2017年5月28日日曜日

森友・加計学園問題に見る安倍政権の狂暴な本質

 安倍首相が行政の公正・公平さを一切顧慮せずに政治を私物化した結果がいま問題となっている森友学園・加計学園疑惑のわけですが、五十嵐仁氏は、そこから見えてくるものは安倍政権の狂暴な=政権に楯突くものは決して許さずに社会から葬り去ろうとする=本質であるとして、もしも共謀罪が成立すればれが当たり前の世の中になり、普通の市民の日常的な行動を秘かに監視し、権力者に不都合なことが生じた場合、一斉に牙をむいて暴露し罪に陥れる惧れがあると述べています。
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権力者の横暴に手を貸すのか、それと戦う人々の側に立つのかが問われている
五十嵐仁の転成仁語 2017年5月27日 
 相変わらずしらを切り続けるつもりなのでしょうか。加計学園疑惑に絡んで明らかにされた「総理のご意向」と書かれた文書について、「怪文書」だと言い続けている菅官房長官のことです。
 テレビに映っている菅さんの無表情な顔を見ていると、言いたくなります。あなたの方こそ「怪人物」じゃないのかと。
 
 この内部文書について、当事者であった文科省の前川前事務次官が記者会見を開き、「文書は確実に存在していた」と改めて明言しました。「怪文書」ではなく、本物だったのです。
 それでも否定するしかないと、菅官房長官は覚悟を決めているようです。それしか、安倍首相を守る手立てがないからでしょう。
 内部の調査をした松野文科相は確認できなかったと言い、前川さんが証言した後でも再調査はしないそうです。初めから「なかった」ことを証明するための調査ですから、またやって本当に見つかったりしたら困ると思っているからでしょう。
 
 それにしても恐ろしい時代になったものです。権力者に楯突いたらどうなるのか、そのための見せしめとして森友学園問題では「籠池叩き」、加計学園問題では「前川叩き」が、一部のマスメディアも動員して、これでもかこれでもかと繰り返されています。
 今、私たちが目にしているのは「安倍一強」のもとで権力者がどれほど暴走するのかという姿であり、たとえ味方や身内であった人でも、いったん楯突く姿勢を示せば「敵」になり、徹底的に攻撃されるという実例です。忖度や懐柔、恫喝などが駆使され、政治が私物化され歪められている姿をしっかりと目に焼き付けなければなりません。
 他方で、疑惑の当事者である安倍首相もその夫人の昭恵さんも、黙して語らずのままです。国会という議論の場があるのに、そこから逃げ続けて知らんぷりを決め込んでいるという異常さです。
 
 森友学園問題では、籠池さんを証人喚問に呼んで偽証罪で監獄にぶち込もうとしました。加計学園問題では、かつて秘かに調査していた前川さんの素行を暴露して社会的に抹殺しようとしています
 前者では、瑞穂の国記念小学校建設の背後で画策していた昭恵さんを守るためであり、後者では、岡山理科大獣医学部の新設をめざす友人を後押しして行政を歪めた安倍首相を守るためです。この二人が政治を私物化し、行政の公正・公平を損ねてきたのではないかとの疑惑は増すばかりです。
 この疑惑を封じるために関係者は真実を隠蔽し、情報を隠して嘘をつくことを強いられています。本当のことを話せばどれほどひどい目にあうか、籠池さんと前川さんの実例が示しているからです。
 
 それにしても前川さんは気の毒です。本当のことを話さなければ、出会い系バーに行っていたことなど明らかにならず、「地位に恋々としがみついていた」と菅さんに侮辱されることもなかったでしょう。
 読売新聞の記者も可哀そうです。官邸からのリークと圧力がなければ、あのような記事を無理やり書かされることもなかったでしょう。
 その尻馬に乗って、前川叩きに躍起となっている人々も犠牲者です。安倍さんを守るために嘘をつき、他人を貶めるという醜悪な姿をさらすことになってしまったのですから。
 
 共謀罪が成立すれば、これが当たり前の世の中になってしまうのではないでしょうか。普通の市民の日常的な行動を秘かに監視し、権力者に不都合なことが生じた場合、一斉に牙をむいて暴露し、罪に陥れるというようなことが。
 他方では、権力者にすり寄る者や知人、友人に対しては政治に介入し行政を歪めて便宜を図り、それへの配慮と忖度が構造化されつつあります。必要な時には犯罪のもみ消しまでやっているようです。
 「安倍総理お抱えジャーナリスト」として知られている山口敬之氏の例があります。「準強姦」容疑での逮捕状が発付されましたが直前に執行取り止めになり、 その背後に菅官房長官の秘書官も務めた中村格警視庁刑事部長による隠蔽の可能性があることが『週刊新潮』で報じられました。
 
 これが今、私たちの目の前で繰り広げられている光景です。権力者の横暴とその恐ろしさがこれほどあからさまになったことが、かつてあったでしょうか。 
 疑惑の関係者はもとより、私たち国民の一人一人が問われているように思われます。このような安倍夫妻を中核とする権力者の横暴に手を貸すのか、それと戦う人々の側に立つのかが……。

官僚天下り処罰は加計認可反対派の一掃が目的 政権の暗黒

 今年1月、突如文科省官僚の天下り問題がクローズアップされて、一年余り前に文科省の高等教育局長を退職後早稲田大学教授になっていた吉田大輔氏が教授を辞任し、文科省の前川務次官が引責辞任しました。
 加計学園の獣医学部新設の問題を担当する高等教育局は認可に強く反対していたので、局長の吉田氏はいわば官邸にとって目の上のたんこぶでした。前川次官も勿論理屈の通らない新設には反対でした。
 それで先に高等教育局長をすげ替えた官邸は、今度は天下り問題を機に前川次官を辞任させることに成功しました。
 
 ところでこの天下り問題の発端となったものは、『内閣府の再就職等監視委員会の調査でした。
 そもそも官僚の天下り問題は財務省や経産省をはじめあらゆる省庁で多年にわたり行われてきた悪しき慣行なので、それが改められること自体は結構なことです。
 とはいえ何故その標的がむしろ地味な「文科省に絞られた」のか、そして間髪を入れずに次官を辞任させ、1年あまり前に文科省を去って再就職していた人までも就職先を辞任させたのかと多くの人が疑念をいだいた筈です。それがいまになってみると、それらは加計認可反対派を一掃するために内閣府が仕組んだものということですべての謎が解けますが、逆に政権の暗部を見せられたことで非常に不快な思いに苛まれます(以上「週刊新潮」ほか)。
 
 前川前次官がまだ現役だった昨秋、首相補佐官から加計学園の獣医学部開学に向けて “手続きを急げ” と圧力をかけられていたことも明らかになりました。首相補佐官和泉洋人氏「菅房長官の懐刀」ともいわれているということです(毎日新聞・27日)。
 
 また、文科省に「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と発言した藤原豊審議官は、2016年2月時点では、今治市との面談で 「人口減少のなか、ほんとうに学生が集まるのか」 「財政的に非常に今治市の状況が悪い」「内閣府主導ではやれない、やりにくい」などと発言し、加計学園の獣医学部新設に反対の立場でした。それが「昨年7月の参院選が終わってから」今治市長がいろんなところで安倍総理の強いリーダーシップやるから安心してほしい」と言い出したのに歩調を合わせるように、藤原審議官も9〜10月には「総理のご意向」と言って文科省に迫るなど “変節” たということです(テレビ朝日 報道ステーション26日
 藤原氏を変節させた圧力の源泉が「総理・官邸」であることは明白です
 
 LITERAの記事を紹介します。
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首相補佐官が前川前次官に「加計の手続き急げ」と直接圧力の新事実!
天下り処罰も加計認可反対派の一掃が目的
LITERA 2017.05.27.
 加計学園問題で、また新たな情報が出てきた。昨年秋ごろ、当時文科省事務次官だった前川喜平氏が官邸の首相補佐官に呼ばれ、加計学園の獣医学部開学に向けて “手続きを急げ” と圧力をかけられていたというのだ。
 
 その首相補佐官とは、和泉洋人氏。文科省は2003年に「獣医学部の新設は認めない」という公示を出しており、和泉首相補佐官は前川事務次官を呼び出すと、〈告示改正の手続きに向けて「(大学を所管する)高等教育局に早くしてもらいたい」と要求〉したのだという。このとき、前川次官は〈「(文科)大臣が判断されること」と明言を避けた〉が、この一件は複数の文科省幹部に伝えられたと今日の毎日新聞朝刊が伝えている。
 昨年の秋といえば、特区を担当する内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと文科省に加計学園の早期開学を迫っていたことが内部文書によってあきらかになっているが、今回の報道は、同時期に官邸が直接、文科省に圧力をかけていたことを示す。
 
 しかも、前川氏を呼びつけた和泉首相補佐官は、「菅房長官の懐刀」とも呼ばれる人物である。
 和泉氏は旧建設省出身で、現在は政府が名護市辺野古で進めている埋め立て工事で省庁を統括している人物であり、新国立競技場の “やり直しコンペ” を仕切ったのも和泉首相補佐官だといわれる。もともとは民主党・野田政権時代に内閣官房参与として官邸入り、そのまま安倍首相が留任させるという異例の人事が行われたが、その背景には和泉氏と付き合いが長かった菅義偉官房長官の後押しがあったとされるなど、菅官房長官の「片腕」という立場だ。ようするに、菅官房長官という「官邸の最高レベル」の片腕が直接、事務次官を呼びつけて早期認可を指示していたのである。
 
「総理のご意向」発言の内閣府審議官もぎりぎりまで反対していた
 さらに、昨夜放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)でも、重要な証言が報じられた。
 文科省に対して「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と発言した人物は内閣府の藤原豊審議官と見られているが、今治市が国家戦略特区に選ばれた2カ月後の2016年2月に行われた今治市との面談では、藤原審議官はこんなことを語っていたと今治市関係者が証言したのだ。
 「人口減少のなか、ほんとうに学生が集まるのか」
 「財政的に非常に今治市の状況が悪い」 「夕張市みたいになったら困るんじゃないですか」
 「文科省がどういう判断をするか、それにかかっている」 「内閣府としては主導ではやれない、やりにくい」
 これは証言だけではない。当時、今治市議会に出された報告書にも、藤原氏から「今治市の獣医学部新設は困難」と伝えられたことはしっかり記載されているのだ。つまり、昨年2月の段階では、内閣府も加計学園の獣医学部新設に反対の立場だったのである。
 
 しかし、この今治市関係者は「去年7月の参院選が終わってから急激に事態が動き出した」とし、こう話すのだ。
「市長がいろんなところでそういう話をしよるよと。『安倍総理の強いリーダーシップをもってやるから、これは安心してほしい』というようなことを」
 加計学園の獣医学部新設に難色を示していたはずの藤原審議官もまた、同年の9〜10月には「総理のご意向」と言って文科省に迫るなど “変節” しているように、内閣府にも何らかの圧力がこの間に加えられたのだろう。そして、こうした証拠・証言からもわかるように、圧力の源泉が「総理・官邸」であることは明白だ。
 同時に、この内閣府の転向を考えると、前川前次官をはじめ獣医学部新設に抵抗してきた文科省の役人は、官邸にとって相当目障りな存在だったに違いない。ここで俄然、気にかかるのは、そもそも前川氏が事実上のクビに追いやられた「文科省の天下りあっせん」問題の “出所” だ。
 
内閣府主導の文科省天下り処罰は加計認可反対派の一掃だった
  じつは、今週発売の「週刊新潮」(新潮社)の記事では、政治部記者がこんな証言を行っている。
 「高等教育局が大学などを所管するわけですが、早稲田大学の教授になった局長は、加計学園の獣医学部新設には強硬に異を唱えていました。そのため、安倍官邸が、その首を挿げ替えたとも言われているのです」
 この文科省退職後に早稲田大学教授に天下った人物は、吉田大輔・前高等教育局長。その後の調査で文科省の組織的な関与によって再就職先のあっせんが横行していたことがわかり、事務次官だった前川氏は引責辞任した。
 
 たしかにこの天下りあっせんは違法であり大きな問題だが、はっきり言って組織的な天下りのあっせんなどはどの省庁でも “慣例” となっているもの。しかもこの天下り問題の端緒となったのは、新聞や週刊誌のスクープではなく、内閣府の再就職等監視委員会の調査だった。それを1月18日のNHKが報じ、同日午前の会見では菅官房長官が「実際に報道の通りの事案が行われていたとすれば極めて遺憾」と踏み込んで発言。翌日には官邸幹部が前川氏の責任を問い「けりをつけなければならない」と述べ(朝日新聞1月19日付)、20日付けで前川氏は退任した。
 
 当時から、官邸のこの “スピーディーすぎる対応” に「何か官邸の裏があるのでは」と見る向きもあったが、今回の問題によってあらためて、その疑惑は強まったのではないか。だいたい “出会い系バー通い” にしても、官邸は昨年の秋の段階で杉田和博官房副長官から在職中だった前川氏に「厳重注意」を行っていたことがわかっている。
 これ自体があきらかに意に沿わない前川氏に対する監視を匂わせた恫喝に近い行為だが、同じように出会い系バー通いを前川氏の実名証言の口封じのため読売新聞にリークして報道させるという官邸の謀略を見れば、天下りあっせんの問題も前川氏への報復のために官邸主導で行われた可能性は十分考えられる。いや、「週刊新潮」の記事にあるように、加計学園の獣医学部新設に異を唱えた結果、吉田高等教育局長が報復人事にあった可能性だって高いのだ。
 
 官邸のゴリ押しに抵抗すると、あらゆる手を使った報復が待っている──。こうなると、内閣府の藤原審議官の変節も納得できよう。一体、総理と官邸はどのように「行政をゆがめた」のか。さらなる追跡が必要だ。(編集部)

28- 錯乱官邸が次々に墓穴を掘る

 森友問題でも安倍首相は決して自分が発言したことに責任を取ろうとしませんが、その拡大版である加計学園獣医学部新設の問題でも、自らの特権的関与・介入・政治の私物化・国会審議における異常な恫喝や粗暴な態度は、日に日に国民の前で明かになってきています。
 
 そして番頭を務めている菅官房長官の発言の異常さも目に余ります。
 政治評論家の森田実氏は「官邸ナンバー2が公然と人格攻撃し、トンデモない人間であるかのようなレッテル貼りをして社会から葬り去ろうとしている。とても許されることではない。安倍政権がやってることはメチャクチャ常軌を逸しているし、ものすごく異常です」と述べています。
 普通の国民であれば政権の嘘は見え見えです。いま政権が共謀罪法案の審議以前の問題で躓いているのはごく当然のことです。
 この政権の加計問題への対応を見ていると、こうした低劣な内閣が政敵に対してどう対応するのかを目の当たりにする思いです。一日も早く墓穴に収まって欲しいものです。
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巻頭特集  
錯乱官邸が次々墓穴 完全にヤキが回った菅官房長官の悪相
日刊ゲンダイ 2017年5月27日
国民は嘘を見抜いている
 ついにヤキが回ってきた。安倍首相の“腹心の友”が理事長を務める加計学園をめぐる疑惑に安倍官邸が追い込まれている。怪文書扱いしている文科省の“総理のご意向文書”について、前文科事務次官の前川喜平氏は会見などで「真正なもの」と断言。その根拠についても明快に説明した。文科省文書は本物なのか捏造なのか。答えはひとつしかない。どちらがウソをついているかは明白だ。
 
「官邸側がこの期に及んでも怪文書だと言い張るのであれば、前川氏は証人喚問に応じる意向ですし、国会に呼んで白黒ハッキリさせるほかないでしょう。森友学園の籠池泰典前理事長を〈総理を侮辱した〉という理由で証人喚問でつるし上げたのと同じロジックで、前川氏も追及しないと筋が通らないですよ」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 
■加計も民主党政権に転嫁
 菅官房長官は26日の会見でも「文書は出所不明なもので、信憑性も欠けている」とシレッと繰り返したが、一方で聞かれてもいないのにこんな話を持ち出した。
「そもそも獣医学部新設は提案の当初から加計学園が候補として記載されていたが、実現に至らなかった。民主党政権の間も7回にわたって要望があり、それまでは〈対応不可〉とされてきた措置を〈実現に向けて速やかに検討〉に格上げしたのは民主党政権だ」
 まさに困ったときのナントカ。民主党政権時代への責任転嫁は、安倍や菅が苦し紛れに使う常套手段だ。そして、鼻先でフフンと笑いながら前川氏の出会い系バー通いをあげつらい、返す刀でこう批判したのである。
「女性に小遣いを渡したということでありますけど、さすがに強い違和感を覚えた。教育行政の最高の責任者として到底考えられない」
 
 政治評論家の森田実氏は呆れ返った様子でこう言った。
官邸ナンバー2が公然と人格攻撃し、トンデモない人間であるかのようなレッテル貼りをして社会から葬り去ろうとしている果たして気は確かなのか。とても許されることではありませんよ。このところ〈安倍首相はオカシイ〉との声をよく聞きますが、安倍政権がやってることはメチャクチャ。常軌を逸しているし、ものすごく異常です。普通の人であれば、なおさら前川氏の主張に耳を傾けるでしょうね」 
 
社会的な抹殺をもくろむ筋書きが完全に裏目
 虚偽、隠蔽、恫喝。1強体制に驕り高ぶり、やりたい放題だった安倍政権の逆回転が始まった。権力を振りかざすほど、次々に墓穴を掘っている。森友学園をめぐる疑惑では、トカゲのシッポ切りにあった籠池氏が「安倍夫妻から100万円の寄付があった」と暴露。激怒した安倍は拒否していた参考人招致をスッ飛ばして、偽証罪に問われる可能性がある証人喚問を決めた。衆参4時間半に及ぶ尋問で叩き潰すつもりが、腹をくくった籠池氏が新事実をブチまけて猛反撃。昭恵夫人の関与や、財務省をはじめとする役所の忖度を裏付ける証拠がゾロゾロ出てきている。
 
 前川氏のケースも流れは同じだ。官邸サイドは文科省文書が流出したウラに前川氏の存在があると見て、天下り問題による引責辞任が引き金であるように筋書きし、「あいつは(官邸に)恨みを持っている」などとオフレコで吹聴。
 シンクロするように、読売新聞が前川氏の出会い系バー通いを報じた。恥をかかせて社会的に抹殺しようという意図がプンプンする。しかし、それがかえって前川氏の闘争心に火をつける結果となった。朝日新聞や週刊文春のインタビューで世間の関心を集め、あらゆるメディアが会見を詳報。さすがの身内も頬かむりできなくなってきた。公明党の漆原良夫中央幹事会会長が「要職にあった方の言葉は重い」と指摘したのを皮切りに、自民党の石破茂元幹事長も「事務方のトップにいた方が、ああいう発言をするということはそれなりの意義、意味がある」と言及。アリの一穴である。
 
■独メルケル首相もア然
 そもそも、森友学園にしろ加計学園にしろ、ここまで疑獄が膨れ上がったのは安倍が大見えを切ったのが原因だ。森友をめぐっては「私や妻が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」と言い、加計でも「私が働きかけて決めているなら責任を取る」と突っ張った。断定口調でウソをつくのは安倍の真骨頂だ。昨年5月の伊勢志摩サミットではG7首脳の共通認識を無視して「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」とブチ上げ、消費増税先送りに利用。メルケル独首相をア然とさせた。森友疑惑の目くらましに核・ミサイル開発を進める北朝鮮危機をことさらにあおり立て、国会で根拠もなく「北朝鮮はサリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と言ってのけた。
 
 病的なほどに虚言を操る口先ペテンぶりが、ここにきて完全に裏目に出ているのだから、ざまあみろである。
 自分でハードルを上げ、ごまかすためにウソをウソで塗り固めているのを国民はもう見抜いている。前川氏からは「赤信号を青信号だと考えろと言われた」「黒を白にしろと言われる」とまで言われてしまってはオシマイだ。
「政権と刺し違える覚悟で表に出てきた前川氏の発言は非常に重い意味がある。国民を見ていない政権に、いつまで独裁的な政治を続けさせるのか。政権側が改めないのであれば、われわれ国民が政権を改めるタイミングでしょう」(五野井郁夫氏=前出)
 
 前川氏の証人喚問から逃げたところで、ますます袋小路だ。出口はない。驕れるものは久しからず。1強の落城が始まった

2017年5月27日土曜日

加計学園の新設 獣医学部学生数は 既存全学生数の実に2割

 前川喜平前次官が、政権中枢からの “圧力” を暴露した背景を日刊ゲンダイが簡単にまとめました
 前次官が記者会見で語ったのは、「総理のご意向」によって「公平公正であるべき行政が歪められた」ことへの怒りと反省だとし、官邸が読売新聞にスキャンダル記事を書かせ、菅官房長官が露骨な人格攻撃をしたことが、前川氏を洗いざらいぶちまける気持ちにさせたと述べています。
 
 今回の獣医学部新設で最も問題なのは、安倍首相が「国家戦略特区」を口実に加計学園に獣医学部を新設することを認めたものの、加計学園の新設構想を見ると2015年に閣議決定した獣医学部新設の4つの条件「日本再興戦略改訂2015(通称:石破4条件)のどれ一つも満足していないということです。
 4条件は記事中に記載されているとおり「既存の獣医学部では対応できないニーズに応える獣医師を養成する場合にかぎり、新設を認める」というものです。しかし加計学園の獣医学部は「需要の根拠が薄弱」で、そこで行われる教育・研究が既存の大学でできないのかの検証もされていません。
 
 加計学園が認定されたとき、ある政府関係者は「同学園がどういう構想を提示してくるかだ」と語りましが、先月から審査を行ってきた文科省の審議会は16日加計学園が新設する獣医学部について「問題がある」とする報告書をまとめました。
 それによると同大学が申請した160人という定員は全国に16ある獣医学部学生の約2割に相当するという桁外れなもので、予定されている設備と比べて多すぎ本当に研修が行えるのかや、教員の体制も大学を卒業したばかりの若手(従来の助手程度)65歳以上の教授の比率が高いなどの問題があるということです
※  5月16日 加計学園の新設獣医学部 問題ありと文科省審議会
 
 まさに粗製乱造・儲け主義の獣医学部構想と考えられ、4条件以前の話です
 開学の時期は2018年4月ということですが、そんなことはあるべきではなくてまずは認定を取り消すべきでしょう。
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加計学園問題 前川前次官が会見で暴露した「疑惑の核心」
日刊ゲンダイ 2017年5月26日
「黒を白にしろと言われる」――。加計学園をめぐる問題で、すべてを知る立場にあった文科省の前川喜平前次官が、政権中枢からの“圧力”を暴露した。およそ1時間にわたる記者会見で語られたのは、「総理のご意向」によって「公平公正であるべき行政が歪められた」ことへの怒りと反省だった。
 
 安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設が「総理の意向」で進められたことを示す文科省の内部文書を官邸は怪文書扱い。
 この文書について「本物だ」と断言する前川氏がメディアの取材に応じると、安倍官邸はスキャンダル情報を読売新聞にリークして、潰しにかかったとも報じられている。
 さらには、菅官房長官は会見で「地位に恋々としがみつき、最終的にお辞めになった方」と前川氏をおとしめる人格攻撃まで。官邸がここまでエゲツないことをしなければ、前川氏も大々的に記者会見まで開いて洗いざらいブチまけることはなかったのではないか
 
「後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣にこの件でご迷惑をおかけすることになる。その点では大変に申し訳ないと思うが、あったことをなかったことにすることはできない」
 冷静な口調ではあったが、腹をくくった覚悟が伝わってきた。会見で前川氏が強調したのは、「行政が歪められた」という点だ。それは公僕の矜持として、どうしても看過できなかった。すべてを明らかにすれば、国民の理解を得られると確信して、会見を開いたのだろう。
 
 前川氏によれば、国家戦略特区の制度を使って、加計学園の悲願だった獣医学部の新設が認められたプロセスには重大な疑義があるという。本来のルールをねじ曲げて、加計学園に特別な便宜が図られたとしか見えないのだ。
 国家戦略特区で獣医学部の新設を認めるにあたり、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」では4つの条件が示されていた
 既存の獣医師養成ではない構想が具体化すること
 ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること
 それらの需要について、既存の大学学部では対応が困難であること
 近年の獣医師の需給の動向を考慮しつつ全国的な見地から検討すること
 要するに、既存の獣医学部では対応できないニーズに応える獣医師を養成する場合にかぎり、新設を認めるということだ。ところが、加計学園の獣医学部は「需要の根拠が薄弱で、既存の大学でできないのか検証されていない。条件すべてに合致していない」(前川氏)という。
 
 政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた。問題の「総理のご意向」文書が作成されたのも、昨年9月から10月だ。
「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません。4条件から逸脱していること自体が、友人のために特別な便宜を図った証拠と言える。加計学園は特区事業者に認定される前の昨年10月に、新設予定地のボーリング調査も行っています。すべて『加計学園ありき』で動いていたのです」(ジャーナリストの横田一氏)
 
 ここまで状況証拠がそろい、国民の間にも「行政が歪められた」ことへの疑念が広がっている。前川氏自身も「応じる」と言っている以上、証人喚問ですべてを明らかにするしかない。

27- “反アベノミクス勉強会”に自民議員が60人

 自民党の野田毅氏と村上誠一郎氏が16日に立ち上げた「アベノミクス批判」の勉強会60人が集まりました。その勉強会は財務官僚が裏から手をまわして作らせたもの見られているということです。
 
 かつて民主党政権時代に菅内閣のあとを野田内閣が継ぎましたが、有力とは見られていなかった野田が代表選で当選した背後には財務省の強力なサポートがあったからと言われています。
 そのために野田内閣は財務省のいうがままの政策を展開したので、結局 民主党=現在の民進党は完全に国民の支持を失って現在に至っています。
 それはともかくとして財務官僚は議員に対してもそれ程の影響力を持っているわけです。
 
 ところでアベノミクス批判は大変結構なことですが、財務省の本当の狙いは実は「消費税率10%へのアップを確実に実施させることにあると見られています。
 安倍首相がこれまで消費税率10%の実施を見送ってきたのは彼の唯一の取り柄だったので、アベノミクスが終止符を打ったとしても、消費税率が10%になれば国民生活は大打撃を受けます。
 
 アベノミクスは当然止めるべきですが、税制については消費税を引き下げ、その代わりに所得税の累進課税率を上げ、併せて大企業優遇税制を廃止することが必要です。
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財務省も動くか “反アベノミクス勉強会”に自民議員60人 
日刊ゲンダイ 2017年5月26日
 ついに、正面切って安倍政権を告発した前川喜平前文科事務次官。文科行政を歪めただけでなく、存在する文書を「ない」と言い張る安倍官邸にガマンができなくなったようだ。
 
 どの省庁も、人事権をかさに着た安倍政権の強権支配に不満をためているだけに、この先、義憤に駆られた第2、第3の前川喜平氏が現れる可能性はゼロじゃない。いま、安倍官邸が密かに恐れているのが、財務省の造反だという。
 
 自民党の野田毅氏と村上誠一郎氏が16日に立ち上げた「アベノミクス批判」の勉強会は、財務官僚が裏から手をまわしてつくらせたものだとみられている。
 
「野田毅さんを代表発起人として発足した勉強会は、まるで “反主流派” “反アベノミクス” の巣窟です。表向き、財政や金融政策、社会保障の立て直しを勉強することになっていますが、真の目的は、公約通り安倍首相に消費税増税を実施させることでしょう。驚いたのは、自民党議員が約60人も参加したことです。野田さんも村上さんも、一匹狼のような存在で、自分で人を集めるようなタイプではないし、あの2人が声をかけても簡単には人が集まらない。60人も集まったのは、財務省が裏で動いたからでしょう。実際、野田さんも村上さんも、財務省に近いですからね」(政界関係者)
 
 財務省に近い野田氏と村上氏が「反アベノミクス」の勉強会を立ち上げたことで、永田町には「財務省も安倍降ろしに動きだしたのか」と疑心暗鬼が広がっている。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
財務省が安倍首相に不満を強めているのは間違いありません。2回も念願の消費税増税を先送りされていますからね。そのうえ、森友疑惑ではドロをかぶらされている。もし少しでも安倍政権に陰りが見えたら、一気に倒閣に走ると思う。霞が関の強みは森友疑惑や加計問題で安倍政権の弱みを握っていることです。官僚組織が本気で “反安倍” で動いたら、政権はあっという間に倒れる可能性が高いですよ」
 
 驕れる者久しからず。「安倍1強支配」にほころびが見えはじめている。

2017年5月26日金曜日

前川前事務次官の暴露で いまや官邸は「裸の王様」状態

 四国の今治市に加計学園経営の獣医学部が新設されるに当たって、それが「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」であるとする文書の出所が文科省前事務次官の前川喜平氏であり、その文書を作成した部署が文科省の担当部局の高等教育局専門課であるということは、いまやこの問題に関心を持つ人たちの間では常識とでも言うべきもので、それをいまだに出所不明の捏造文書だと言い張る官邸はもはや「裸の王様」とでも呼ぶべき存在です。
 
 しかし官邸の醜態は決してそれには留まりません。
 22日の読売新聞に突如前川喜平・前次官が “出会い系バー通い” をしているという記事が載りました。別に刑事事件でもないものを大手の新聞がなんの物証も提示せずに報じるのは前代未聞ですが、それこそは官邸による加計学園問題の実名告発ツブシの謀略でした。(LITERA 22日)
 前川氏は加計学園問題に関する文科省の「総理のご意向」文書が「本物だ」とマスコミに証言する準備を進めていたのですが、その情報を察知した官邸が御用新聞である読売新聞に「前川氏バッシング記事」を載せてその目論見をつぶそうとしたのです。
 それは、前川氏は “出会い系バー通い” をするような人間であり、文科省官僚の天下り問題で辞任したことで官邸を逆恨みして、政権にダメージを与えようと画策しているというものでした。
 前川氏は読売の記事が出た時点ですでにNHKとフジテレビのインタビューに応じ、『NEWS23』(TBS)と『報道ステーション』(テレビ朝日)にも出演する予定でしたが、思いもかけない官邸の暴挙にメディアが怯んだために放映はされませんでした。
 
 それで官邸の目論見は成功したかに見えたのですが、そこは腐っても鯛というか、25日発売の「週刊文春」が官邸の謀略を暴露する記事を掲載したことを受けて、朝日新聞も前川氏のインタビューを一面トップで、毎日新聞も社会面で大きく取り上げ「文書は本物」とする前川証言を紹介しました。そしてTVでも『NEWS23』(TBS)以下続々と前川氏の暴露やインタビューを放映するようになりました。
 そういう中で、「尾木ママ」こと尾木直樹氏(教育評論家)はぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論するなど、前川氏の下半身スキャンダル “官邸のイメージ操作では” いう見方も広がりました。
 
 一旦は様子見をしていたTVメディアも堰が切って落とされたように、読売新聞系の日テレを除いて一斉に取り上げています。あとは官邸が「裸の王様」の醜態をいつまで続けられるのかということですが、元々良識とはあまり縁のない人がトップを務めているところなので結構続ける可能性はあります。しかしそのことで真実がひっくり返ることはありません。
 
 官邸の前川氏バッシングの謀略を最も早くから(22日から日)追及してきたのはやはりLITERAでした。
 因みに下記のとおりです。
 
  LITERA 5月22日:安倍官邸の謀略が怖すぎる! 前文科省事務次官の加計問題 “実名
                証言” をツブすため読売に “出会い系バー通い” リーク 
  LITERA 5月23日:実名告発ツブされても新証拠が次々…安倍政権は加計学園に利権を独
                占させるためこんな露骨な手口を 
  LITERA 5月24日:官邸幹部が加計問題実名告発ツブシの謀略を認めた! 文科省前次官
             の風俗通い報じた読売記事を「マスコミと当人への警告」と
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官邸の前川証言潰し恫喝に屈したメディア、踏ん張ったメディアが鮮明に! 
日テレ、とくダネは無視、田崎はトンデモ解説
LITERA 2017年5月25日
 元文科省事務次官である前川喜平氏のインタビューを、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が掲載したことを受けて、今朝の朝日新聞朝刊も前川氏のインタビューを一面トップほか大々的に掲載。毎日新聞も社会面で大きく取り上げ、そのなかで「文書は本物」とする前川証言を紹介した。また、昨晩の『NEWS23』(TBS)は、前川氏のインタビューを今晩放送することを予告した。
 
 本サイトは昨日、前川氏の自宅前にマスコミが殺到している一方で、官邸が上層部から官邸記者にいたるまで恫喝をかけまくっていることを伝えたが、その圧力をこれらのメディアは撥ね返したといえよう。
 だが、今回の前川証言に対する安倍首相はじめ官邸の焦りと怒りは凄まじいものだ。安倍首相は昨晩、赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長と篠塚浩報道局長と会食。報道局長まで呼びつけていることからも、報道に対する牽制があったことはあきらかだ。
 
 剥き出しの圧力をかけられたテレ朝だが、しかし、今朝の『羽鳥慎一モーニングショー』では、「週刊文春」に掲載された前川証言と、「週刊新潮」の報道を取り上げた。
 番組ではまず、前川氏の「出会い系バー通い」を紹介した上で、「週刊新潮」による「官邸は前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させた」「 “報復” するとともに口封じに動いた」という内容に踏み込んだ。司会の羽鳥が「これはどうなんですか?」と尋ねると、ゲスト出演したテレ朝の細川隆三・政治部デスクは歯切れ悪くこのように述べた。
「官邸にはいろんな人がいて、この問題にふれるととにかくカリカリしちゃって、興奮する方もいらっしゃるし、逆にこの問題は触ってはいかんと、触らないようにシカトしようとする人もいますし、とにかくこれは内閣の問題じゃなくて個人の問題、とんでもない人がやっているんですよとさらけ出すのがいいんじゃないかっていう人もいるんです」
「官邸による報復なのか?」という羽鳥の問いに対する答えにまったくなっていないが、いかに官邸が記者にプレッシャーをかけているのかが垣間見えるコメントではあるだろう。
 
 だが、ここでレギュラーコメンテーターの玉川徹が、読売新聞の報道に言及。「現役の官僚でもない前の事務次官の、違法でもない話を一面にもってくるバリューが、加計学園にかかわらないんだとしたらどこにあるのか」「ものすごく疑問」と言い、こう畳みかけた。
「安倍総理は自分が語る代わりに『読売新聞を熟読してくれ』っていう関係ですしね。やっぱり権力に対して批判的な目を向けるっていうのがジャーナリズムだと私はずっと思っていままで仕事してきたんですけど、こういう一連の読売新聞のあり方って、政治部的な感覚から見て、細川さん、これどうなんですかね?」
 ごくごく真っ当な指摘だが、これに細川政治部デスクは「いや、だから、(読売の今回の報道は)めずらしいですよね」と返すのが精一杯。だが、テレ朝は『モーニングショー』だけではなく、『ワイド!スクランブル』でも番組トップと第2部で報道し、前川氏の下半身スキャンダルについて “官邸のイメージ操作では” と言及。前川証言と下半身スキャンダルという “両論併記” の報道ながら、しかも総理直々に “圧力” がくわえられたなかで、官邸の読売を使った報復と、読売の姿勢に論及した点は、勇気あるものだったと言えるだろう。
 
 また、朝の『とくダネ!』と昼の『バイキング』では前川証言を無視したフジテレビも、『直撃LIVE グッディ!』ではしっかり取り上げた。
 しかも、菅義偉官房長官が会見で「(前川氏は)地位に恋々としがみついていた」などと人格攻撃したことに対し、ゲストの「尾木ママ」こと尾木直樹は「ぼくら教育関係者はみなさん信頼しているし、絶大な人気者。気さくで威張らないし、官僚的ではない。慕っている人も多いですね」と反論。元文科省官僚である寺脇研も「(菅官房長官の言葉とは)全然別の話を省内で聞いている。『みんな残って下さい』と下の者は思っていたけど、(前川氏は)『自分は最高責任者として全責任は自分にあるんだから辞めなくちゃいけない』と言っていた」「(前川氏が)辞めた日、省内には涙を流した者も相当数いたみたいですね」と、菅義偉官房の発言は官邸お得意の印象操作である見方を示した。
 
 さらに、『グッディ!』でも、一連の文書の出所が前川氏だと官邸が睨み、出会い系バー通い報道をリークしたとする「週刊新潮」の記事にふれ、問題の出会い系バーを取材。だが、コメンテーターの編集者・軍地彩弓は「(前川氏は)脇が甘いと言われてもしょうがないけど、人格否定と今回のことを一緒にするのはやめてほしい。わたしたちが見てても、この話がくることによって撹乱されているように思っちゃうので、分けて話をしたい」と指摘。尾木も「(出会い系バー通いは)まずかった」としながらも、「このことで文書の問題をチャラにしてほしくない。分けて考えないと」と語った。MCの安藤優子も「前川さんの人間性と証言の信憑性を混同させようという動きがあるが、別の話」と番組冒頭から、何度も繰り返していた
 
 このように、官邸から恫喝を受けながら踏ん張ったメディアがある一方、露骨に避けた番組もある。たとえば、すでに前川氏にインタビューを行い、本日夜の『NEWS23』でその模様を流す予定のTBSは、朝の『あさチャン!』や昼前の『JNNニュース』で「怪文書じゃない」という前川氏の証言映像を大きく取り上げたが、『ビビット』ではほんのわずかでスタジオ受けもなく終了。『ひるおび!』でも11時台の新聞チェックのコーナーで扱っただけだった。
 また、NHKと日本テレビも露骨だ。朝のニュース・情報番組では前述したTBSの『あさチャン』のほか、『グッド!モーニング』(テレ朝)『めざましテレビ』(フジテレビ)も朝日新聞を紹介するかたちで前川氏の証言を取り上げたが、NHK『おはよう日本』と日テレの『ZIP!』は一切ふれず。NHKは12時からのニュースで、国会で松野博一文科相が「すでに辞職した方の発言なので、コメントする立場にない」と答弁したことをさらっと伝えたのみで、日テレも『スッキリ!!』では無視、昼前の『NNNストレイトニュース』と『情報ライブ ミヤネ屋』のニュース枠で少しふれただけだ。
 
 いや、露骨といえば、ご存じ “安倍政権応援団” である田崎史郎の解説だろう。昨晩の『ユアタイム』(フジ)に出演した田崎は、前川氏について「 “ミスター文科省” と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて、“最悪の次官だった” っていう認識なんですよ」と前川氏をバッシング。挙げ句、「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいて。当面無視していくスタンスですね」と、またも官邸の方針を垂れ流した。この詭弁には、番組キャスターの市川紗椰も呆れ果てたように「え、無視って後ろ向きの態度を取られると、やっぱり何かあるんじゃないかなと思いますし、政府から調査するべきだと思うんですけどね」とコメント。田崎はやや狼狽えつつも、「文科省の役人が勝手につくったメモ」と断言したのだった。
 
 官邸の恫喝に負けなかったメディアと、官邸の言いなりになったメディアが鮮明になった、今回の前川証言。しかし、きょうの報道だけで、加計学園問題は終わりではない。本日夕方16時より前川氏が記者会見を行い、証人喚問の要請があれば応じる意志を表明した。安倍政権の「行政文書じゃない」などというごまかしで済まされる話ではない。政権の下部組織と化したNHKと読売系以外のマスコミには、官邸の圧力に負けることなくさらなる追及を期待したい。(編集部)