2017年4月25日火曜日

共謀罪捜査 一般人が対象なのは明らか 首相・法相の説明はウソ

 21日の法務委員会で盛山副大臣と井野政務官が「一般の人が共謀罪捜査の対象にならないことはない」と当たり前の回答をしたことで、官邸が大慌てをしているということです。真実が明らかにされて慌てるというのは、それまで安倍首相と金田法相が述べてきた「一般のが対象になることはない」というのがウソだとバレたからです。
 
 安倍・金田ラインは盛んに「一般の市民は取り締まりの対象にならない」と言いますが、そのうらで犯罪を意図すればもはや「一般の市民」ではないから(対象になる)とも言っています。
 そうすると犯罪を意図した市民や団体をどう見分けるか、市民の内心をどうすれば判断できるのかということが問題になります。日本の検察は、国連の人権委員が「中世の司法」と呼んでいる人権無視の「人質司法」などの手法を公然と用います。それは「犯罪」(…この場合は「犯意」)を認めるまでは「証拠隠滅の惧れ」を理由に拘置所に留置して置くという方法で、相されると一家の稼ぎ手であれば家族を守るためにそのまま否定を続けることができません。
 
 そもそも人は仮に犯意を抱いていたとしてもそれを安易に表示することはありません。そうであれば警察・検察は、狙いをつけた人物や団体員を逮捕して「自白をさせる」しか方法がありません。共謀罪法案が一般の人を捜査対象にしていることは火を見るよりも明らかです。
 それを「一般の市民は取り締まりの対象にならない」といって憚らないのは尋常ではありません。
 余程鉄面皮なウソ吐きであるか、または中学生でも分かることを理解できないでいるかのどちらかです。
(関係記事)
4月23日 「週刊女性」が「共謀罪」を10ページにわたり大特集!
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共謀罪の本質バレた 法務省“見解不一致”露呈で官邸大慌て
日刊ゲンダイ 2017年4月24日
 副大臣と政務官のマトモな答弁に官邸は大慌てだ。
 先週21日、共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と言ってのけた一件である。井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般人への捜査の可能性を示唆した。
 
 これまで安倍首相以下、菅官房長官も金田法相も「一般の方が対象になることはない」と繰り返し強調してきた。副大臣と政務官の答弁で、共謀罪の本質がバレたわけだが、これで法務省内の見解不一致が明らかになってしまった。どうしてこういうことが起きたのか。
 「マトモに答弁できず何も分かっていない金田法相であれば、どんな質問に対しても、『一般人は対象にならない』とトボケ続けられたでしょう。しかし、民進党の逢坂議員はかなりしつこく理詰めで質問しました。捜査を多少なりとも知っていて、質問にちゃんと答えようとすれば、副大臣のような常識的な答弁になるのは当然です。
 官邸も金田法相の答弁能力の低さを懸念するあまり、刑事局長を答弁に立たせる形で“金田隠し”に必死になっていた。副大臣と政務官にまで気が回らず、コントロール外だったのでしょう。議論が噛み合ってしまうと、ほころびが見えてくる。安倍政権は今ごろ頭を抱えているのではないでしょうか」(政界関係者)
 
 実際、23日のNHKの日曜討論で自民党・茂木敏充政調会長は、「一般の市民や団体の捜査は全く対象とならない」と“火消し”に躍起だった。
 
■野党には法案成立阻止の“突破口”
 共謀罪法案に詳しい小口幸人弁護士が言う。
 そもそも一般の人かどうかは、特定の人を調査や捜査をしてみないとわからないことです。“一般の人は捜査対象にならない”という説明がウソだったのです」
 野党はマトモな議論の“突破口”をつかんだ。副大臣と政務官を攻めればいいのだ。さて、官邸は金田法相に続いて、「副大臣・政務官隠し」までするのか。そうなれば法案審議の異常さがクローズアップされ、国民も違和感を覚えるだろう。政府・与党が画策する“連休明け採決”などもってのほかだ。

拉致被害者家族にとっても最低・最悪の首相

 第一次安倍政権は拉致問題解決を重要課題として登場した筈ですが、実際には何も取り組まないまま途中退場しました。
 その後民主党政権が出来ましたが、菅、野田の両政権の拙劣な政治によって、2012年の暮れに再度自公政権・第二次安倍内閣が出来ました。
 それから5年半近くが経過しましたが、拉致問題には何の取り組みもしませんでした。一日千秋の思いで帰還を待ちわびている被害者家族に対して一体どう言い訳をするつもりなのでしょうか。
 この間 単に拉致問題の解決に取り組まなかっただけでなく、逆に北朝鮮が核兵器の実験やミサイルの試射をするたびに安倍首相は世界に先駆けて北朝鮮を非難して来ました。それはひたすらアメリカの意向を忖度したものであって、とても拉致被害者問題を抱えている首相の言動には見えませんでした。
 
 このところ北朝鮮をめぐる緊張状態が続いていますが、ここでも安倍首相からは「ことあれかし」と願っている気持ちが伝わってくるだけで、事態を平和裏に収めようとする意志は認められません。万一、先ず米・北朝鮮間で戦端が開かれて結果的に北朝鮮が壊滅することになれば、拉致被害者の命の保障はありません。
 
 23日、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました。
 その集会に出席した安倍首相は、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示したということです。
 この期に及んで一体どのツラ下げてそんなことが言えるのか、その厚かましさには呆れます。
 
 拉致被害者家族集会を報じたNHKニュース2本と、天木直人氏のブログ記事:「拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ」と「北朝鮮情勢の緊迫で『ツキがまわってきた』と叫んだ安倍首相」を紹介します。
 天木直人氏のブログを読むと安倍晋三という人間が、如何に拉致被害者家族の心痛から遊離した存在であるのかが良く分かります。そこにあるものは単なる虚栄心です。恐ろしく、また浅ましいことです。
 
 安倍首相がこの間 拉致被害者問題とかかわった唯一の事例として、2015年末に蓮池透氏が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)を著わしたことに関連して、逆ギレした安倍氏が翌年1月の国会で蓮池氏をこき下ろす発言をしたことが挙げられます。ご参考までにそのURLを下記します。
2016年1月16日 蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”の国会答弁に反論!
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拉致被害者家族が集会 政府は早期帰国に向け交渉を
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
北朝鮮の核とミサイル開発の問題に注目が集まる中、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、拉致問題が置き去りにされないか強い危機感を示すとともに、政府に対し、被害者の早期帰国に向けた交渉を最優先で進めるよう求めました
集会でははじめに、拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが「今、北朝鮮を取り巻く情勢が混とんとしており、被害者救出の旗が吹き飛ばされないか、拉致問題が置き去りにされないか、懸念しています。政府は拉致問題を最優先課題として取り組んでもらいたい」と訴えました。
そして、家族一人一人が訴えに立ち、中学1年の時に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さんは「暴発が起きたりすることがないように世界中が知恵を出し合って、仲よく話し合いませんか、本当のことを話しませんかと、北朝鮮を説得してほしい」と呼びかけました。
集会では最後に、すべての拉致被害者の早期帰国を北朝鮮に要求するとともに、政府に対し、核やミサイルの問題とは切り離して、被害者救出のための交渉を最優先で進めるよう求める大会決議を採択しました。
23日は集会に先立ち、被害者の家族が安倍総理大臣と面会し、家族を代表して飯塚さんが「ことしは拉致から40年、家族会結成から20年の節目の年ですが、その時間の重みは相当なものです。ことし中に解決のめどがつくようお願いしたい」と求めました。 後 略)
 
 
首相「拉致問題 米と連携して早期解決目指す」
NHK NEWS WEB 2017年4月23日
安倍総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者の家族らが開いた集会で、拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題だと強調したうえで、安倍内閣で解決するという決意のもと、アメリカとも連携して早期の解決を目指す考えを示しました。
 
この中で、安倍総理大臣は「拉致問題は安倍内閣の最重要・最優先課題であり、被害者とご家族が抱き合う日まで私の使命は終わらない。拉致問題は安倍内閣で解決するという考えにいささかの揺るぎもない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「核やミサイルの問題はあるが、同時に日本にとって拉致問題は極めて重要で、必ず解決しなければならない問題だということをトランプ大統領に伝えている。引き続き被害者の救出のために協力も要請しているが、アメリカとも連携しながらこの問題にあたっていく」と述べました。
 
また、安倍総理大臣は集会に先立って、拉致被害者の家族らと面会し、「ことしは、久米裕さん、松本京子さん、横田めぐみさんが拉致されてから40年、家族会が結成されてから20年の節目の年にあたる。長い歳月がたつ中、拉致被害者やご家族も高齢になり、もはや一刻の猶予も許されない」と述べ、早期解決を目指す考えを示しました。
 
 
拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ
天木直人のブログ 2017年4月24日
 歴代首相の中にはろくでもない首相も多かったが、その中でもこれほどホラを吹き続けるろくでもない首相はいなかっただろう。
 しかも、私的な会話におけるホラではない。経済・外交といった国民の暮らしと生命に直結する国の政策につてのホラである。
 その安倍首相が、きのう4月23日、厚かましくも、「救う会」の国民大集会に出席して、拉致被害者家族会の前で大ホラを吹いたらしい。拉致問題は私が司令塔となって必ず解決する、拉致被害者とご家族が抱き合うまで私の使命は終わらない、と大見得を切ったというのだ。
 これ以上のホラはない。トランプと一緒になって北朝鮮と戦争をしようとしている安倍首相に、どうして拉致被害者を助ける事ができるというのか。誰が考えてもあり得ないことだ。
 
 まだあの小泉純一郎の方がましだった。自分の手柄に目がくらんで拉致被害者の命を軽くみたり、ブッシュの米国に脅かされて腰砕けに終わったけれど、少なくとも平壌宣言をつくって日朝国交化との一括解決を目指した。安倍首相は、その足もとにも及ばない。
 
 横田早紀江さんはそろそろはっきりと言ったほうがいい。
 安倍首相では拉致問題の解決は無理だ。はやく新しい政権に代わって仕切り直してもらたい。
 我々には時間がないからできるだけ早く新政権が出来て欲しいと。
 もちろん、それは政権交代でなくてもいい。
 安倍首相の率いる政権でなければ、どんな政権でもいい、という事である(了)
 
 
北朝鮮情勢の緊迫で「ツキがまわってきた」と叫んだ安倍首相
天木直人のブログ 2017年4月24日
 いかにも安倍首相がいいそうなセリフだ。
 きょう発売の週刊現代(5月6・13日号)が、安倍官邸と外務省の北朝鮮情勢をめぐる迷走ぶりを、まるで見て来た事のように「生中継」と銘打って書いてる。
 そこに書かれている事はほとんど冗談のような事の数々だ。しかし、それが本当なら冗談どころではない。
 「北朝鮮情勢が緊迫してきてから、安倍さんはすっかり元気になって、『ツキがまわってきた』と側近たちに話しています。『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』とも」(官邸スタッフ)というのだ。
 
 それはそうだろう。森友問題で下がった内閣支持率を北朝鮮の危機が引き上げてくれたからだ。
 私が驚いたのは、ペンス米副大統領との面会後、安倍首相がますます前のめりになったと書かれているところだ。北朝鮮有事があることを前提にして準備を進めるよう谷内正太郎NSC局長に指示したと書かれているところだ。
 アメリカが平壌を叩けば拉致被害者保護の目的で自衛隊を派遣できる、もし本当に拉致被害者を保護できれば支持率20%アップも夢ではない、と安倍首相は考えている、と書かれているところだ。
 
 確かに、最近の報道を見ると合点がいく。
 そして、私がもっとも注目したのは、今の外務省は外務次官OBである谷内正太郎NSC局長の下に、外務次官になりたい幹部がすべて安倍首相に絶対服従し、米朝開戦に向かって異様なテンションになっていると書かれているところだ。その一方で、安倍・谷内体制から外されているその他大勢の外務省キャリアたちは、戸惑っていると書かれている。
 
 私が繰り返して書いて来た通りだ。
 もはや外務省という組織は、安倍・谷内と次官欲しさの幹部たちによって完全に破壊されてしまった。
 もと同期の私だから言うが、谷内正太郎の大罪は計り知れないほど大きい。その谷内正太郎は、外遊の公務のかたわら、安倍首相の庇護の下に、セガサミーのカジノ利権実現に走り回っていると、月刊誌テーミスが書いていた。さもありなんと思わせる記事である。
 
 権力を握った者たちのやりたい放題だ。
 どこまでもあさましい連中である(了)

25- 加計学園誘致 今治市民「国が金を出してくれると思っていた」

 安倍首相が絡んでいるので第二の森友学園問題といわれる加計学園獣医学部誘致問題で、23日、今治市の住民が開いた「説明を聞く会」、市からは企画課の秋山直人課長らが出席しましたが、実行委員会が招待状を出した菅良二市長と市議会議員全員欠席しました。
 
 今治市が負担する施設建設費の96億円(県が32億円を出した場合は80億円)は、同じように誘致した銚子市加計学園から要求された建設費95億円と(ほぼ)一致しています。
 市民は学園のいう建設費の見積もりが妥当かどうか判断するために、建設費の「見積もり」と「設計図」を市側に要求しましたが、市は「文科省に認可申請中のため今は公開できない」として応じませんでした
 
 今治市は土地と建設費で最大132億円を負担しますが、その経済効果は3千万円程度の税収しかない」とのことです詳しいことは何も知らされないままで進められたことに、市民は「国が金を出してくれると思っていた」と口にしました。
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【今治発・アベ友疑獄】 加計学園誘致 
    市民「国が金を出してくれると思っていた」 
田中龍作ジャーナル 2017年4月23日
「市民を愚弄するにも ほど がある」「市長と(市議会)議員は加計からワイロをもらってるんじゃないのか?」…
 加計学園の誘致で揺れる今治市。住民が行政と議会の「説明を聞く会」(23日、主催:実行委員会)は冒頭から怒号が飛びかった。主催者が菅良二市長と市議会議員全員に招待状を送ったにもかかわらず、誰一人として出席しなかったからだ。
 今治市は加計学園・岡山理科大学獣医学部の誘致に市有地(36億5千万円)をタダでくれてやり、施設建設費(192億円)の半分(96億円※)を援助する。
     (※愛媛県が32億円を出さなかった場合、今治市が96億円を丸々負担することになる。
        その公算が高い。)
 
 きょうの説明会で最大の問題点となったのは―
 市民がいくら要望しても、大学建設の「見積もり」と「設計図」を市側が出さないことだ。加計学園の誘致を所管する今治市企画課の秋山直人課長は「文科省に認可申請中のため今は公開できない」と答えた。
 見積もりと設計図を専門家が見れば、校舎などの建設に192億円もかからないことが分かる可能性がある。今治市は96億円も出す必要がないことが白日の下にさらけ出されるかもしれないのだ。
 192億円(=今治市負担96億円)は加計学園の「言い値」ということもあり得る。
「市民は国がお金を出してくれると思っていた。説明されていないがどういうことなのか?」と質問する男性。秋山課長は「周知不足は反省すべき」と答えた。
 
 同じように加計学園を誘致した銚子市の野平匡邦市長(当時)によれば、千葉科学大学(2004年開校)誘致の際も、加計学園は銚子市に土地の無償譲渡と建設費95億円の援助を要求してきた。最終的には土地は無償貸与で、建設費の援助は77億5千万円とすることで落ち着いた。
 銚子の95億円と今治市の96億円は偶然の一致だろうか? 土地の無償譲渡要求も偶然の一致だろうか?
 
 加計学園問題は「第二の森友」と言われる。昨年10月のことだった。今治市で国家戦略特区の指定も受けておらず、当然土地は今治市の所有であるにもかかわらず、加計学園がボーリング調査を行った。しかも市の職員は立ち会っていなかったというのだ。
 きょうの説明会で秋山企画課長は、事実を認めたうえで「事前調査ということで承認した」と苦しい言い訳をした。
 後になって「ゴミが出てきた。除去の実費として1億数千万円を負担してくれ」なんて言い出される心配はないだろうか。
 今治市は加計学園誘致で「中心市街地の活性化」などとバラ色の夢を描く。経済効果について突き詰めて質問していくと、市側は「3千万円程度の税収効果しかない」と答えた。
132億円(土地と建設費)出して、3千万円か?」。主催者の一人は、目を真っ赤にしながらつぶやいた。
 ~終わり~

2017年4月24日月曜日

もしも違憲の共謀罪法案が成立すれば・・・

 共謀罪は、「社会に有害な結果を生じる行為がなければ処罰されない」という近代刑法の基本原則を踏みにじり、「市民革命」が勝ち取った「内心のあり方が処罰の対象とされた中世の桎梏からの解放」を、再び暗黒時代に押し戻そうとするものであって、憲法第13条、第19条、第21条そして第31条などに反するものです。
 憲法に反する法が提案されること自体があってはならないことですが、安倍政権になってからは内閣法制局もおかしくなって歯止めの役を果たさなくなりました。
 最後の砦である筈の司法も、日本では最高裁以下一貫して政権に従属しています。裁判所は頼りになりません。
 そんな状況のなかでもしも共謀罪法案が成立すれば一体どういうことになるのでしょうか。
 
 「世に倦む日日」氏は、「共謀罪と『お上を恐れぬ不届き』の刑罰論理 - 精神的自由の侵害」(4月20日)で要旨 次のように述べています。
 
 江戸時代の刑罰の法論理で、町奉行が容疑者に罪と刑を宣告するとき、「お上を恐れぬ不届き至極」という理由で断罪した。「お上を恐れぬ」という内面の態度が、正式な刑罰決定の法的根拠だった。共謀罪の法論理は、近代に獲得した基本的人権の達成と前提を崩して、市民と国家権力との関係を江戸時代に戻してしまうものだ。
 
 政府から「テロリスト」の疑いがかけられた者が、要注意人物として当局の監視対象になる。分かりやすく言えば、戦前に「アカ」とか「非国民」とされて弾圧された者が、今度は「テロリスト」という呼び方で規制と弾圧を受けるこの制度改変によって、国家権力が市民を統制するフリーハンドは大幅に拡充され、憲法に保障された精神的自由権の内実が失われる。中国のような社会になる。中華人民共和国の憲法にも「言論の自由」の規定はある形式的に精神的自由が保障されながら、現実にはあのとおりの自由のない社会が回っている。
 
 そこから先、どういう政治と社会になるかを見通すと、政府の横暴を食い止めるためには、抵抗する市民側は法を犯してやるしかないという判断と選択に導かれる方向になる。合法的にやっていても政府によって恣意的に弾圧されてしまい、また反政府の思想そのものが犯罪なのだから、開きなおってアウトローの立場で目的実現に邁進せざるを得ないという路線になる。安倍晋三(ファシズム)の側は、待ってましたとばかり、その動きを歓迎して公然と暴力的弾圧を強める。一般論として、共謀罪は市民の政治運動をそのように変質させるはずだ。
 
 憲法の精神的自由権の条文規定はそのままでも、この国は実質的に中国と同じ自由のない強権的な政治体制になる
 (詳細は原文をお読みください。URL: http://critic20.exblog.jp/26600014/  )

 そんなことになるのは絶対に避けなければなりません。
 東京新聞の記事を紹介します。
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「内心」「表現」の自由侵害
 「共謀罪」違憲性の指摘
東京新聞 2017年4月23日
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に対し、憲法違反との声が上がっています。連載「いま読む日本国憲法」の特別編として、憲法のどの条文に照らして違憲性が指摘されるのか、国会論戦や学識者の主張を基に整理しました。
 「共謀罪」法案との関係でよく議論になるのは、<憲法19条>が保障する思想及び良心の自由(内心の自由)。人は心の中で何を考えようが自由。旧憲法下で思想弾圧が行われた反省から、国家は人の心の中に立ち入らないという大原則を定めた条文です。
 その点、犯罪が実行される前に、合意しただけで処罰できるのが「共謀罪」法案。犯罪をすると考えた人の心を罰することになり、19条違反が疑われているのです。安倍晋三首相は「準備行為が行われて初めて処罰対象とする」と説明していますが、何が準備行為なのかあいまいです
 <憲法21条>は、自分の考えを自由に発表できる「表現の自由」を定めています。旧憲法下で反政府的な言論が取り締まられた歴史を踏まえた条文で、国家権力を批判できる自由をも保障している点が重要なポイントです。
 政府は今回、捜査対象は「組織的犯罪集団」と説明する一方、普通の市民団体が性質を変えれば対象になるとしています。米軍基地反対や反原発など、自らの主張を表現する市民団体の行動が対象になったり、活動を萎縮させたりする恐れが指摘され、表現の自由の侵害が懸念されています。
 さらに、「共謀罪」法案が成立すれば、共謀を立証するために捜査機関が電話やメールなどの通信傍受を拡大する可能性があると言われます。このことを根拠に、幸福追求権を定めた<憲法13条>違反を問う声もあります。13条にはプライバシー権が含まれるという解釈があるためです。
 また、<憲法31条>は、何をすれば処罰されるのか法律で明示するよう定めています。「共謀罪」法案は何が準備行為と判断されるか分からず、処罰対象が不明確なため31条違反という意見があります。
 一方、政府も、国際条約を「誠実に遵守(じゅんしゅ)する」ことを求めた<憲法98条>に言及し、国際組織犯罪防止条約の締結に向けて法案の成立を訴えています。
 
憲法の条文(抜粋)
違憲と指摘される根拠
13条 幸福追求の権利は最大の尊重を必要とする
 (個人情報を守る「プライバシー権」の根拠条文ともされる)
共謀を立証するため市民生活を監視する捜査が横行しかねない
19条 思想及び良心の自由は侵してはならない
 (心の中で何を考えても構わない「内心の自由」を保障)
外からは分からない合意内容を処罰するため、国家が内心に立ち入ることに
21条 集会、結社その他一切の表現の自由は保障する
 (自分の思想や主張を、外に向かって自由に発表する権利)
米軍基地建設反対などの市民運動が対象になりかねない
31条 法律の手続きによらなければ刑罰を科せられない
  (何をすれば処罰されるのか、あらかじめ法律で示しておく)
犯罪実行前の合意を処罰するため、処罰対象が不明確

安倍政権は北の脅威を煽るが 北からの先制攻撃はあり得ない

 安倍政権は北朝鮮の脅威を煽るために、住民に対ミサイルの避難訓練をさせようとしています。まことに念の入ったことで北の脅威を煽りたくてしょうがないようです
 しかし北朝鮮が日本に対して先制攻撃をする可能性は皆無です。もしもそんなことをすれば北朝鮮が壊滅することを良く知っているからです。北朝鮮は10数年来200基以上のノドンを所有して来たにも拘わらず、ただの1発も日本に向けて撃ちませんでした。安倍政権が誕生するまではノドンを威嚇に使ったこともありませんでした。
 
 日本にノドンが雨あられと降り注ぐのはただ一つ、アメリカが北朝鮮をミサイル攻撃したときです。日本は先に安倍政権によってアメリカとの軍事同盟を集団的自衛権の行使を内容とするものに進展させたので、米からの攻撃を受けた瞬間に北朝鮮には日本を全面攻撃する口実が与えられることになりました。当然在日米軍基地と日本の原発が標的になります。もしも原発がいくつか打撃を受ければ、日本は即座にではないにしても時間の経過とともに滅ぶことになるでしょう。
 
 別の理由でソウルも北朝鮮の攻撃によって火の海となります。
 そして北朝鮮も反撃を受けて最終的に壊滅させられます。 
 アメリカはどうでしょうか。米本土は遠く離れているので、いまは北朝鮮から何の攻撃も受けることはないという気楽な立場です。仮に巻き添えで日本が焦土と化そうとも痛くも痒くもないということです。
 その一方で北朝鮮がやがて大陸間弾道弾ICBMと核弾頭を所有することになるのは明らかなので、アメリカとしては何らかの口実ができれば、今のうちに北朝鮮を攻撃してそうした目論見を止めさせることに躊躇しない筈です。

 そんなアメリカに向かって先制攻撃を仕掛けるように煽るのは愚の骨頂です。
 必死にそれを制止するのが日本の首相の役割なのですが、安倍首相は何も分かっていません。日本が受ける打撃についての認識がないのです。日本国民は、自分の思い込み以外のものは何も受け入れることが出来ない指導者を選んだのですから、そうした指導者に率いられる国の末路についても思いを致すべきです。
 
 「日々雑感」の記事を紹介します。
       (関係記事)
4月17日 安倍政権は北朝鮮を巡る危機を見誤っている +
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国民に北朝鮮の脅威を煽って政権求心力を強めようとするの
金独裁政権と安倍自公政権と何処が異なるのか。
日々雑感 2017/04/22
 
 政府は21日、都道府県の危機管理担当者を集めた説明会で、北朝鮮の弾道ミサイルの着弾を想定した住民避難訓練を行うよう要請した。政府は3月、秋田県男鹿市でミサイル着弾を想定した住民避難訓練を行っていたが、全都道府県に要請したのは初めて。避難先をあらかじめ決めずに住民が臨機応変に対応する訓練や退避が間に合わない住民がいるケース、自動車運転中の避難などを例示。また、内閣官房ウェブサイト「国民保護ポータルサイト」にミサイル落下時に取るべき行動を掲載し、各自治体に住民への周知を求めた。
 
 政府は説明会で、北朝鮮が昨年8月に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したことなどを挙げ、「発射の兆候を事前に把握するのは困難」などとして早期の訓練を要請。着弾情報が流れた場合の行動として、(1)頑丈な建物や地下街への避難(2)適当な建物がない場合、物陰に隠れるか地面に伏せる(3)屋内ではできるだけ窓から離れるか、窓のない部屋に移る--などを示した
以上「毎日新聞」より引用
 
 北朝鮮が日本にミサイルを撃ち込んだなら、その時は金独裁政権が終焉する時だ、ということを金正恩も知っている。日本の自衛隊が「防衛」のために北朝鮮の軍事施設を攻撃したなら、北朝鮮はひとたまりもない。それほど日本は近代的な攻撃能力を持っている。
 だから、北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込むことはない。脅しはするが、北朝鮮が日本を攻撃しなければならない必然性はない
 反対に、米国は北朝鮮を攻撃したくて仕方ない。なぜならICBMが開発されたなら米国は北朝鮮の核攻撃に怯えなければならないからだ。その恐怖はイスラム過激派のテロとは比較にならない。
 
 北朝鮮には日本を核攻撃する理由がない出来れば資金援助と地下資源掘削技術支援を求めたいところだ。そうすれば中国の支援に頼っている石油を自前で賄えるだけでなく、日本へ輸出して外貨を稼げるだろう。嘘だと思う人はネットで北朝鮮の石油埋蔵量を調べてみると良い。
 それと同時に、北朝鮮の地下資源の金埋蔵量を調べてみることだ。なぜ北朝鮮の山が白いのかを調べることだ。日本では「白石」という地名は石灰岩の産出地と重なるが、北朝鮮の「白い山」はもっと高価な地下資源の埋蔵を示している。
 北朝鮮に中国が強く出ないのはなく、強く出て地下資源などの利権を失うことになるのを恐れているからだ。それはロシアにも共通している。
 
 果たして米国はどうだろうか。日韓に北朝鮮と対峙しろ、とけしかけて自分はカールビンソンをインド洋でチンタラ遊ばせていた。
 姑息な安倍氏は北朝鮮の脅威をことさらに幇間マスメディアを使って煽り、森友学園や加計学園疑惑で窮地に陥っている政権基盤を回復すべく利用している。しかし安倍自公政権下で日本の危機が強まったのなら、安倍氏の外交戦略は失敗だったのではないだろうか。金独裁政権が軍事的脅威を煽って求心力を高めるのと、安倍氏が北朝鮮や中国の軍事的脅威を煽って求心力を高めるのと、まったく同じだと思うがいかがだろうか。

24- 安倍政権のモラル崩壊はどこまで進むのか

 安倍政権のモラルの崩壊は留まるところを知りません。普通であればとっくに倒れている筈なのに、いまなお持ちこたえているのは不思議なことです。
 現政権の惨状についてしんぶん赤旗がまとめました。
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安倍政権 相次ぐ暴言・問題行動 モラル崩壊どこまで
トップから内閣全体へ
しんぶん赤旗 2017年4月23日(日)
 安倍政権の閣僚らの暴言・問題行動が日替わりメニューのように相次いでいます。厳しく任命責任が問われる安倍晋三首相はまったく問題視せず、「(対応は)本人が決めること」(菅義偉官房長官)と、まるで人ごとのようです。「モラル崩壊がトップから引き起こされて、内閣全体に及んでいる」(日本共産党の志位和夫委員長)異常事態です。
 
 学校法人「森友学園」との関係をめぐる稲田朋美防衛相の虚偽答弁、金田勝年法相の「共謀罪」法案についての審議封じの文書の配布など、安倍政権下で閣僚の資質が問われる事態が噴出。今月に入ってからだけでも、今村雅弘復興相鶴保庸介沖縄北方相山本幸三地方創生相が、原発事故の自主避難者や沖縄県民、学芸員らを突き放し、侮蔑し、居直る暴言を繰り返してきました。政権を構成する大臣政務官も女性問題などで辞任しています。
 格安の国有地売却をめぐる「森友」疑惑で安倍首相夫人・昭恵氏の関与が濃厚になっているにもかかわらず、安倍首相をはじめ政府・与党は昭恵氏の説明や証人喚問を拒否し、疑惑隠しに躍起になっています。
 閣僚らの暴言は、政権トップの首相の姿勢や安倍政権の政策と深く結びついています。
 自主避難者に「自己責任」と言い放った今村復興相の暴言の背景には、政府と東京電力の責任逃れと原発再稼働推進があります。
 「学芸員はがん」という山本地方創生相の暴言の背景には、経済戦略優先で文化財保護の軽視の姿勢があり、閣僚個人の資質の問題だけでは済まされません。
 
国会運営も異常ずくめ
 閣僚らの暴言が相次ぐ安倍政権のモラル崩壊は、国会審議や運営にも表れています。
 
「森友学園」疑惑
 学校法人「森友学園」疑惑の真相究明はまったなしです。
 衆参両院の予算委員会で行われた同学園の籠池泰典理事長(当時)の証人喚問から23日で1カ月。国有地の格安での売却をめぐって安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与や、通常ではありえない財務省・国土交通省の手続き、小学校設置認可をめぐる国会・地方議員、大阪府の関与などの疑惑が浮上しました。
 ところが、安倍首相と与党は野党が求める昭恵氏ら関係者の証人喚問をかたくなに拒否。12日の衆院厚生労働委員会では驚く対応をとりました。野党議員が昭恵氏の公の場での説明を安倍首相に求めたところ、自民党は「議案と関係ない」と反発し、引き続き審議することになっていた介護保険等改悪法案を強行採決したのです。
 
 露骨な「森友」疑惑隠しでは、政府当局も同類です。野党の資料提出要求に“与党の許可がなければ出せない”と拒む事例が頻発しているのです。
 20日の参院国交委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員が「与党による事実上の検閲であり、国会審議の形骸化だ」と批判すると、大塚拓財務副大臣は「相当政治的な問題になっているから、与党の理事に相談するのは普通のことではないか」と与党による不当な資料の“検閲”を当然視する姿勢を示しています。
 
「共謀罪」法案審議
 異常な事態を引き起こしているのが、「共謀罪」法案審議の舞台となっている衆院法務委員会です。
 法案が審議入りした19日に続き、21日の委員会審議の冒頭でも、野党議員が要求していない法務省の林真琴刑事局長を政府参考人として出席させる議決を与党の多数で強行しました。「前代未聞」(国会職員)の事態です。
 1999年に改定された国会法と衆院規則では、政府への質問は原則として大臣、副大臣、政務官に行い、刑事局長など官僚が政府参考人として出席するのはあくまで例外。官僚の委員会出席は全会一致で認めるのが慣例となっており、いずれの点でも与党はルール破りを強行したのです。
 この姿勢にメディアも「質問者が法相を指名しているのに、法務省刑事局長が答える。局長の後、ほぼ同じ説明を法相が繰り返す――。見過ごせないのは、そんな金田氏をかばい、数の力で法案成立を図る与党の姿勢だ」(「朝日」22日付社説)と批判しています。
 
相次ぐ閣僚らの暴言、不祥事
 
山本幸三地方創生相 観光振興に関して「一番のがんは学芸員だ。この連中を一掃しないとだめ」(16日・滋賀県大津市での地方創生セミナー)
今村雅弘復興相 福島原発事故による自主避難者の帰還で「どうするかは本人の責任」「(不服なら)裁判でも何でもやればいい」(4日の記者会見)
稲田朋美防衛相 自ら森友学園の訴訟に出廷したことを示す資料が判明しても「まったくの虚偽だ」(3月13日の参院予算委員会)と虚偽答弁。その後、撤回
金田勝年法相 「共謀罪」法案について「国会提出後に議論すべきだ」と質問封じの文書を配布(2月6日)。法案審議に入ると法務省刑事局長の答弁を繰り返す
鶴保庸介沖縄北方相 辺野古新基地建設に反対する沖縄県の動きを「ポジショントーク(自身に都合のよい発言)をするような向きも、ないではない」(11日の記者会見)と侮蔑
中川俊直前経産政務官 週刊誌で女性問題が報じられ辞任し、自民党離党(21日)。自身のフェイスブックに「不徳の致すところ」と投稿するも、公の場での説明はなし
務台俊介前内閣府政務官 台風被害視察の際に水たまりで職員におんぶさせた問題に絡めて「長靴業界はもうかった」(3月8日の自身の政治資金パーティー)。その後辞任

2017年4月23日日曜日

「週刊女性」が「共謀罪」を10ページにわたり大特集!

 『週刊女性』は昨年7月 『戦争法案とニッポンの行方――あなたの子どもがアメリカのために殺し、殺される国になる! という10ページの大特集をだして戦争法案を批判しましたが、今度は4月25日号で、共謀罪がやって来る!─ 監視社会ニッポンの行方 と題し10ページにわたる大特集を組みました。TVをはじめ他のメディアが「共謀罪」の問題点をロクに取り上げない中で、実に時宜を得た対応です。
 
 共謀罪がもしも成立すれば戦前の治安維持法と同じ威力を発揮するので、市民の民主的活動や抗議行動などが弾圧されることになります。
 安倍首相と金田法相は盛んに「一般の市民」は取り締まりの対象にならないと言って、国民を安心させようとしていますが、そのうらで犯罪を意図すればもはや「一般の市民」ではないとも言っています。いうまでもなく市民が犯罪を意図しているかどうかは、市民を監視し逮捕して取調べをしないことには分かりません。しかもそれは市民の内心に捜査の形で踏み込むものなので、憲法が保障している思想・信条の自由を真っ向から否定するものです。
 
 『共謀罪』が市民の取り締まりを前提にしたものであるのは自明のことで、それを「一般の市民は取り締まりの対象にならない」などというのは「循環論法」の矛盾です。「息をするようにウソを吐く」という安倍首相に相応しい大ウソです。首相は単に「政権に従順につき従う人々に対しては官憲は何もしません」と言っているに過ぎません。それは当たり前のことで、かのヒトラーでもそういう人たちにまでは毒牙を向けませんでした。
 
 安倍首相と金田法相がそんなウソを平然と吐くので、自民党が勝手に呼んだ刑事局長までがそれに同調せざるを得なくなっています。いまや国会はタヌキやムジナのレベルにまで低下しました。
 安倍首相はどれだけ国会の品位を貶めれば気が済むのでしょうか。
 
 LITERAと日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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「週刊女性」が「共謀罪」10P大特集!
「テロリストには役立たず、戦争反対運動つぶしに役立つ」と徹底批判
LITERA 2017年4月22日
「共謀罪」をめぐり安倍政権が行う国民を愚弄した答弁
「共謀罪」法案が国会で審議入りし、議論が紛糾している。
 国民の思想と言論に関する自由を著しく侵害するおそれのあることから「平成の治安維持法」とも称せられる「共謀罪」。国民からの反対の声も大きく、野党も審議の場できちんとした説明を求めているが、例のごとく政権与党はまともに対話に応じようともせず、国民にきちんと説明する気があるとは到底思えないお粗末な議論が続いている。安倍政権は今回もまた数の暴力を振りかざしてお得意の強行採決にもちこむつもりなのだろう。
 
 この法案が必要な根拠として盛んに喧伝している「テロ対策」という名目はすでに詭弁以外なにものでもないことが明らかになっている。先日本サイトでも報じたように、今回の「共謀罪」の取りまとめ役となっている自民党法務部会長・古川俊治参院議員も、20日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)での玉川徹氏とのやり取りのなかで「テロなんて言ってませんよ、この法律だって」、「それはいろんな意味でですよ、テロだけじゃないですね」と明言。「テロ等準備罪」などというネーミングが嘘っぱちであると、自ら白状していた。
 
 しかし、こんなでたらめな状況にも関わらずメディアの動きは例によって鈍い。とくにテレビは一部の番組をのぞいてこの問題を深掘りしようとはせず、19日衆院法務委での、「『そもそも』という言葉の意味を辞書で引いてみた」という安倍首相の国民を舐めきった態度の答弁はもちろん、共謀罪成立によって国民の生活がどれだけ変化を余儀なくされるかという本質的な話もきちんと取り上げようとしない
 そんななか、数は少ないながら勇気ある報道を行っているメディアもある。そのひとつが雑誌「週刊女性」(主婦と生活社)だ。「週刊女性」は、2017年4月25日号で、「共謀罪がやって来る!──監視社会ニッポンの行方」と題し、なんと10ページにもわたる大特集を組んだ。この特集では、「共謀罪」の対象はテロ組織などではなく私たち一般市民であり、この法律によって自由な市民生活がどれだけ破壊されるかということについて踏み込んでいる。
 
「共謀罪」はテロ対策ではなく、「戦争反対」などの声をつぶすための法律
 特集はまず、実際に犯してもいない罪について罰せられる「共謀罪」はそもそも刑事法の基本原則を覆すものであると警鐘を鳴らす。九州大学の内田博文名誉教授は記事のなかでこのようにコメントしている。
「何が犯罪で、どういう刑罰を科すかあらかじめ法律で決めておき、社会に有害な結果が発生したことだけを犯罪とする刑法の基本原則に反しています。しかも、行為ではなく思想や信条、あるいは、どういう集団に属しているかで処罰が事実上、決まってしまう。人権侵害で、その意味では違憲と言っていい」
 
 また、政権は「共謀罪」が必要な理由として、東京五輪などに向けた「テロ対策」としているが、ハイジャックなどのテロ対策は現行法で十分対応できるものであり、そのために「共謀罪」は必要ない。では、なぜ政権は強引に「共謀罪」を成立させようとしているのか? 前出の内田名誉教授は、「共謀罪」の真の目的を「戦争反対を含めた運動つぶし」と断じたうえで、このようにコメントしている。
「テロリストに対しては役に立たないんだけど、おかしいじゃないかと声を上げる人たちを押さえつけるには、非常に有効な法律になっている」
 
 金田勝年法相自ら2月の衆院予算委員会での答弁で「団体の性格が変わったときには組織的犯罪集団になり得る」と言い、一般市民でも「共謀罪」の対象となることを示唆しているが、これこそが「共謀罪」という法律の核である。「テロ対策」など単なるお題目。政権にたてつく人間を押さえ込むのが目的なのだ。
「共謀罪」成立後に起こり得る出来事として、「自衛隊の海外派遣反対」、「脱原発」、「沖縄の米軍基地建設反対」といった、与党の政策とは逆の主張をする市民の行動に対し制限がかかる可能性については巷間言われているが、場合によってはもっと身近なケースにも「共謀罪」は適応される可能性がある。記事のなかで日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士は、このような例を指摘する。
「例えば、マンションの管理組合。隣に新たなマンションが建つとします。日照権を侵害するから建設反対のために資材搬入を阻止する座り込みをしようと話し合う。それが組織的威力妨害罪の共謀になる可能性があります。普通の団体でも活動内容も目的も変わったと警察に判断されれば、該当するおそれがある」
 
 仮に「共謀罪」が成立したとして、どういった運用をされていくのかは未知数だ。なぜなら、この「共謀罪」は公権力による恣意的な運用がなされる危険性を多分にはらんでおり、それが「平成の治安維持法」と呼ばれる所以でもある。記事のなかで、日弁連共謀罪法案対策本部副本部長の海渡雄一弁護士はこのように指摘している。
「捜査当局のさじ加減ひとつ。どうにでも勝手に解釈できます。まず逮捕して、ガンガン取り調べをして自白させればいい。あるいは電話やメールを盗聴して証拠を押さえるとか」
 このまま「共謀罪」が成立すれば、特高警察による理不尽な逮捕と苛烈な拷問の横行した治安維持法の時代が再びやって来る可能性は高いと言わざるを得ない
 
内田樹も「共謀罪」特集を受け「週刊女性」にエール
 この「週刊女性」の特集は、政権に都合の悪いことをとにかく報じたがらないワイドショーでは見て見なかったことにされる「共謀罪」の真の姿を果敢に攻め立てた勇気ある記事だったわけだが、「週刊女性」が政権の横暴な振る舞いに釘を刺したのは今回が初めてではない。
 安保法制が国民的な議論になっていた時期に出版された15年7月14日号では、「「戦争法案」とニッポンの行方――あなたの子どもがアメリカのために殺し、殺される国になる!」という10ページもの大特集を組んでいる。
 記事は何人もの専門家、紛争地で活動するNPO関係者や政治家を取材、インタビューした、かなり踏み込んだ内容で、安倍政権の対米従属姿勢を真正面から突くものとなっていた。
 
「日本が攻撃されてもいないのに、政府判断で、世界じゅうで自衛隊の武力行使を可能にする法案は憲法違反」(飯島滋茂・名古屋学院大学教授)
「自衛隊を限りなく軍隊に近づける。それが安倍首相の狙いです」「はっきり言えば、米軍のお手伝いが可能になるというわけです」(半田滋・東京新聞論説兼編集委員)
 さらに注目なのが、「安保法制の先」にある徴兵制について、かなり具体的な論拠をあげ、警告を発していたことだ。なかでも、憲法問題に詳しい伊藤真弁護士は、自民党が発表した憲法改正案は「国民主権でない」、「国民に国防義務を課す、軍隊を創立する」ものとした上で、徴兵制のために政府がやるであろう姑息な方法まで予測していた。
「リーダーシップを育むトレーニングとか、訓練ができるサマーキャンプとか、そんなネーミングで人を集める実質的徴兵制のような形をとるでしょうね」
 
 この直後、「女性自身」(光文社)15年11月10日号のインタビューを受けた稲田朋美自民党政調会長(当時)は、「徴兵制というのは、まったく憲法に違反していると思いますし、徴兵制で集めて国を守るというのもナンセンスだと思う」としながらも、「でも、たとえば自衛隊に一時期、体験入学するとか、農業とか、そういう体験をすることはすごく重要だと思います」と発言。「週刊女性」の指摘はまさに正鵠を射るものだった。
 
 今月11日、神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏は、「週刊女性」の「共謀罪」特集を受けてこのようにツイートしている。
『週刊女性』はがんばってます。『週刊プレイボーイ』と『通販生活』も。いずれも安定した読者に支えられているので、大手企業の広告出稿がなくてもやっていける媒体です。広告代理店というものがいかに日本のメディアの世論形成に深く関与しているか窺い知れます。〉
 日本史の教科書に載っている治安維持法の項を読めばわかる通り、もしも「共謀罪」が成立してしまえば、いよいよ、安倍晋三“独裁”政権が完成されることになる。一度「共謀罪」が通ってしまったら国民の言論の自由は跡形もなく破壊される。だから、この法案が成立してしまう前に「反対」の声をあげることが求められているのだ。 (編集部)
 
 
安倍政権が法務委で次々“本音” 共謀罪の正体が見えてきた
日刊ゲンダイ 2017年4月22日
 やっぱり、そういうことか――。21日、「共謀罪法案」を審議した衆院法務委員会。安倍政権の“ホンネ”が次々とあらわになった。
 これまで安倍首相や金田勝年法相は「一般の人は対象にならない」と強調してきた。ところが、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が処罰の対象にならないことはないが、ボリュームは大変限られている」と言ってのけたのだ。
 副大臣の事務的なドサクサ答弁だったが、これまでの説明を百八十度転換する答弁である。大臣と副大臣の“食い違い”を指摘された金田大臣は反論不能。副大臣がホンネを口にしたことに、金田大臣は“あーあ”という困惑した表情だった。
 
 それだけではなかった。安倍政権の本音が出たシーンがもう一つあった。質問者が民進党の階猛議員から枝野幸男議員に交代した時のこと。政府の答弁があまりにヒドイので、委員長の許可を取った上で、2人が少々相談をした。それを見ていた自民党の土屋正忠理事が大声でこう叫んだ。
「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」
 野党議員2人が話し合っただけで、「共謀罪」に抵触するとドーカツした格好だ。怒った階が、「どういうことだ」と土屋氏の肩に触れると、自民議員が「手を出すな」「暴力だ」と大騒ぎ。ほとんどチンピラと変わらなかった。
 それにしても、2人が集まって話しただけで「共謀罪だ」とは、この法案の実態を表したものなのではないか。
 民進党の逢坂誠二理事はこう言う。
人が集まって、何かを相談しただけで、テロ等準備罪のイメージを抱いている人がいるということです。恐ろしいことです。与党の本音が出たということでしょう」
 安倍政権は一般人も「共謀罪」を適用すると認めている。絶対に阻止しないとダメだ。