要望しました。しかし、連合内での調整が不十分なまま事態が一気に表面化したため、連合の地方組織や傘下の労働組合の一部から、「組織内で十分な議論を行わないまま修正合意を目指すのは認められない」などと異論が相次ぎました。

また、連合を最大の支持団体とする民進党も連絡を受けたのが神津会長と安倍総理大臣の会談の直前だったこともあり、慎重な対応を求める意見が相次ぎました。連合執行部は、こうした意見や、「内閣支持率が下落している安倍政権に助け船を出すような形になるのは得策ではない」という意見も踏まえ、これ以上、政労使の協議を進めれば組織に深刻な亀裂を生じさせかねないとして、方針を転換し、修正合意を見送ることを決めました。