2016年12月10日土曜日

10- 厚木基地騒音訴訟 逆転敗訴 「高度の公共性」とは

 厚木基地の周辺住民らが騒音被害の解消を求め国を訴えた第四次厚木基地騒音訴訟の上告審判決で、最高裁は8日、「自衛隊機の運航には高度の公共性・公益性がある」などとして、自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めや、将来分の損害賠償を認めた二審東京高裁判決を破棄し、住民側の逆転敗訴を言い渡しました。
 過去分の騒音による損害賠償は二審のとおりに認められました。
 また米軍機の飛行差し止めについては一、二審同様、実質的な審理をせずに退けました
 
 「裁判では上級審に行くほど政権寄りになる」と言われますがそういう結果になりました。
 それにしても「高度の公共性(・公益性)」とは一体どういう意味なのでしょうか。
 もしも「際立って公共性が高い」というのであれば、それを二審が見落とす筈がありません。だとすればそういう意味ではなく、「『簡単には説明できない微妙な』公共性がある」とでも理解するしかありません。そういう曖昧な表現が、「国寄りの判断」をするうえで好都合だったということでしょうか。
 こんなことが繰り返されてはたまりません。
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厚木基地騒音訴訟 自衛隊機差し止め認めず 住民側の逆転敗訴
東京新聞 2016年12月9日
◆最高裁「高度の公共性」
 基地騒音訴訟では、民事訴訟での差し止め請求は不適切として、退けられてきた。第四次厚木基地騒音訴訟は、民事訴訟に加え、国の権限行使の妥当性を問う行政訴訟も起こした初のケースだった。最高裁が差し止めに高いハードルを設けて、請求を退けたことは、各地の同種訴訟に大きく影響しそうだ。
 
 判決は、自衛隊機による騒音が、基地周辺の住民に睡眠妨害など「重大な健康被害を生じさせる恐れがある」と認定。その上で、飛行には高度の公共性、公益性があり、国による深夜・早朝の自主規制や、住宅の防音工事への助成といった対策などを総合的に考慮すれば「防衛相の裁量の範囲は超えない」と指摘。差し止めは認められないと結論付けた。五人の裁判官全員一致の意見だった。
 
 二審判決が認めた二〇一六年末までの将来分の損害賠償約十二億円については「被害が将来も続くことが予想されても、あらかじめ損害額を明確に認定できない」として認めず、二審結審時までの過去分の賠償額約八十二億円が確定した。
 原告側は、騒音被害の大きな要因になっている米軍機の飛行差し止めも求めたが、一、二審同様、実質的な審理をせずに退けた
 
厚木基地 
神奈川県大和市、綾瀬市に施設の大部分がある。旧日本軍の基地として整備され、終戦で米軍に接収された。1950年に米海軍に移管。71年から米海軍と海上自衛隊が共同使用を始めた。米海軍は横須賀基地に配備されている空母の艦載機の拠点として使用し、海上自衛隊は日本周辺海域で他国の潜水艦の動きを監視する任務などに従事。基地周辺に200万人以上が住む。