2016年12月29日木曜日

政府 辺野古工事を再開 「絶対に造らせない」と知事

 オスプレイ不時着事故で県民の不安が高まる中、同機の飛行再開を容認した政府は、沖縄辺野古新基地工事再開では、翁長雄志知事が求める協議に応じませんでした
 
 翁長知事は26日、最高裁敗訴を受け埋め立て承認取り消しを撤回したため、27日に工事が可能になりました。工事再開に先立ち27日午前、知事は官邸で菅官房長官と会い、再開前の事前協議を要請しましたが、菅氏は「わが国は法治国家なので確定判決の趣旨に従って工事を進める」と拒否し、同日午後工事が再開されました。
 工事再開後、翁長知事は都内で記者団に、県民の怒りと悲しみは非常に大きい」、「そう簡単に物事は進まない」と述べ、政府の思い通りにはさせないことを強調しました。
 
 官邸が法治国家を錦の御旗にしている以上、今後知事が法律で定められている権限を行使することに対して甘受すべき立場にあることは言うまでもありません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
政府、辺野古工事を再開 沖縄反発、断固阻止と知事
琉球新報 2016年12月27日
 政府は27日午後、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古で沿岸部埋め立てに向けた工事を再開した。話し合いを拒否して再開した政府の強硬姿勢に、米軍新型輸送機オスプレイ不時着事故の政府対応に不満を募らす沖縄は、さらに反発。翁長雄志知事は「絶対に新辺野古基地を造らせない」と述べ、あらゆる権限を使って辺野古移設を阻止する決意を改めて示した。
 
 翁長知事は26日、最高裁敗訴を受け、埋め立て承認取り消しの撤回を表明。27日に承認が再び有効となり工事が可能になった。約9カ月半ぶりの再開で、政府と沖縄県が激しく対立する普天間移設問題は新たな局面に入った。
 
 
辺野古工事再び強行 国、県との協議拒否
琉球新報 2016年12月28日
【名護】沖縄防衛局は27日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向けた工事を再開した。国と県が辺野古代執行訴訟で和解し、工事が中断した今年3月4日以来、約10カ月ぶり。本格的な工事は年明けに再開する見通し。来年1月以降に海底掘削(ボーリング)調査を実施。汚濁防止膜設置に伴うコンクリートブロックを海中へ投下し、護岸設置に向けた作業を進める。翁長雄志知事は政府の強硬姿勢に強く抗議し、今後、あらゆる権限を駆使して工事を止める考えを示唆しており、工事が今後円滑に進むかどうかは不透明だ。
  
 沖縄防衛局は、県が事前協議を求めている実施設計について、協議は終えているとして事前協議に応じず、県へ反論文を送った。
 翁長雄志知事は27日、政府が事前協議なしで工事を再開させたことについて「県民の怒りと悲しみはすごいものがあるので、そう簡単に物事は進まない」とした上で、新基地建設阻止に向けてあらゆる手段を講じていく考えを示した。
 
 翁長知事は昨年10月に普天間飛行場移設に向けた辺野古埋め立て承認を取り消した。だが、辺野古違法確認訴訟で最高裁が20日、県敗訴の判決を出したことを受け、承認取り消し処分を26日に取り消した。沖縄防衛局は、県が郵送した取り消しの通知文が届いたのを確認し、27日午後2時、工事を再開した。
 
 米軍キャンプ・シュワブの埋め立て予定地近くの海岸ではクレーン車が、海上保安庁のゴムボートが利用する仮設の浮桟橋を陸上に並べる作業が確認された。さらにトラックで運んだオイルフェンスを10本以上海岸に移動させ陸上に並べる様子も見られた。
 シュワブのゲート前では27日早朝から市民ら約150人が集まり、工事再開に抗議の声を上げた。大浦湾の海上でも、カヌー12艇や抗議船5隻が工事再開の動きを監視し、反対の声を上げた。