2017年6月5日月曜日

加計問題 文科省前次官の証人喚問を与党が拒否

 「『あったものをなかったものにできない。』からもらった勇気」は、官邸が読売新聞などを利用して前川前文科次官のバッシングをしていた時期に渡辺由美子氏が発表したブログで、感動的でした。
※ 5月30日 前川文科省前次官の人物像は菅官房長官の印象操作とは大違い!
 加計学園の獣医学部新設問題では、いまや政府は真実が明らかになるのが一番恐ろしいというわけで、真実を明らかにする文書が出るたびに「出所不明の怪文書だ」と否定するしかありません。
 記述に個人名や日時などが出て来て怪文書ではあり得なくなると、今度は文科省の役人が官邸の意向を忖度して「存在しない」文書だと主張するなど、国民にとっては何が真実なのかは明白になってきています。
 
「サギ(鷺)をカラス(烏)と言いくるめる」あるいは「黒を白と言いくるめる」と言いますが、それらは盗人猛々しく「ウソを吐いて憚らない」状態を指しています。他ならない政府がいまその状況にあるわけです。
 どんなに官邸が疑惑を糊塗しようとしてももはやその全体像は明らかで、4日付のLITERA記事 「加計問題追及の火の手が、誘致先の今治市にも! 市長の『総理が動いてくれている』発言の決定的証拠が明らかに」 (http://lite-ra.com/2017/06/post-3219_4.html)では、談合担当(受注調整)をしてきたあるゼネコン関係者が、「安倍首相が国家戦略会議でやったことは、発注者の意向で本命業者を入札前に選ぶ官製談合のやり口と同じだ」と述べています。
 
 百歩ゆずって、もしも政府が言うようにそんなに「何もかもが分からない」状態にあるというのであれば、前川前次官が証人喚問に応じると言っているのになぜそれを拒否するのでしょうか。
 そもそももう勝負はついているのに安倍首相が絶対にそれを認めようとしないのは何故なのでしょうか。
 
 4日付のブログ:「晴天トラ日和」に下記の記載があります(順序等を多少編集してあります)。 
-引用開始-
 「私、そもそも、そもそもですよ、何かこれ不正があったんですか。だから私は言ったんですよ。何か確証をつかんでいるんですかということですよ、週刊誌以外に。
 何か確証をつかずに(つかまずに?)この国会の場において何か問題があったかのごとく、私と彼が会食、彼は私の友人ですよ、ですから会食もします、ゴルフもします。
 でも、彼から私頼まれたことありませんよ、この問題について。ですから働きかけていません。これははっきり申し上げておきます。
 働きかけているというのであれば、何か確証を示してくださいよで、私はね、私は、もし働きかけているというのであれば、やっぱりそれは私は責任を取りますよ。当たり前じゃないですか。」 
(安倍首相 3月13日 参院予算委 福島瑞穂議員の質問に)
ウダウダと分けワカランことを一人で喋っているかと思うと、結局、アンタは「何が言いたいのだっ!」ってことばかり聞かされて、それで、突然切れだしたりするしね、・・・・
 
「政府の中でどのように意思決定が行われているということを国民が知ることは民主主義の基本だと思っています。」 (前川喜平前文科次官 5月25日TBSインタビュー)
 かたや、短い言葉で的確に表現されて、しかも、子供から大人まで理解出来る言葉で発言される。
「政府の中でどのように意思決定が行われているのかを国民が知ることは、民主主義の基本の基本」
 この言葉は代表的なのではないのでしょうかね。
 アベとの知性の落差はいかんともし難く、…。
-引用終了-
晴天トラ日和」氏はここで、安倍首相が如何に滅茶苦茶な話の仕方しかできない人間であるのかを示しているのですが・・、それと同時にいわば音声録音された証拠や検事調書並みのたとえば署名・捺印したような自筆の文書でなければ、証拠とは言えないのだということを安倍首相が念頭に置いていることをも示しています。
 通常のケースではそんなものはまず存在しないので、そういう論陣を張ればまず「無敵」でしょう。
 普通の人がそんなことを言い出さないのは、そこまで破廉恥ではないからです。
 
 そういう陣営にとっては真実が明らかになる証人喚問は是が非でも避けたいわけで、それゆえに醜い言い訳を続けるしかないというのが、政府がまさにいま陥っている悲喜劇です。
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獣医学部新設 文科省前次官の証人喚問めぐり議論
NHK NEWS WEB 2017年6月4日
NHKの日曜討論で、国家戦略特区での大学の獣医学部の新設をめぐり、民進党が行政がゆがめられていなかったか明らかにするため、文部科学省の前川前事務次官と和泉総理大臣補佐官の証人喚問を行うよう求めたのに対し、自民党は5日の国会質疑で、安倍総理大臣の答弁を聞いたうえで慎重に検討すべきだという認識を示しました。
 
自民「首相の説明を聞き決めればいい」
自民党の小野寺政務調査会長代理は「前川氏が辞めたあとに、解き放たれたように色んな発言をしているのは大変残念だ。獣医学部は、まだ認可されておらず、国会での説明が納得できないと、たぶん認可できないと思うので、しっかり説明することは大事だ。あすは衆参両院で、安倍総理大臣が出席して質疑が行われるので、しっかり説明を聞いてもらって、国会で今後どうするかを決めていけばいい」と述べました。
 
公明「これ以上新しい材料出ない」
公明党の上田政務調査会長代理は「前川氏は、もうすでにいろいろなところでいろいろなことを言っているので、あえて国会で、証人として話をうかがう内容はないのではないか。手続き上の瑕疵(かし)について、一方的な話を国会でこれ以上聞いても、新しい材料は何も出てこない」と述べました。
 
民進「隠したいことあるのでは」
民進党の大串政務調査会長は「行政がゆがめられているのではないかという疑念が国民の中にある。問題の解決に、いちばん簡単な方法は、前川氏と和泉総理大臣補佐官の両者に、偽証罪に問われる証人喚問に来て真実を語ってもらうことだ。証人喚問を与党が拒むのは、説明したくない、隠したいことがあるのかと邪推してしまう」と述べました。
 
共産「証人喚問すれば はっきりする」
共産党の笠井政策委員長は「安倍総理大臣は知らぬ存ぜぬをやめて、国民に洗いざらい真実を語る必要があるし、関係者がそろって国会に出てきて証人喚問をすれば、はっきりするので、それをやる必要がある」と述べました。
(後 略)
 
 
自民 竹下国対委員長 前次官の証人喚問応じられず
NHK NEWS WEB 2017年6月4日
自民党の竹下国会対策委員長は津市で講演し、国家戦略特区での大学の獣医学部の新設をめぐって、野党側が求めている文部科学省の前の事務次官らの証人喚問には応じられないという考えを重ねて示しました。
 
この中で、竹下国会対策委員長は、国家戦略特区での大学の獣医学部の新設をめぐって、野党側が文部科学省の前川前事務次官らの証人喚問を求めていることについて、「文書が出たりして、ワイドショーとしてはおもしろいかもしれないが、ワイドショーレベルのことを国会でやる必要はない」と述べ、応じられないという考えを重ねて示しました。
また、竹下氏は飲食店などの建物の中を原則として禁煙とする法案をめぐり、自民党と厚生労働省との間で調整がついていないことについて、「政治は妥協の世界だが、全くわかろうとしない大臣が1人いる」と述べ、一定規模の飲食店での喫煙を認める自民党の案では、望まない受動喫煙を防ぐのは難しいと主張する塩崎厚生労働大臣の対応を批判しました。
一方、竹下氏は今月18日までの国会の会期について、「会期内に国会を閉じたいと本音では思っているが、物理的に法案審議が会期内に入らなければ、延長をせざるをえない」と述べ、延長するかどうかは国会の状況をぎりぎりまで見極めて判断する考えを示しました。