2017年4月25日火曜日

拉致被害者家族にとっても最低・最悪の首相

 第一次安倍政権は拉致問題解決を重要課題として登場した筈ですが、実際には何も取り組まないまま途中退場しました。
 その後民主党政権が出来ましたが、菅、野田の両政権の拙劣な政治によって、2012年の暮れに再度自公政権・第二次安倍内閣が出来ました。
 それから5年半近くが経過しましたが、拉致問題には何の取り組みもしませんでした。一日千秋の思いで帰還を待ちわびている被害者家族に対して一体どう言い訳をするつもりなのでしょうか。
 この間 単に拉致問題の解決に取り組まなかっただけでなく、逆に北朝鮮が核兵器の実験やミサイルの試射をするたびに安倍首相は世界に先駆けて北朝鮮を非難して来ました。それはひたすらアメリカの意向を忖度したものであって、とても拉致被害者問題を抱えている首相の言動には見えませんでした。
 
 このところ北朝鮮をめぐる緊張状態が続いていますが、ここでも安倍首相からは「ことあれかし」と願っている気持ちが伝わってくるだけで、事態を平和裏に収めようとする意志は認められません。万一、先ず米・北朝鮮間で戦端が開かれて結果的に北朝鮮が壊滅することになれば、拉致被害者の命の保障はありません。
 
 23日、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました。
 その集会に出席した安倍首相は、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示したということです。
 この期に及んで一体どのツラ下げてそんなことが言えるのか、その厚かましさには呆れます。
 
 拉致被害者家族集会を報じたNHKニュース2本と、天木直人氏のブログ記事:「拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ」と「北朝鮮情勢の緊迫で『ツキがまわってきた』と叫んだ安倍首相」を紹介します。
 天木直人氏のブログを読むと安倍晋三という人間が、如何に拉致被害者家族の心痛から遊離した存在であるのかが良く分かります。そこにあるものは単なる虚栄心です。恐ろしく、また浅ましいことです。
 
 安倍首相がこの間 拉致被害者問題とかかわった唯一の事例として、2015年末に蓮池透氏が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)を著わしたことに関連して、逆ギレした安倍氏が翌年1月の国会で蓮池氏をこき下ろす発言をしたことが挙げられます。ご参考までにその記事のURLを下記します。
2016年1月16日 蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”の国会答弁に反論!
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拉致被害者家族が集会 政府は早期帰国に向け交渉を
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
北朝鮮の核とミサイル開発の問題に注目が集まる中、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し、被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました
集会でははじめに、拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが「今、北朝鮮を取り巻く情勢が混とんとしており、被害者救出の旗が吹き飛ばされないか、拉致問題が置き去りにされないか、懸念しています。政府は拉致問題を最優先課題として取り組んでもらいたい」と訴えました。
そして、家族一人一人が訴えに立ち、中学1年の時に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さんは「暴発が起きたりすることがないように世界中が知恵を出し合って、仲よく話し合いませんか、本当のことを話しませんかと、北朝鮮を説得してほしい」と呼びかけました。
集会では最後に、すべての拉致被害者の早期帰国を北朝鮮に要求するとともに、政府に対し、核やミサイルの問題とは切り離して、被害者救出のための交渉を最優先で進めるよう求める大会決議を採択しました。
23日は集会に先立ち、被害者の家族が安倍総理大臣と面会し、家族を代表して飯塚さんが「ことしは拉致から40年、家族会結成から20年の節目の年ですが、その時間の重みは相当なものです。ことし中に解決のめどがつくようお願いしたい」と求めました。 後 略)
 
 
首相「拉致問題 米と連携して早期解決目指す」
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
安倍総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者の家族らが開いた集会で、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示しました。
 
この中で、安倍総理大臣は「拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題であり、被害者とご家族が抱き合う日まで私の使命は終わらない。拉致問題は安倍内閣で解決するという考えにいささかの揺るぎもない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「核やミサイルの問題はあるが、同時に日本にとって拉致問題は極めて重要で、必ず解決しなければならない問題だということをトランプ大統領に伝えている。引き続き被害者の救出のために協力も要請しているが、アメリカとも連携しながらこの問題にあたっていく」と述べました。
 
また、安倍総理大臣は集会に先立って、拉致被害者の家族らと面会し、「ことしは、久米裕さん、松本京子さん、横田めぐみさんが拉致されてから40年、家族会が結成されてから20年の節目の年にあたる。長い歳月がたつ中、拉致被害者やご家族も高齢になり、もはや一刻の猶予も許されない」と述べ、早期解決を目指す考えを示しました。
 
 
拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ
天木直人のブログ 2017年4月24日
 歴代首相の中にはろくでもない首相も多かったが、その中でもこれほどホラを吹き続けるろくでもない首相はいなかっただろう。
 しかも、私的な会話におけるホラではない。経済・外交といった国民の暮らしと生命に直結する国の政策につてのホラである。
 その安倍首相が、きのう4月23日、厚かましくも、「救う会」の国民大集会に出席して、拉致被害者家族会の前で大ホラを吹いたらしい。拉致問題は私が司令塔となって必ず解決する、拉致被害者とご家族が抱き合うまで私の使命は終わらない、と大見得を切ったというのだ。
 これ以上のホラはない。トランプと一緒になって北朝鮮と戦争をしようとしている安倍首相に、どうして拉致被害者を助ける事ができるというのか。誰が考えてもあり得ないことだ。
 
 まだあの小泉純一郎の方がましだった。自分の手柄に目がくらんで拉致被害者の命を軽くみたり、ブッシュの米国に脅かされて腰砕けに終わったけれど、少なくとも平壌宣言をつくって日朝国交化との一括解決を目指した。安倍首相は、その足もとにも及ばない。
 
 横田早紀江さんはそろそろはっきりと言ったほうがいい。
 安倍首相では拉致問題の解決は無理だ。はやく新しい政権に代わって仕切り直してもらたい。
 我々には時間がないからできるだけ早く新政権が出来て欲しいと。
 もちろん、それは政権交代でなくてもいい。
 安倍首相の率いる政権でなければ、どんな政権でもいい、という事である(了)
 
 
北朝鮮情勢の緊迫で「ツキがまわってきた」と叫んだ安倍首相
天木直人のブログ 2017年4月24日
 いかにも安倍首相がいいそうなセリフだ。
 きょう発売の週刊現代(5月6・13日号)が、安倍官邸と外務省の北朝鮮情勢をめぐる迷走ぶりを、まるで見て来た事のように「生中継」と銘打って書いてる。
 そこに書かれている事はほとんど冗談のような事の数々だ。しかし、それが本当なら冗談どころではない。
 「北朝鮮情勢が緊迫してきてから、安倍さんはすっかり元気になって、『ツキがまわってきた』と側近たちに話しています。『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』とも」(官邸スタッフ)というのだ。
 
 それはそうだろう。森友問題で下がった内閣支持率を北朝鮮の危機が引き上げてくれたからだ。
 私が驚いたのは、ペンス米副大統領との面会後、安倍首相がますます前のめりになったと書かれているところだ。北朝鮮有事があることを前提にして準備を進めるよう谷内正太郎NSC局長に指示したと書かれているところだ。
 アメリカが平壌を叩けば拉致被害者保護の目的で自衛隊を派遣できる、もし本当に拉致被害者を保護できれば支持率20%アップも夢ではない、と安倍首相は考えている、と書かれているところだ。
 
 確かに、最近の報道を見ると合点がいく。
 そして、私がもっとも注目したのは、今の外務省は外務次官OBである谷内正太郎NSC局長の下に、外務次官になりたい幹部がすべて安倍首相に絶対服従し、米朝開戦に向かって異様なテンションになっていると書かれているところだ。その一方で、安倍・谷内体制から外されているその他大勢の外務省キャリアたちは、戸惑っていると書かれている。
 
 私が繰り返して書いて来た通りだ。
 もはや外務省という組織は、安倍・谷内と次官欲しさの幹部たちによって完全に破壊されてしまった。
 もと同期の私だから言うが、谷内正太郎の大罪は計り知れないほど大きい。その谷内正太郎は、外遊の公務のかたわら、安倍首相の庇護の下に、セガサミーのカジノ利権実現に走り回っていると、月刊誌テーミスが書いていた。さもありなんと思わせる記事である。
 
 権力を握った者たちのやりたい放題だ。
 どこまでもあさましい連中である(了)