2016年12月29日木曜日

29- 日立は三菱重工と…トランプ政権で「企業大再編」が加速も

 17は「まさか」の統合劇が待っているかも知れません
 
 日立製作所と三菱重工が合併して、年間売上高14兆円の大企業が生まれる可能性があります。
 5年前には三菱OBの猛反対でこの計画は無くなりましたが、今度は三菱が豪華客船製造や中規模旅客機MRJのビジネスでつまづいているので、成立しても不思議はないということです。
 また今年も大赤字を出した東芝はNECと合併するのではないかという観測があります。
 セブン&アイHD傘下のそごう・西武はH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)と業務提携する方針です。百貨店の再編では高島屋が台風の目になるということです。
 
 それらによる生活への直接の影響はなさそうですが、来年はトランプの登場で政治・経済情勢が激変するので、企業も規模を大きくして世界の大手に飲み込まれないようにする必要があるということです。
 
 当然トランプ政権からは日米FTA協定締結への要求が出されるので、安倍政権は今度こそ国益重視の対応をする必要があります。
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          2017 “激動” 先読み  
日立は三菱重工と…トランプ政権で「企業大再編」加速も
日刊ゲンダイ 2016年12月28日
 日立製作所と三菱重工が経営統合へ― 。5年ほど前に話題になった合併話が、ここへきて再浮上してきた。
 「最初に統合話が表面化したときは、三菱グループOBの猛反対で立ち消えになったといいます。ただ、三菱重工は子会社の三菱航空機が手掛けるMRJや、豪華客船ビジネスでつまずいてしまった。再び日立と急接近しても不思議はないのです」(株式評論家の倉多慎之助氏)
 両社の売上高を単純合計すると約14兆円(16年3月期)。世界市場でライバルとなる米GEの約15兆円(17年予想)に肉薄する。
 
 「来年は米国でトランプ大統領が誕生するなど、政治の世界は激変します。経済も何が起きるか分かりません。企業は今まで以上に規模を拡大させないと、世界大手にのみ込まれる危険が高まっています」(倉多慎之助氏)
 
 不正会計に揺れた東芝も再編の渦にのみ込まれかねない。
 「東芝は業績そのものは回復傾向を見せています。ただ、イメージ悪化や事業縮小により売り上げ規模はかなり落ち込みました。そこで、NECとの合併観測が流れています。弱小連合ですが、重複分野は少ないので、うまくすれば勝ち組になれます」(経済ジャーナリストの真保紀一郎氏)
 
 中国の爆買い終焉によって、百貨店の再編が加速するという見方も出てきた。セブン&アイHD傘下のそごう・西武は、今年9月に「そごう柏店」や「西武旭川店」を閉鎖。10月には「そごう神戸店」などをH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)に売却し、業務提携する方針を打ち出した。
 「セブン&アイは、グループ中核のイトーヨーカ堂を創業した伊藤家の力が増しています。スーパーとコンビニに事業を集中させるため、百貨店を切り離すかもしれません。H2Oへの売却が最有力でしょう」(流通関係者)
 
■爆買い終焉の百貨店は高島屋が台風の目
 これまで再編とは無縁だった高島屋が動くという見方もある。
 「スーパー中心のユニーグループHDとコンビニのファミマが統合したように、来年は業種の垣根を越えた再編が起きるでしょう。高島屋とイオン、ローソンとイオンといった組み合わせだってあり得ます」(コンビニ関係者)
 海運業への注目度も高まっている。米トランプ新政権が保護主義を強めると、世界の貿易量が減少し、海運業を直撃する恐れが高いからだ。
 
 「コンテナ事業の統合を決めた海運3社は注目です。会社そのものの合併に発展する可能性があります。日本郵船は独立を貫くとしても、商船三井と川崎汽船は急接近するかもしれません」(経済評論家の杉村富生氏)
 
 米ゴールドマン・サックス証券は、「17年日本株投資戦略リポート」で買収されそうな日本企業をピックアップしている。自動車のスズキや、製薬の中外製薬参天製薬沢井製薬、日立系の日立国際電気日立キャピタルなどだ。
 17年は「まさか」の統合劇が待っている。