2017年5月22日月曜日

天皇が 安倍内閣の退位対応に「ショック」を受けられる

 安倍首相のブレーンである八木秀次・麗澤大学教授が月刊「正論」5月号(2014年)に、「憲法巡る両陛下ご発言公表への違和感」と題した巻頭コラムを載せてそのなかで
「(前略)陛下が日本国憲法の価値観を高く評価されていることが窺える。私がここで指摘しておきたいのは、両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねないことだ。なぜこのタイミングなのか。デリケートな問題であることを踏まえない宮内庁に危うさを覚える。
 憲法改正は対立のあるテーマだ。その一方の立場に立たれれば、もはや『国民統合の象徴』ではなくなってしまう。宮内庁のマネージメントはどうなっているのか。」
と、天皇が憲法擁護の立場に立っておられることを公然と批判する文章を発表して世間を驚かせました。
 
 天皇をはじめ、内閣総理大臣ほかの公務員に「憲法尊重擁護義務」があることは、憲法99条で定められていることなので、批判されるべきはその立場にありながら改憲を叫んで止まない安倍首相の方であり、それを「憲法改正は対立のあるテーマで、その一方の立場に立たれれば・・・」などという言い方をするとはあまりにも歪んだ見方です。自らが長く改憲を叫んでいるうちに正しい判断基準を失ったためとしか思えません。 お粗末なことです。
 天皇の退位問題を検討する「有識者」の一員である平川祐弘東京大名誉教授が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと、新憲法についての認識を欠く非常識な発言をしたこともまだ記憶に新しいところです。
 
 それにしても、安倍首相を含めて口を開けば「万世一系の皇室の尊厳」を言う日本会議系(極右)の人たちが、憲法を尊重擁護される天皇に対して批判するのは不思議なことです。安倍首相に至っては、天皇が東日本大震災の被災者に膝を床につかれてお見舞いをされた御姿を、ある知人の前で揶揄的に真似したという話まで伝わっています。
 
 毎日新聞が、生前退位問題についての安倍内閣の対応その他について、天皇が心外な思いをされていることをスクープしました。日本会議のメンバーに取っては、天皇の生前退位は彼らの主張する皇室観に反するからでしょう。しかしそれは彼ら自身が内心で解決すべきことの筈で、この問題での安倍内閣の不誠実さは目に余るものがあります。
 彼らの主張する「皇室の尊厳」が、自分たちにとって都合の良い皇室のあり方を前提にしているのであれば、それこそは皇室の政治的利用というべきです。
 
 毎日新聞の記事と、天木直人氏とまるこ姫の独り言氏のブログを紹介します。
 
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<陛下> 退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」
毎日新聞 2017年5月21日
時代によって変わってきた天皇と国民の距離 
 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。陛下の考えは宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられた
 陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」とも話していて、政府方針に不満を示したという。
 宮内庁関係者は「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と話す。
 
 ヒアリングでは、安倍晋三首相の意向を反映して対象に選ばれた平川祐弘東京大名誉教授や渡部昇一上智大名誉教授(故人)ら保守系の専門家が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと発言。被災地訪問などの公務を縮小して負担を軽減し、宮中祭祀(さいし)だけを続ければ退位する必要はないとの主張を展開した。陛下と個人的にも親しい関係者は「陛下に対して失礼だ」と話す。
 陛下の公務は、象徴天皇制を続けていくために不可欠な国民の理解と共感を得るため、皇后さまとともに試行錯誤しながら「全身全霊」(昨年8月のおことば)で作り上げたものだ。保守系の主張は陛下の公務を不可欠ではないと位置づけた。陛下の生き方を「全否定する内容」(宮内庁幹部)だったため、陛下は強い不満を感じたとみられる。
 宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとしたうえで、「陛下は抽象的に祈っているのではない。一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている。この作業がなければ空虚な祈りでしかない」と説明する。
 陛下が、昨年8月に退位の意向がにじむおことばを表明したのは、憲法に規定された象徴天皇の意味を深く考え抜いた結果だ。被災地訪問など日々の公務と祈りによって、国民の理解と共感を新たにし続けなければ、天皇であり続けることはできないという強い思いがある。【遠山和宏】
 
【ことば】 退位の有識者会議
 天皇陛下が昨年8月、退位の意向がにじむおことばを公表したのを踏まえ、政府が設置。10月から議論を始めた。学者ら6人で構成し、正式名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」。11月に16人の専門家から意見聴取し、今年1月の会合で陛下一代限りの特例法制定を事実上推す論点整理をまとめた。4月に最終報告を首相に提出した。
 
 
「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃
天木直人のブログ 2017年5月21日
 きょうの各紙の報道の中で、圧倒的に注目すべきは、毎日新聞の大スクープである。
 一面トップで「陛下 政府に不満」という見出しの記事を掲載した。
 そこには、「天皇は祈っているだけでよい」という有識者会議の保守系専門家らが行った発言に対して、「ヒアリングで批判されたことがショックだった」と、強い不満を漏らされていたことが明らかになったと書かれている。
 それだけではない。
 「一代限り(の退位)では自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければいけない」
 「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」
 などと、天皇陛下が政府方針に強い不満を示されていた事が書かれている。
 しかも、その天皇陛下の不満は、宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられていたというのだ。
 
 それにもかかわらず、安倍首相は一代限りの特例法の成立を急いだ。
 「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と宮内庁関係者は毎日新聞の取材に語ったという。
 
 この毎日新聞のスクープ記事の凄いところは、遠山和宏という記者の署名入りの記事であるところだ。
 ここに書かれている事は事実であるという事である。
 この記事は、取りも直さず、安倍首相に対する腹を決めた批判だ。
 天皇陛下にここまで不満を抱かせながら、あと一年半で強制的に退位させることを決めた安倍首相を、国民は許せるのか。
 せめて天皇陛下の退位の前に、国民の手で安倍首相を辞めさせなければいけない。
 ましてや、東京五輪まで居直らせるなど、あってはならない事である(了)
 
 
「天皇は祈っているだけで良い」天皇を蔑ろにする自称保守の人でなし
まるこ姫の独り言 2017-05-21
天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議での発言が酷すぎる。
保守ばかり集めているだろうに、その人たちの天皇に対しての畏れがあまりにない事に、違和感ばかりが漂う。
人に対しての礼節も配慮もない人たちが有識者とは。。。。
天皇は祈っているだけで良い。有識者会議の席上で、これほど天皇をないがしろにした発言があったとは。。。
<陛下>退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」
                      毎日新聞 5/21(日) 6:30配信 
 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。
 
  陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思ってい なかった」とも話していて、政府方針に不満を示したという。
 
そりゃあ、やるせない気分にもなるだろう、
皇室の存続について、自分だけではなく、後々に続く人たちの為にもと、出しゃばることなく、精一杯ご自身の心情をビデオに託したであろう天皇陛下に対して、その心情を汲み取り天皇の思いを実現化しなければいけない立場の保守と言われている人達の言動が、想像以上に冷酷であったという事なんだから。
まったく、人間天皇に対しての敬意が無さすぎる。
 
天皇を政治利用してはいけない決まりになっているのに、どこ までも政治利用してきたのが安倍政権で、それは4年前の「主 権回復の日」記念式典における天皇皇后両陛下に対しての騙し撃ちに表れている。
 
沖縄に配慮して万歳三唱はしないと言ってきたのに、主権回 復式典が終了して、天皇・皇后両陛下が退席される際、出席 者の一人が「天皇陛下万歳」と発声し、壇上の安倍晋三首相や三権の長がそろって両手を上げ唱和した事。
 
両陛下はびっくりしたような顔をされていたが、見ている方もとても奇異なものを感じた。
安倍政権は、沖縄の人に対して必要以上に軽んじているところがあるのは分かっていたが、あれは行き過ぎだ。
どれだけ沖縄の心を蹂躙しているのか、分かっているか。
両陛下も、それは十分に感じ取っての、あの戸惑いだったのではないだろうか。
 
その安倍政権が、天皇陛下の退位を考える有識者会議を開いても、本当に天皇の真意を汲み取ることなど視野に入って いないと感じてきたが。。。。
やっぱり、政治利用することはあっても、天皇に対しての敬意のかけらもないことが分かった有識者会議だったという事だ。
 
天皇は護憲で根っからの平和主義者で、皇室の今後を常に心配しておられるから、男系男子にもこだわらない方とお見 受けしているが、一方の安倍首相は、何がなんでも憲法改正 、男系男子に拘るガチガチの石頭。
合うわけないよなぁ。
人間的なすべての土台が違い過ぎる、まるで月とスッポン。
太字強調部分は原文に拠っています。 事務局