2017年6月13日火曜日

学者と弁護士の会が緊急声明 権力私物化・共謀罪法案に怒り

 学者と弁護士の会が、10日、現下の安倍政権に対して怒りを込めた「緊急声明」を発表しました。
 
 学者26名と弁護士20名がこの緊急声明の「呼びかけ人」になっていますが、昨年10月2日に 『憲法カフェin湯沢』 を主宰していただいた田中淳哉弁護士も、御夫人の田中篤子弁護士と一緒に名前を連ねておられます
 
 声明の要旨は次のとおりです。
 
 加計学園問題は、愛媛県や今治市を巻き込んで自分の「腹心の友」に数十億円相当の公金し込むものであって、首相の地位を利して恣意的に行政を歪め、公有財産私物化するものである。
 安倍首相に近いとされる元TBS記者による準強姦事件において、逮捕状が「上からの圧力」で執行されず不起訴になったこと官邸の関与が疑われている。
 国会答弁では数を頼みにゴマカシと居直りで押し切り、メディアや警察権を駆使して批判や告発を潰そうとする横暴な政権の振舞いは前例を見ず、その政権がいま言論・表現の自由を危ぶ共謀罪法を強引に成立させようとしている。
 不祥事の絶えない欠格議員たち答弁もできず任に堪えない失格閣僚たちを擁し、「説明責任」を放棄していることについては、すべて首相自らがその責を負わなければならない。
 ただちに共謀罪審議を停止し、加計学園問題を国会で徹底的に究明することを求める。これが現在の国会の、そしてわが国の政治の劣化を座して見過ごせない者の火急の責務だと考える。
 
     (関係ブログ)
上越中央法律事務所( http://j-c-law.com/kinkyuuseimei/ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「権力の私物化と共謀罪審議に怒り、加計学園疑惑の徹底究明を求める学者と弁護士の会」
   
 先ごろ浮上した森友学園問題では、安倍首相に共鳴しその名を冠した神道小学校を計画した学校法人に、財務省が9億円相当の国有財産をただ同然で払い下げ、一連の不透明な行政手続きに多くの疑問が指摘された。ところが財務省は、情報システムの更新だとして森友学園との交渉時のデータの完全消去を始めている。また、続いて浮上した加計学園問題では、首相官邸や内閣府が直接、文部科学省などに働きかけ、アベノミクスの目玉でもあった「国家戦略特区」制度を利用して、首相の「腹心の友」が経営する加計学園に獣医学部開設を認めさせ、地元愛媛県や今治市を巻き込んで、数十億円相当の公金が流れることが明らかになった。これは首相の地位を利して恣意的に行政を歪め、公有財産の民営化ならざる私物化だと言わざるをえない
 
 これに関して「官邸からの圧力」を示す文書が明るみに出ると、官房長官は「怪文書」と言って斥け、在職時に直接圧力を受ける側にいた文科省前事務次官が「100%事実」だと証言すると、こんどは「民間人」の言だから取り合わずとする一方で、某全国紙と連動して前事務次官の信用を棄損しようと人格攻撃を繰り返す。
 
 また最近、安倍首相に近いとされる元TBS記者による準強姦事件において、逮捕状が「上からの圧力」で執行されず、不起訴になったことを不当として、被害者から検察審査会に審査の申し立てがあったが、このような件でも官邸の関与が疑われている。
 
 しかし安倍政権は、国会答弁では数を頼みにゴマカシと居直りで押し切り、メディアや警察権を駆使して批判や告発を潰そうとする。このような理不尽で横暴な政権の振舞いは前例を見ない。今や日本では首相官邸そのものによって、行政や司法の公平性が著しく歪められているが、まさにその政権が、人びとの内心の監視を可能にし言論・表現の自由を危ぶめる組織犯罪処罰法改正案(共謀罪法)を強引に成立させようとしている
 
 いま国会では自民・公明連立与党と日本維新の会の「数」によって、事実上どんな法案をも成立させることが可能である。だがその「数」の中身はと言えば、この間明らかになって国民を呆れさせているように、不祥事の絶えない欠格議員たちであり、答弁もできず任に堪えない失格閣僚ばかりである。国会における審議は、首相や担当閣僚が疑惑の「説明責任」を放棄したことで完全に形骸化しており、失格閣僚の「任命責任」と合わせて、首相自らがその責を負わなければならない
 
 政権が官庁やメディアを巻き込み、これほど政府が横暴になったことはかつてない。政権そのものが国の柱である民主主義、三権分立の原則、立憲主義(法の支配)を蹂躙している。振り返れば、1990年代以降、「政治主導」によって官僚支配や政官業の癒着を打破することを標榜し、政治改革や行政改革が勧められ、小選挙区制の導入や中央省庁再編などを通じて、首相権限(官邸機能)の強化が進められてきたが、現在の安倍政権で現実のものとなってしまったのは、政治主導でも政官業の癒着打破でもなく、首相個人による、公権力と公有財産の私物化以外の何ものでもないただちに共謀罪審議を停止し、加計学園問題を国会で徹底的に究明することを求める。これが現在の国会の、そしてわが国の政治の劣化を座して見過ごせない者の火急の責務だと考える。
2017年6月10日
 
 呼びかけ人 ― (名称は省略しました 事務局
阿部賢一東京大学准教授 ほか  学 者   26名
上田裕弁護士           ほか  弁護士  20名