2017年4月25日火曜日

共謀罪捜査 一般人が対象なのは明らか 首相・法相の説明はウソ

 21日の法務委員会で盛山副大臣と井野政務官が「一般の人が共謀罪捜査の対象にならないことはない」と当たり前の回答をしたことで、官邸が大慌てをしているということです。真実が明らかにされて慌てるというのは、それまで安倍首相と金田法相が述べてきた「一般のが対象になることはない」というのがウソだとバレたからです。
 
 安倍・金田ラインは盛んに「一般の市民は取り締まりの対象にならない」と言いますが、そのうらで犯罪を意図すればもはや「一般の市民」ではないから(対象になる)とも言っています。
 そうすると犯罪を意図した市民や団体をどう見分けるか、市民の内心をどうすれば判断できるのかということが問題になります。日本の検察は、国連の人権委員が「中世の司法」と呼んでいる人権無視の「人質司法」などの手法を公然と用います。それは「犯罪」(…この場合は「犯意」)を認めるまでは「証拠隠滅の惧れ」を理由に拘置所に留置して置くという方法で、相されると一家の稼ぎ手であれば家族を守るためにそのまま否定を続けることができません。
 
 そもそも人は仮に犯意を抱いていたとしてもそれを安易に表示することはありません。そうであれば警察・検察は、狙いをつけた人物や団体員を逮捕して「自白をさせる」しか方法がありません。共謀罪法案が一般の人を捜査対象にしていることは火を見るよりも明らかです。
 それを「一般の市民は取り締まりの対象にならない」といって憚らないのは尋常ではありません。
 余程鉄面皮なウソ吐きであるか、または中学生でも分かることを理解できないでいるかのどちらかです。
(関係記事)
4月23日 「週刊女性」が「共謀罪」を10ページにわたり大特集!
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共謀罪の本質バレた 法務省“見解不一致”露呈で官邸大慌て
日刊ゲンダイ 2017年4月24日
 副大臣と政務官のマトモな答弁に官邸は大慌てだ。
 先週21日、共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と言ってのけた一件である。井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般人への捜査の可能性を示唆した。
 
 これまで安倍首相以下、菅官房長官も金田法相も「一般の方が対象になることはない」と繰り返し強調してきた。副大臣と政務官の答弁で、共謀罪の本質がバレたわけだが、これで法務省内の見解不一致が明らかになってしまった。どうしてこういうことが起きたのか。
 「マトモに答弁できず何も分かっていない金田法相であれば、どんな質問に対しても、『一般人は対象にならない』とトボケ続けられたでしょう。しかし、民進党の逢坂議員はかなりしつこく理詰めで質問しました。捜査を多少なりとも知っていて、質問にちゃんと答えようとすれば、副大臣のような常識的な答弁になるのは当然です。
 官邸も金田法相の答弁能力の低さを懸念するあまり、刑事局長を答弁に立たせる形で“金田隠し”に必死になっていた。副大臣と政務官にまで気が回らず、コントロール外だったのでしょう。議論が噛み合ってしまうと、ほころびが見えてくる。安倍政権は今ごろ頭を抱えているのではないでしょうか」(政界関係者)
 
 実際、23日のNHKの日曜討論で自民党・茂木敏充政調会長は、「一般の市民や団体の捜査は全く対象とならない」と“火消し”に躍起だった。
 
■野党には法案成立阻止の“突破口”
 共謀罪法案に詳しい小口幸人弁護士が言う。
 そもそも一般の人かどうかは、特定の人を調査や捜査をしてみないとわからないことです。“一般の人は捜査対象にならない”という説明がウソだったのです」
 野党はマトモな議論の“突破口”をつかんだ。副大臣と政務官を攻めればいいのだ。さて、官邸は金田法相に続いて、「副大臣・政務官隠し」までするのか。そうなれば法案審議の異常さがクローズアップされ、国民も違和感を覚えるだろう。政府・与党が画策する“連休明け採決”などもってのほかだ。