2017年3月19日日曜日

19- 加計学園獣医学部新設 今治市巨額の財政負担

 第二の森友学園事件といわれている安倍首相の親友が経営する加計学園の獣医学部新設問題でも、いろいろな問題が浮かびつつあります。
 加計学園側は万事スムーズに進むという見込みのもとに獣医学部の新設に向けてことを進めていますが、市と同様に約32億円の施設整備費の負担を求められている愛媛県は6月議会で審議する予定になっていて、正式には未定の物件です。
 加計学園は今治市から贈与された土地を担保に学園の運営費を借りるということで、願ってもない便宜を供与されました。
 その一方で今治市は実質公債費比率が128%と県20市町中で最高の水準です。市民は今後の財政負担を懸念していて、一部市民は住民訴訟を模索しているということです。
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生徒集まらなければ全部パー 巨額の財政負担に怯える市民
日刊ゲンダイ 2017年3月18日
「学生は本当に集まるのか」「建物がいずれ廃虚になるのではないか」――。安倍首相の“お友達”が運営する岡山市の学校法人「加計学園」の獣医学部用地として、およそ36億円相当の市有地16.8ヘクタールをタダで差し出す今治市。学校新設に対し、市民が最も懸念しているのが財政負担だ。
 
 2005年に12市町村が合併して誕生した同市の財政基盤は安定的に推移してきたものの、近年はごみ処理施設の新設や、今年9~10月に開催される愛媛国体の施設整備――といった建設事業が増加。将来の市債償還額の増大が予想されている。15年度決算の、実質公債費比率(収入に占める実質的な借金の割合)は128%。県内20市町の中で最も高い水準だ。
「市は合併特例債を見込んで箱モノ事業を進めてきただけに、今後、借金返済が財政に影響を与えるのは確実。さらに市の予測だと、現在ある公共施設をそのまま更新すると、年間101億円の財源不足になるという。そんな非常時に市有地をタダで渡し、さらに64億円を限度額に施設整備費も負担する。タダで得た土地を『加計学園』は担保に運営費を借りるというから驚きですよ。学校が潰れたら、すべてがパーです」(今治市議)
 
 市と同様に約32億円の施設整備費の負担を求められている愛媛県は、6月議会で可否が審議される見通し。県議のひとりは「『加計ありき』で事業が既成事実化していることに違和感を覚える。議会でしっかり追及したい」。一部市民からは、住民訴訟を模索する動きも浮上してきた“第2の森友問題”に注目が集まっている。