2017年7月20日木曜日

改憲案の年内提出は困難 支持率急落で船田氏 負の連鎖へ

 船田元自民党憲法改正推進本部長代行は19日、党の改憲案を秋の臨時国会に提出するとした安倍首相の方針に関し、内閣支持率急落で年内の提出は困難になったとの認識を示しました。
 そもそも党内手続きや憲法審査会システムを一切無視した安倍首相の主張には無理があり、船田氏は当初からそうした危惧を抱いていました。それが支持率の急激な低下によって、いまや公然と口にできる状況が到来したという訳です。

 日刊ゲンダイは、内閣改造で菅長官が切り捨てられる可能性に言及しました。
 安倍首相は6月下旬、菅官房長官が加計問題の火消しができず炎上させたことに激怒したと言われています。それが7月以降の内閣支持率の急速な低下につながったということで、まことに身勝手な言い分ですが、本人がそう思い込んでいるのであればそれもありなのでしょう。

 まるこ姫の独り言は、「安倍首相がエレベターに乗り込んだシーンを見ると、陰陰滅滅とした何とも言えない陰惨な顔つき」だったと述べています。それはもうきっとそういう心境なのだと思われます。

 時事通信と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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自民改憲案、年内は提出困難 支持率急落で自民・船田氏
時事通信 2017年7月19日
 自民党憲法改正推進本部の船田元・本部長代行は19日、時事通信のインタビューに応じ、党の改憲案を秋の臨時国会に提出するとした安倍晋三首相(党総裁)の方針に関し、「支持率が低いと自民党案をまとめるのに時間がかかる」と述べ、安倍内閣の支持率急落で提出は困難になったとの認識を示した。
 船田氏はこの中で、憲法9条1、2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する首相提案に異論が根強い党内状況を踏まえ、「(首相の)求心力が下がれば意見は通らない」と指摘。「支持率が一定程度回復しないと、党内の足並みが乱れたり、浮き足だったりする」とも述べた。


菅長官切り捨て、改憲も…安倍政権の“負の連鎖”止まらず
 日刊ゲンダイ 2017年7月19日
 物事はいったん逆回転を始めると止まらないものだ。ドロ沼のもり・かけ疑惑に閣僚の失言失態、都議選での歴史的惨敗。負の連鎖に入った安倍政権は、もがけばもがくほど沈んでいく。この先も、内閣改造人事と地方選挙で追い詰められ、健康問題も相まって、悲願の改憲も風前のともしびだ。

■菅官房長官を切り捨て
 8月3日に予定される内閣改造・自民党役員人事。安倍首相はこの週末、私邸でゆったり過ごし、人事構想に頭を巡らしたようだが、ここへきて「骨格は動かさない」という発言が揺らいでいる。
「安倍さんが周辺に『やっぱり菅官房長官を代えたい』と言っているようなのです。もともと両者の関係は微妙な距離感があるうえ、記者会見での『怪文書』発言など鉄壁だった守りに不安が出ているし、安倍さんは菅さんが支持率下落の元凶のひとりだと思っている。後任にはゴマスリで総理に近寄っている茂木政調会長の名前が挙がっている。ただ、安倍さんも日替わりメニューのように言うことが変わるのでよく分かりませんけどね」(官邸関係者)
 改造人事は早くも混乱しはじめている。

■仙台市長選は劣勢
 その菅長官だが、23日投開票の仙台市長選のため15日に現地入りしたものの、街頭には立たず、なんと集会も非公開で行われた。都議選ショックの連鎖をよほど恐れているようだが、実際、情勢は厳しい。選挙は事実上「与野党対決」の構図で、自公が推す新人は、民進・共産・社民が共闘する元衆院議員を追い掛ける展開となっている。

「期日前の出口調査は横並びだそうで、そうなると当日は野党候補がもっと伸びるでしょう。野党候補の郡和子さんは地元の元アナウンサーで知名度バツグン。それが最大の要因なのですが、負ければ『また国政の影響』と言われるので、頭が痛い」(自民党関係者)

■外遊に主治医同行
 安倍の体調悪化の噂も消えない。週刊朝日は今週号で「安倍首相は会食はいつもどおりしているが、体調はあまり良くない」「外遊(欧州)にも消化器内科の権威である主治医が1人ついていった」と報じている。

■改憲も黄信号 
 いまや安倍がやりたいのは「改憲」だけだが、支持率30%割れと求心力低下で怪しくなってきた。「秋の臨時国会で改憲案提案」という安倍シナリオがすんなり自民党内で了承されるか見通せない。公明党も、「改憲は政権の課題ではない」(山口代表)と慎重姿勢を強め、都議選で小池都知事と組んで完勝したことをバックに、自公の選挙協力で揺さぶりをかける
 安倍政権はいよいよ行き詰まってきた。