2017年1月26日木曜日

大統領就任演説を全く理解しない日本の首脳陣が・・・

 安倍首相は24日の参院本会議で、トランプ米大統領がTPPからの「永久離脱」を明記した大統領令に署名したことを巡り、2月上旬で調整している日米首脳会談でトランプ氏に翻意を促すよう説得に努めると述べました。
 政府は今後、米側の動きを注視しながら、対応を検討していくということです。
 首相は「TPPが持つ戦略的、経済的意義について理解を求めていきたい」と言いますが、そんなことはトランプ氏は百も承知で、それは「1%」の大企業の利益になるだけで米国民全体をより貧しく惨めにするものであるとして、TPP交渉から永久離脱することにした訳です。それだけでなく、既に米・加・メキシコの3国で締結している北米自由貿易協定(NAFTA) からも離脱すると伝えられています。
 
 トランプ氏のそうした考えは先の大統領就任演説で明確に述べられています。
※ 1月23日 トランプ大統領就任演説全文(日本語訳)
 
 日本のメディア(とその影響を受けている多くの人たち)は米国に倣ってこの就任演説を貶めることに努めていますが、本当はもう一度虚心坦懐に読み直してみる必要があるのではないでしょうか。
 そこではこう述べられています。
 
『・・・単なる政権交代ではなく、ワシントンD.C.から国民である皆さんへ、政権を取り戻します
 ・・・あまりにも長い間、ワシントンにいる一部の人たちだけが、政府から利益や恩恵を受けてきました・・・ワシントンは繁栄しましたが、国民はその富を共有できませんでした。・・・職は失われ、工場は閉鎖されました。権力層は・・・アメリカ市民を守りませんでした。・・・アメリカ全土で苦しんでいる家族への祝福は、ほとんどありませんでした。・・・本当に大切なことは、どの党が政権を握るかということではなく、政府が国民により統治されることです。・・・
今まで世界が見たことのない動きが起きています。この動向の中心にあるのは、とても強い信念です。それは、国は国民に奉仕するために存在しているということです。・・・こうしたアメリカの殺戮は、今ここで終わります。今、ここでです。
 
 要するにこれまで行われた大資本家中心の政治は『アメリカを殺戮するものであった』として、『政治は国民のために行われるべきであって、大資本家のために行われるべきではない』ということを、極めて明確に且つ率直に述べています。その明快さはどこかの首相のような、美辞麗句と過度の修飾語に満ちているものの中身はデタラメの演説とは大違いです。
 誤解を恐れずに言えば、この演説はかつての『共産党宣言』にも匹敵するもので、『国民が主人公』であることを高らかに宣言しています。
 
 それが体制側から目の敵にされるのは極めて当然のことですが、一般の多くの人たちまでがそれに同調するのは率直に言って不可解です。資本家中心の政治が長く続く中で、国民中心の政治に違和感を持つように洗脳されているのだとしたら、余りにも不幸なことです
 
 それと同じ様にトランプ氏の志の高さを全く理解できない安倍首相、高村副総裁、菅幹事長やその他の有象無象が束になってトランプ氏に仕掛かったとしても、かつてロバにまたがって風車に飛びかかったドンキホーティの二の舞になるのは明らかです。彼我の志の違いをまるで認識できないでいるのですから当然のことで、お粗末な話です。
 外務省を通じて ”やいの やいの” と頼み込んで無理やりアポイントを取った挙句にそんなことを進言しに行くとは・・・(絶句)、衆人環視の中で『国辱騒ぎ』を演じることになるのは必定です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菅長官、トランプ氏にTPP「腰を据えて説明」
読売新聞 / 2017年1月24日
 菅官房長官は24日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱について、「トランプ米大統領も自由貿易の重要性は十分認識していると思う。日本政府は腰を据えて、しっかりと説明していきたい」と強調した。
 日米首脳会談に関しては、「できるだけ早く行いたい。(会談では)日米同盟が日本にとって安全保障・外交の基軸であり、きちっとした形で確認したい」と述べた。
 
 
TPP巡り「トランプ氏に腰を据え理解求める」安倍首相まだ言ってるよ(笑)
まるこ姫の独り言 2017-01-24
まったく、バッカじゃなかろうか。。。
人が良いにもほどがある、安倍首相ごときの説得でトランプが大統領令をまた元に戻すとは思えない。。
 
「トランプ氏に腰を据え理解求める」 首相、TPP巡り
              朝日新聞デジタル 1/24(火) 11:38配信
トランプ米大統領が(TPP)から離脱するための大統領令に署名したことに関し、安倍晋三首相は24日午前の参院本会議で、「トランプ大統領は、自由で公正な貿易の重要性は認識していると考えており、TPP協定が持つ戦略的、経済的意義についても腰を据えて理解を求めていきたい」と述べた。
 
安倍首相、一回ぐらいの面会でトランプ大統領の何が分かったのか。。。
まだ民間人だった相手とたった一回会っただけで、その人間の中身なり、本質なりが分かるとも思えないが、そういえば初回の面会時に、”2人で本当にゆっくりと、じっくりと、胸襟を開いて率直な話ができた。信頼できる指導者であると確信した”と見事に相手を信じていたが。
人と人、国と国との信頼関係って、そんなに簡単に築けるものなんだろうか。。。。。
 
大体が、TPPは自民党がTPP反対を公約に掲げて選挙に勝ち全国の農業関係者もその変節には激怒している事から考えても、安倍首相の尊敬する?米国がTPP離脱と言っているのだったらもっけの幸いで日本も一抜けたという選択肢はないのか
 
そもそもの趣旨に反している。
TPPは当初は米国からのごり押しで始まり、自民党だって選挙前はTPP断固反対と公約に掲げ選挙に勝ったのに、いつの間にか積極的にTPPを推進して、米国より意志強固になってしまっている。
何この展開は。。。。。。
 
なぜここまで意固地になって推進するのだろう。
親分が離脱と言っているのに、子分は推進。
大統領令にハンコを押したトランプに対して、腰を据えて理解を求めて行きたい?
これ、内政干渉じゃないのか。
子分が言ったって聞く耳持たない、ましてやトランプが安倍首相の話を聞くとは思えない。
安倍首相は、談判したら聞くとでも思っているのだろうか。
ポチがワンワン吠えたって、吠え損というものだ。
 
 
トランプのTPP永久離脱が与野党に与えた衝撃
天木直人 2017年1月25日
 トランプ大統領が、とうとうTPPから永久に離脱する大統領令に署名した。
 それをテレビの前で高らかに誇示して世界に宣言したトランプは、まさしくトランプそのものだ。
 オバマケアの見直しとともに、オバマのアメリカを全否定したのだ。
 しかし、衝撃はオバマの否定だけではない。
 トランプは世界に見事に証明した。政権が変われば、多国間条約でさえもあっさり捨て去る事が出来るのだと。多国間条約でさえそうであるから、二国間協定を否定する事など朝飯前だ。
 
 そこで想起されるのが、政権が代わっても日米同盟は不変だと言い続ける日本だ。こんな嘘はない。
 そして、私はその批判を対米従属の自民党だけに向けているのではない。野党第一党の民進党はもとより、共産党ですら日米同盟反対を封印した。
 なぜか。世論がそう考えるからだ。しかし、政治は世論に迎合するだけではいけない。世論を正しく引っ張っていく使命を持たなくてはいけない。
 トランプはそれを示した。残念ながらその方向は間違っているから私はトランプを認めない。そしてトランプの打ち出す政策は次々と世界を混乱させるに違いない。
 
 いまこそ日本の政治はトランプに学び、トランプを乗越えなけれいけない。賛否両論の世論を正しい方向に導き、日本を正しい方向に向かわせなければいけないのだ。
 日本の政治にそれが出来れば日本は危機を乗り越えられる。トランプの出現を千載一遇のチャンスに変えられる。
 残念ながら、いまの与野党の政治家にはそれを期待することは出来ない。トランプに右往左往だ。
 ただの一人も、トランプを逆手にとって日本を優位に立たせようとするものがいない。その象徴的な例が、トランプのTPP離脱に対する対応だ。
 
 安倍首相はトランプが永久離脱の大統領令に署名した後も、まだTPPに未練たらたらだ。米国抜きのTPPはあり得ないと言っている。ここまでくればもはやご愛嬌だ。どこまでも中国包囲網なのである。
 それがいかに間違っているかは、私があらためて言うまでもない。
 しかし、私がここで強調したいのはむしろ野党の対応だ。野党は打倒安倍の最大のテーマとしてTPP反対を唱えて来た。
 ところが野党の反対の最大の理由は、農水産物の保護である。TPPの本当の危険性は、そのような貿易面ではない。アジアの経済的支配を中国にさせない、中国にルールを書かせない、そのかわり米国流でアジア市場を支配するというのである。
 日本との関係ではあらゆる分野での米国企業の日本乗っ取りだ。私企業が国家を訴えるなどという条項が盛り込まれていることなどはその典型だ。
 ところが、日本の政治における与野党の攻防はもっぱら農水産業の保護だった。なぜか。
 それは選挙の票に直結するからだ。その意味では、自民党も野党も同じなのだ。
 
 そしてとうとうTPPが永久凍結になった。もはや与野党の攻防のテーマはなくなった。もし日本の与野党が、保護主義を否定し、自由貿易を謳うなら、与党も野党も、いまこそあらたな自由貿易協定を追求すべき時だ。
 いや、世界貿易機構(WTO)の原点に立ち戻るべきだ。
 しかし、安倍首相は中国を敵視するあまりそれが出来ない。野党は農業票欲しさに農産物自由化に踏み切れない。TPPだけではなく、あらゆる自由貿易交渉においても農水産業の保護に回る。
 だから対案がない。
 それをごまかすために安倍政権のTPP交渉の失敗を批判するしかないのだ。つまりトランプのTPP永久離脱は、見事に日本のTPP政局のいかさまぶりを露呈したのである。
 
 そして、この日本の政治の矛盾は、最後は日米同盟の是非論に行き着く。日米同盟の是非についてまともな論争が国会で起きないようでは、日本はトランプに振り回されるだけで終わる。
 
 トランプの米国が誕生しても対米従属が続くようでは日本の政治に未来はなく、それはそのまま日本に未来はないということである。もったいないことである(了)