2017年3月31日金曜日

31- 核兵器禁止条約「国連会議」2日目 熱気に満ち討論

 核兵器禁止条約の国連会議」は282日目の討議で、各国代表、NGO代表が相次いで演説被爆者を代表して、カナダ在住のサーロー節子さん日本原水協の土田弥生事務局次長が発言しました。
 志位和夫共産党委員長は、イギリス核軍縮運動主催のイベントや「国連会議」参加国主催のレセプションに出席したほか、27日にはニューヨークで記者会見を開き、日本政府代表が “核保有国が参加していないもとで核兵器禁止条約をつくることは、核保有国と非核保有国の溝を広げ分断を広げる” 張したことについて問われたのに対して要旨次にように答えました。
 
 歴史的にみると2000年には「自国核兵器の完全廃絶を達成するというすべての核保有国の明確な約束」を、また2010年には「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう」ことを、それぞれ核不拡散条約再検討会議で全会一致で決定していた。
 その後この決定を破っ深刻な分断をつくったのは核兵器保有国の側だったいま行われている会議はこういう状況を前向きに打開しようとするものだ。
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核兵器禁止条約「国連会議」2日目 熱気に満ちた討論
しんぶん赤旗 2017年3月30日
 【ニューヨーク=遠藤誠二】「核兵器禁止条約の国連会議」は28日、2日目の討議に入り、各国代表、NGO(非政府組織)代表が、核兵器禁止条約実現のための第一歩を踏み出そうと相次いで演説しました。
 会議は、一人ひとりの発言者の主張に参加者が真剣に聞き入り、熱気にみちた討論が続きました。被爆者を代表して、カナダ在住のサーロー節子さん(85)が演説し、会議に参加しない日本政府を厳しく批判。日本から原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の土田弥生事務局次長が発言しました。日本共産党の志位和夫委員長は、各国代表と精力的に懇談するとともに、イギリス核軍縮運動(CND)主催のイベントや、「国連会議」参加国主催のレセプションに出席し、意見交換しました。
 
 
“核保有国が反対することは何もするな”という追随と従属の議論
―日本政府の核兵器禁止条約反対論について
ニューヨーク 志位委員長が会見
しんぶん赤旗 2017年3月30日
 「核兵器禁止条約の国連会議」参加のためニューヨークを訪問している日本共産党の志位和夫委員長は27日、同市内で記者会見し、同日、日本政府代表が「国連会議」で発言した “核保有国が参加していないもとで核兵器禁止条約をつくることは、核保有国と非核保有国の溝を広げる、分断を広げる” という主張について問われ、以下の通り答えました。(ニューヨーク=遠藤誠二)
 
 今回の「国連会議」は、この会議の開催を決定した国連総会決議にもあるように、すべての加盟国に参加を要請しており、すべての加盟国に開かれています。オープンかつインクルーシブ(包括的)の精神で運営されていることを実感します。
 分断ということでいいますと、私は逆だと思います。歴史的にみると2000年のNPT(核不拡散条約)再検討会議の際に、「自国核兵器の完全廃絶を達成するというすべての核保有国の明確な約束」を確認しています。これは全会一致で決めたものでした。さらに、2010年のNPT再検討会議では、「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう」ことを確認しています。「必要な枠組み」とは、明示こそしていないものの、事実上は核兵器禁止条約のことです。これも全会一致で決めたものです。そういうところまで、NPTの枠組みのなかで到達したのです。全世界がここまで到達し、一致して確認したのです。
 
 ところが、その後、この誓約を破ったのが、核兵器保有国の側でした。分断といいますが、まさに深刻な分断をつくったのは、核兵器保有国の側なのです。さらに、今やアメリカのトランプ政権などは、「核兵器のない世界」という目標を公然と投げ捨て、核兵器の増強までいいだしています。誓約を破るだけでなく、まったく逆の方向に進みだしているのが現状です。
 今回、この「国連会議」の開催に国際社会が踏み切った理由は、今日の会議でもたくさんの国の代表が言いましたが、多国間の核軍縮交渉が行き詰まってしまっている、核保有国の態度によって行き詰まっている、こういう状況を前向きに打開しようということにあります。核兵器禁止条約の締結に踏み出し、核保有国にも参加を促していく。そういう歴史的な一歩を踏み出そうというのが、この「国連会議」にほかなりません。
 分断をつくったのは核保有大国と、それに追随する一部同盟国です。“核保有国が参加しないもとで核兵器禁止条約をつくることは、分断をつくる”という反対論は、つまるところ、“核保有国が反対することは何もするな”という、追随と従属の議論にほかなりません。唯一の戦争被爆国の政府が唱えるべき議論ではありません。