2016年11月20日日曜日

20- 日本のメディアは情報操作を見抜くリテラシーを磨け (ケント・ギルバート)

 メディア・リテラシーという言葉があります。メディアの言うことを何でも鵜呑みにしてはいけないという意味です。
 それは情報の受け手である一般国民に対する警告なのですが、今回のケント・ギルバート氏の投稿記事は、日本のメディアに対してアメリカのメディアの報道をそのまま信じてはいけないという警告になっています。多くの国民は海外の情報も国内のメディアを介して受け取っているので、国内メディアがそういうリテラシーを持っていることを望むしかありません。
 
 実際アメリカのメディアは、アメリカ国家(体制側)のプロパガンダ=悪宣伝機関に堕しているので、米政府が敵視しているロシアなどを対象とした場合には、「白を黒と言いくるめる」ような報道をするのが日常茶飯事です。
 要はそういう認識を持ったうえで米メディアの情報に接する必要があるということです。
 
 リテラシーはさて措くとして、では日本のメディアは公正な報道をしているのかというと、政府からの独立度が世界ランキングで73位ということですからそんなことは望むべくもありません。
 
 ケント氏はかなりの右派なので文中でも「沖縄のプロ市民」などと見方は偏っていますが、「情報操作見抜くリテラシー磨け」という主張に誤りはありません。
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反トランプデモの正体と米メディアの嘘 
日本メディアは情報操作見抜くリテラシー磨け 
ニッポンの新常識 夕刊フジ 2016年11月19日
 次期米国大統領にドナルド・トランプ氏が決まったことを多くの米国民が受け入れず、9日夜には全米25都市で抗議の「反トランプデモ」が起きたと、CNNなどのメディアが伝えた。
 「やはりトランプ氏は大統領にふさわしくないのか」と考えた日本人は多いと思う。あなたもその1人だとしたら、メディアの情報操作に対する警戒心が不足している。
 
 米ギャラップ社が11日に行った世論調査では、米国民の84%が「選挙結果を受け入れる」と答えている。「トランプ氏を正当な大統領として認めない」との回答はわずか15%である。
 つまり、「反トランプデモ」の参加者は「ノイジーマイノリティ」(騒がしい少数派)なのだ。日本で8月に解散した学生グループ「SEALDs」(シールズ)が「反安倍晋三政権デモ」を繰り返し、一部メディアがそれを多数派であるかのように報道したのと、完全に同じ構図である。
 
 「クリントン・ニュース・ネットワーク」と揶揄されるCNNは報じないだろうが、今回の全米デモは、大物投資家ジョージ・ソロス氏が扇動したものとされる。ソロス氏が支援する「MoveOn」というNGOは、9日に、次のような声明を出している。
 《MoveOnのメンバーと仲間は今夜9日、全米の都市で平和的な集会を行います。われわれはドナルド・トランプ氏の不寛容主義、外国人恐怖症、イスラム教恐怖症、女性蔑視を受け入れない姿勢を改めて表明します。米国のためにともに戦う決心を行動で示すのです。われわれは戦いがまだ終わったわけではないと信じています》
 
 民主主義の根本を否定する、往生際の悪いデモ隊は大型バスの送迎付きとの情報もある。すぐに沖縄の「プロ市民」を思い出した。日当と弁当も出たかもしれない。
 
 今回の大統領選は、米メディアの嘘と傲慢さを見事に暴き出した。
 例えば、「トランプ支持者=低学歴で低所得の白人労働者」というレッテルを貼り、選択に迷う人々をヒラリー氏支持に取り込もうと画策した。
 だが、現実のトランプ支持者は低学歴でも低所得でもない。私がその証拠である。本物の低所得層は、社会保障に手厚い民主党のヒラリー候補を支持した。年収500万円以上の人々の支持率は拮抗していた。
 ただ単に、ヒラリー氏を圧倒的に支持したメディアが、民主主義を受け入れる大多数の米国民をバカにする偏向報道を、選挙中から現在まで堂々と続けているだけだ。
 今も「衝撃」や「番狂わせ」と報じる日本メディアは、情報操作を見抜くリテラシーを磨かないと、恥の上塗りになる。
 
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人』『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(いずれもPHP研究所)、『日本覚醒』(宝島社)など。