2017年1月3日火曜日

03- 反グローバリズム&反情報操作が日本を変える(植草一秀氏)

 アメリカ大統領選で反体制側のトランプ氏が勝利したことは体制側に大ショックだったようで、彼らはなんと「ロシアが大統領選に干渉したために親ロシア派のトランプが勝利した」と言い出して、29日に突如ロシア外交官35人と家族に対して国外退去を命じました。
 CIAがロシア干渉の証拠を掴んだと米の体制側は大真面目に述べていますが、そうであるならばまずそれを説明すべきでしょう。それができないのであれば、トランプ大統領の時に米露の雪解けが行われるのを妨害するためにオバマ氏が行った策謀と見るべきでしょう。
 
 普通であればロシアも直ちに報復の外交官追放を行って米露間が険悪になる筈だったのですが、ロシアのプーチン大統領は30日、米国に対抗して米外交官を国外追放するつもりはないと表明し、トランプ氏の大統領就任後に米政府との関係修復を試みる意向を示しました。
 それに応えてトランプ氏も、「プーチン氏の報復見送りは素晴らしい判断だ。非常に賢い人だということは常々知っていた」と絶賛するツイートを発表しています。
 プーチン氏の冷静な対応によってオバマ氏の作戦は空振りに終わりそうです。
 
 そもそも米の体制側がヒラリー有利の大宣伝を行っているなかでトランプ氏が当選を勝ち取ったのは、米国民の中に多国籍企業本位の北米自由貿易協定などに対する不満が高まっていたことと、国民が体制側の報道・宣伝に対して疑いの念を持っていたこととが相俟った結果であると言われています。
 
 植草一秀氏が、「反グローバリズム&反情報操作(=メディア・リテラシー)が日本を変える」とするブログを発表しました。日本でも、メディアの情報操作を看破し、反グローバリズムの旋風を巻き起こさねばならないと述べています。
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反グローバリズム&反情報操作が日本を変える
植草一秀の「知られざる真実」 2017年1月 1日
謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年がみなさまにとりまして輝かしい一年になりますことをお祈り申し上げます。本ブログ、ならびにメルマガのご高読を謹んでお願い申し上げます。
 
丁酉(テイカのトリ)の2017年が明けました。
日々精進、工夫を凝らし、これまでの活動にひとつの成果を打ち立てるべき年の到来です。
危うい方向に突き進む日本政治の潮流を転換させるために、有用な情報を発信するとともに、みなさまと力を合わせて日本の改新に取り組んでまいる所存です。
引き続きご支援賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 
2017年の主要日程を押さえておこう。
1月20日 トランプ米大統領就任
1月20日or23日 日本通常国会召集
3月5日    自民党大会
4月23日 フランス大統領選挙第1回投票
5月27日  イタリアG7サミット(シチリア)
7月7日    ドイツ・ハンブルグG20サミット
7月?     東京都議会議員選挙
9月       ドイツ連邦議会選挙
秋        中国共産党第19回党代表大会
11月     APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議 (ベトナム・ダナン)
 
2017年は国内問題に焦点が当たる可能性が高い。
安倍政権は衆院解散のタイミングを計るが、外交での失敗が連続して、1月解散、2月総選挙のシナリオが崩れている。
安倍首相はロシア、米国、韓国、フィリピン、インドなどとの関係を強化して対中国包囲網を形成しようとしたが、この目論見は完全に崩壊した。
安倍首相が描いた外交戦略は 米国が主導するTPPへの参加、 日韓関係の改善、 日比関係を強化して対中国共闘を実現、 日ロ平和条約締結の道筋確立 であった。
 
しかし、現実には、米大統領選でクリントン支持のフライングを犯し、トランプ当選で土下座外交を展開。
トランプ新大統領にはTPP離脱を宣言される。
韓国朴槿恵大統領の失脚で従軍慰安婦問題の解決が大きく遠ざかった。
フィリピンのドゥテルテ大統領は南沙諸島問題で中国との対立を避ける姿勢を鮮明に示した。
12月15日山口での日ロ首脳会談では、北方領土問題が完全に振り出しに戻る事態が表面化。
領土問題は前進どころか大幅後退の現実が鮮明になった。
中国包囲網どころか日本包囲網が形成されていると表現する方が適切である。
 
1月衆院解散の大義名分もなくなってしまった。
衆院任期は2018年12月で、総選挙時期が2018年にずれ込むと、解散時期を選べぬ「追い込まれ解散」になる。
2009年は麻生太郎政権が追い込まれ解散で惨敗。政権を失った経緯がある。
5年目を迎える安倍政権を取り巻く情勢は完全に逆風に変化している。
2016年に顕在化した新しい潮流は、「反グローバリズムの旋風」そして「メディアリテラシーの向上」
である。
強欲大資本は、メディアによる情報誘導によって、グローバリズムを浸透させてきたが、市民がその策謀に気付き始めた。「メディアの情報誘導を打破する」現象が観察され始めている。
日本でも、メディアの情報操作を看破し、反グローバリズムの旋風を巻き起こさねばならない。
日々精進を重ねて、これまでの運動、活動に大きな決着をつけるべき年が到来した。
大いなる成果を生み出すことができるはずだ。
 
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