2017年4月14日金曜日

14- シリアで化学兵器を使ったのはヨルダンからの無人航空機・ドローン

 シリアで化学兵器を投下したのは、ヨルダン基地から飛び立ったドローンである可能性が出てきました。
 アメリカが、ティラーソン国務長官のロシア訪問に合わせて公表した文書に載っていた写真の機影は戦闘機ではなくドローンで、サウジアラビアとイスラエルによる作戦の拠点になっているヨルダンの基地を飛び立ったと見られるということです。
 
 アメリカ政府が発表した文書の説明がないので詳細は不明ですが、プーチン大統領が「証拠が示されていない」と述べたことを見ると、毒ガスを撒いたのはシリア政府であるとする内容と思われます。
 そこに載っている写真(衛星写真?)に関して、ジャーナリストのロバート・パリー氏は彼の情報源から ”写っているのは戦闘機でなくドローンだ いう説明を受けたということです。
 
 3月にトランプ政権が アサド大統領排除する目論見を放棄する と表明したことに不満を持つサウジなどが毒ガス攻撃を行っ(てアサド政権を窮地に立たせようと画策し)たものと思われます。
 
 それとは別に、シリアの国営通信が、アメリカ主導の有志連合がシリア東部で過激派組織ISに対して行った空爆で、有毒ガスが漏れ出て市民を含む数百人が死亡したと伝えたことに関する記事と、同じくアメリカ軍アフガニスタンでの過激派組織ISに対する空爆で、核兵器以外の通常兵器で最大の破壊力があるとされる「大規模爆風爆弾」を実戦で初めて使用したことに関する記事を紹介します。
 NHKのニュースは、前者では有志連合は行っていないことを強く示唆していて、NHKの米国寄りの姿勢が明瞭です。
 核爆弾にも匹敵するという「大規模爆風爆弾」投じたことについても、そんな大量殺人兵器の使用が許されることなのか疑問です。
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シリアで化学兵器を使ったのは
サウジとイスラエルの拠点基地から飛び立ったドローンの可能性    
櫻井ジャーナル 2017年4月13日
レックス・ティラーソン国務長官のロシア訪問に合わせ、シリア軍が化学兵器を使ったとする4ページの文書をアメリカ政府は公表した。NSC(国家安全保障会議)のスタッフが作成したとされているが、いつものように証拠は示されていない。情報源や情報の収集法法を隠すためだというのだが、その主張の根拠とされているのは上空から撮影した写真だとされ、隠す理由はない。実際、これまでは公表されてきた。
 
ジャーナリストのロバート・パリーによると、彼の情報源からその写真に写っているのは戦闘機でなくドローンだという説明を受けたという。そのドローンが飛び立った場所はヨルダンの基地。そこはサウジアラビアとイスラエルによる作戦の拠点になっている。3月にドナルド・トランプ政権がバシャール・アル・アサド大統領排除する目論見を放棄すると表明したことが毒ガス攻撃の理由だと疑われているようだ。
 
この4ページの文書が公表された後、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は証拠が示されていないと発言、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領と行った共同記者会見では、4月4日の有毒ガス流出事件を偽旗作戦だと言い切り、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていることをつかんでいると語っている。
プーチン大統領はアメリカ政府に強い不快感を表明、ロシアを訪れたティラーソン長官に対してセルゲイ・ラブロフ外務大臣も厳しく対応、ティラーソン長官と会わないのではないかとも見られていたが、最終的に会談したようだ。
 
ネオコンは2014年にソチで開催された冬期オリンピックに合わせ、ウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行したが、その前年の7月、プーチン大統領をオリンピック絡みで脅した人物がいる。サウジアラビアの総合情報庁長官を務めていたバンダル・ビン・スルタンだ。
 
プーチン大統領との会談でスルタンはロシアにシリアから手を引かせようとする。手を引けば、つまりバシャール・アル・アサドを見捨てればオリンピックの安全を保証できると持ちかけたというのだ。当時、チェチェンの反ロシア武装グループはオリンピックでの破壊活動を行うとしていた。
シリアから手を引かなければオリンピックを攻撃させるとスルタンは脅したとプーチンは理解、その提案を拒否した上で、「ここ10年の間、チェチェンのテロリスト・グループをあなたたちが支援していることを知っている」と言い放ったという。ロシアに対する脅しは逆効果になる。それをトランプ政権は学ばず、今回も武力で脅したわけである。そしてロシア政府を怒らせた。
 
シリアを攻撃する一方、アメリカ政府は朝鮮を威嚇するために空母カール・ビンソン中心とする艦隊を朝鮮半島の近くへ派遣したが、海上自衛隊はその艦隊に数隻の駆逐艦を合流させようとしていると伝えられている。中国も朝鮮の行動に怒っているようだが、アメリカと中国が本当に見ているのは朝鮮でないだろう。両国が朝鮮を本気で相手にしているとは思えない。アメリカは中国を挑発している可能性が高い。そこへ自衛隊が入っていく危険性を認識しているのだろうか? 
 
 
シリア “空爆で有毒ガス漏れ数百人死亡” 米主導有志連合は否定
NHK NEWS WEB 2017年4月14日
シリアの国営通信は、アメリカ主導の有志連合がシリア東部で過激派組織IS=イスラミックステートに対して行った空爆で、有毒ガスが漏れ出て市民を含む数百人が死亡したと伝えました。有志連合側は否定していて、情報の真偽は定かではありません。
シリアの国営通信によりますと、シリア東部デリゾール近郊の村ハトラで12日、アメリカ主導の有志連合が過激派組織ISの支配地域に対して空爆を行った際、有毒な物質が大量に貯蔵されていた場所で爆発が起き、ガスが漏れ出たということです。
国営通信はシリア軍の発表としてこの情報を伝え、市民を含む数百人が有毒なガスを吸い込んで死亡したとしています。
有志連合のドリアン報道官は13日、NHKの取材に対し、「当時、周辺では一切空爆は行っていない。これまでも何度も見てきたことだが、意図的に誤った情報を流しているのではないか」と否定しました。
また、シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団はNHKの取材に対し、「有志連合による空爆はあったが、被害や犠牲者について情報はない」としていて、情報の真偽は定かではありません。
アメリカは、アサド政権が市民に対して化学兵器を使ったと断定して軍事施設を攻撃しましたが、アサド大統領は12日に行った外国メディアとのインタビューで化学兵器の使用を否定し、アメリカの攻撃を強く非難しています。
 
米国務省報道官代行「うその情報を吹聴」
シリアのアサド大統領が化学兵器の使用を否定したことについて、アメリカ国務省のトナー報道官代行は13日の記者会見で、「いかにもアサド大統領らしい発言だ。うその情報を吹聴して混乱させようとしている。過去にロシアでも見られた戦略だ。化学兵器による攻撃がシリア政府によるものであることに疑いの余地はなく、戦争犯罪だと確信している」と反論しました。
 
 
米軍 アフガニスタンで「大規模爆風爆弾」を使用 実戦初
NHK NEWS WEB 2017年4月14日
アメリカ軍は、核兵器以外の通常兵器で最大の破壊力があるとされる「大規模爆風爆弾」をアフガニスタンでの過激派組織IS=イスラミックステートに対する空爆で使用したと発表しました。2003年にこの爆弾を配備してから実戦で使ったのは初めてで、北朝鮮などをけん制する意図もあるのではないかという受け止めが出ています。
 
アメリカ軍は13日、アフガニスタン東部のナンガルハル州で過激派組織ISの拠点を狙って「GBUー43B・大規模爆風爆弾」による空爆を実施したと発表しました。
この爆弾は全長およそ9メートル、重さがおよそ9800キロで、核兵器以外の通常兵器では最大の破壊力があるとされ、精密誘導装置も備えていて、「すべての爆弾の母」とも呼ばれています。
アメリカ軍は、2002年に当時のイラクのフセイン政権に圧力をかける目的でこの爆弾の開発を始め、2003年のイラク戦争で前線に配備しましたが、国防総省によりますと、実戦で使ったのは初めてだということです。
アフガニスタンに駐留するアメリカ軍のニコルソン司令官は「ISは防御を厚くしており、この爆弾はこうした障害を取り除くのに適切な武器だ」と説明していますが、シリアのアサド政権を攻撃し、北朝鮮への圧力を強めている中での使用に、アメリカのメディアでは北朝鮮などをけん制する意図もあるのではないかという受け止めが出ています。
 
トランプ大統領「見事に任務に成功」
       (省  略