2017年6月5日月曜日

金田法相 治維法否定せず 戦前の思想弾圧に反省皆無

 金田法相は2日の衆院法務委、共産党の畑野君枝議員から戦前の治安維持法への認識を問われ、「歴史の検証は専門家にゆだねるべきだ」と述べました。驚くべき発言です。
 
 1900(明治33日清戦争後に高まりを見せ始た労働運動を取り締まるために制定された治安警察法と並んで1925大正14年に作られた治安維持法(前者は労働運動・政治結社を取り締まるもので、後者はいわゆる社会主義者などを取り締まるもの)が、戦前、民主運動を大弾圧した根源の悪法であったことはもはや常識であって、それを制定から117(~92)年も経った今日、「その検証は専門家にゆだねるべき」と発言するとは、一体どういう考えなのでしょうか。
 呆れ返るしかありませんがそれが安倍政権の常識なのでしょうか。
 そうだととすれば天下の悪法である共謀罪を狂気のように推し進めようとしていることへの疑問は氷解しますが・・・ さすがにそこまで狂っているとは思いたくはないものです。
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金田法相 治維法否定せず  戦前の思想弾圧に反省皆無
しんぶん赤旗 2017年6月4日
 金田勝年法相は2日の衆院法務委員会で、戦前の治安維持法への認識を問われ、「歴史の検証は専門家にゆだねるべきだ」と発言しました。日本共産党の畑野君枝議員への答弁。
 
 さらに金田氏は、治安維持法犠牲者の救済と名誉回復を求めた畑野氏に対し、「(同法は)適法に制定され、勾留・拘禁、刑の執行も適法だった」とし、「損害を賠償すべき理由はなく、謝罪・実態調査も不要だ」と言い放ちました。
 戦前の暗黒政治とその中核で国民の思想・内心を徹底的に弾圧、統制した治安維持法への全くの無反省を示す重大な発言です。
 国民の内心を処罰し、監視社会をもたらす「共謀罪」法案の審議の中で、治安維持法への反省は根本問題です。日本国憲法の思想・良心の自由の原点にも関わります。
 
 畑野氏は、かつて三木武夫首相が「治安維持法については、その時でも批判があり、今日から考えれば、民主憲法のもとではわれわれとしても非常な批判をすべき法律である」(1976年7月30日)と答弁していたことを示し、金田法相の異常な態度を追及。治安維持法を道具に国民を弾圧し、国際社会の批判をかえりみず侵略戦争に突き進んだ歴史を指摘し、「共謀罪で同じ過ちを繰り返すのか」と厳しく批判しました。