2017年5月16日火曜日

16- 安倍首相はもはや “オオカミ少年”

 元外務省官僚の孫崎享氏は日刊ゲンダイの記事:「北の危機を煽り憲法改正までいいはじめた安倍首相のおごり・・・(12日)の中で、
  北朝鮮が日本に対してミサイル発射に踏み切るまでには,つぎのような経緯をたどるとみられる。
 ⅰ)北朝鮮がミサイル発射や核実験をおこない、米国のトランプ政権が強硬路線に出る。
 ⅱ)米国が中国やロシア、韓国と最終調整する。
 ⅲ)米国が外交的に解決する手段は途絶えたと判断し、北朝鮮を攻撃。
 ⅳ)北朝鮮が韓国、日本を報復攻撃する。
 と述べています。つまり、北朝鮮がいきなり日本にミサイルを発射することはあり得ないということで、北朝鮮が致命的な攻撃を受けた時しか起きないことは識者たちが等しく認めているところです。
 それをあたかも北朝鮮が日本に先制攻撃をする可能性があるかのように、繰り返し北朝鮮の脅威を国民に煽っているのが安倍首相です。まことに「息をするようにウソを吐く」と言われるだけのことはあります。
 
 冷静沈着で知られるプーチン氏は15日、訪問先の北京で会見し、北朝鮮核開発を批判するとともに、「国際社会は北朝鮮をおびえさせるべきではない」と発言しました。
 これはただ空騒ぎをしている安倍氏は論外として、沈着とは対極にあるトランプ氏に対して間接的に忠告したものでしょう。
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北ミサイル発射をスルー 安倍首相はもはや “撃つ撃つ詐欺”
日刊ゲンダイ 2017年5月15日
 ミサイル着弾を煽って国民をパニックに陥れたと思ったら、今度は一転してスルー。この政権はあまりにデタラメだ。
 14日午前5時28分ごろ、北朝鮮北西部亀城付近から東北東方向に発射された弾道ミサイル。休日の早朝という時間帯に加え、Jアラート(全国瞬時警報システム)も鳴らなかったため、北朝鮮のミサイル発射にすぐに気付いた国民は少なかっただろう。
 
 北朝鮮が挑発行動に出た場合、米国は武力攻撃を含めた「あらゆる選択肢」の制裁行動を示唆している。この方針は変わっていないワケで、政府がミサイル脅威を煽りまくった4月と今回の状況は同じ。それなのに前回の張りつめた緊迫感がウソのように今回は静かだった。つまり、「北のミサイル脅威論」がどれだけインチキなのかがよく分かるのだが、特に許し難いのは安倍首相だ。
 
 安倍首相はミサイル発射を受けて「国民の安全確保に万全を期していく」とエラソーに言っていたが、きのうの首相動静を確認すると、東京・富ケ谷の自宅を出たのはミサイル発射から1時間も経った午前6時半。随分ノンビリとしたもので、その後、国家安全保障会議(NSC)に出席したものの、昼前には官邸を出て自宅にさっさと帰ってしまった。記者団に「さらなる挑発行為も考えられる」と訴えるのであれば、官邸、首相公邸にとどまるのが当然だ。
 
「安倍首相は4月16日の日曜日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した時、官邸にも出向かず、自宅で過ごしていた。『失敗』との報告を受けたからでしょうが、首相自身が今にもミサイルが飛んで来るかのような発言を繰り返していたのだから、本来は官邸で会見を行うべきでした。しかも、外出したと思いきや、都内の高級ホテル内のフィットネスクラブで汗を流し、そのまま絵画鑑賞……。国民に非常事態を訴えながら、自分は悠々自適のホテルライフでは、危機管理上も問題ではないか」(防衛省担当記者)
 
 政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
北が日本にミサイルを撃つ可能性が低いことは安倍首相自身がよく分かっている。だから、自宅でのんびり過ごしているのでしょう。それでいて国民に北のミサイル脅威を訴えるのは、それさえ言っていれば世論が味方に付くと思っているから。国民をバカにしている証左です」
 つまり、総理大臣自ら「ミサイル撃つ撃つ詐欺」を唱えているようなものだ。日本にとって最大のリスクは北のミサイルじゃない。安倍の存在である。
 
 
プーチン氏「核クラブ拡大は認めず」でも「北をおびえさせるな」
産経ニュース / 2017年5月15日
 ロシアのプーチン大統領は15日、訪問先の中国・北京で会見し、「われわれは核大国クラブの拡大に反対する」と述べ、北朝鮮による核開発を批判した。北朝鮮はそのようなロシアの考えを「よく知っている」とも指摘した。ただ一方でプーチン氏は、国際社会は「北朝鮮をおびえさせるべきではない」と発言し、同国への軍事的圧力を強める米国などを強くけん制した。(モスクワ 黒川信雄)