2016年10月7日金曜日

衆院補選 野党統一候補の擁立で合意

 民進党、共産党、社民党、生活の党の幹事長・書記局長は5日、国会内で会談し、11日告示・23日投票の衆院補選(東京10区、福岡6区)で、野党統一候補を擁立し協力してたたかうことを合意しました。
 これは5月19日の4野党党首会談での確認にもとづくものです。
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衆院補選 野党統一候補の擁立で合意
4野党書記局長・幹事長会談 勝利へ協力と旗印を確認
しんぶん赤旗 2016年10月6日
 日本共産党の小池晃書記局長、民進党の野田佳彦幹事長、社民党の又市征治幹事長、生活の党の玉城デニー幹事長は5日、国会内で会談し、11日告示・23日投票の衆院補選(東京10区、福岡6区)で、野党統一候補を擁立し協力してたたかうことを合意しました。
 会談では、▽東京10区は鈴木庸介氏、福岡6区は新井富美子氏(ともに民進党公認)を野党統一候補とし、勝利のために全力をつくすこと▽総選挙での「できる限りの協力」を実行に移すため、速やかな協議を始めることで一致しました。
 
 今回の合意は「衆院選についてできる限りの協力を行い、その具体化を加速する」とした、5月19日の4野党党首会談での確認にもとづくものです。この内容は9月23日に行われた、民進党の蓮舫新代表が出席した野党党首会談でも再確認され、補選に向けた協議を進めることが合意されていました。
 小池氏は会談後に会見し、民進党の野田幹事長から、補選では同党公認候補に一本化することと、選挙勝利に向けた各党の協力について要請があったと紹介。日本共産党は了承し、「野党統一候補として、勝利のために力を合わせてたたかう」と表明したことを明らかにしました。
 
 小池氏は会談で、統一候補でたたかう旗印として、
  (1)安保法制(戦争法)の廃止、立憲主義の回復
  (2)アベノミクスによる国民生活破壊、格差と貧困を是正する
  (3)環太平洋連携協定(TPP)や沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない
  (4)安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する
とした野党党首会談での合意事項や、通常国会で野党が共同提出した15法案の内容について確認を求め、野田幹事長も了解したと紹介。「きちんと共闘の旗印を立て、みんなで力を合わせて勝利しようということを確認できた。筋の通った形で合意ができた」と述べました。
 
 また小池氏は会見で、今回の対応について、補欠選挙に限っての特別の対応であり、総選挙の選挙協力では、お互いに候補者を推薦しあう本格的な相互支援が必要だというのが日本共産党の方針であることを、会談で表明したことを明らかにしました。
 
衆院補選野党統一候補
 5日の4野党書記局長・幹事長会談で擁立が確認された衆院補選(11日告示・23日投票)の野党統一候補を紹介します。(敬称略、いずれも民進党公認。写真は同党提供)
【東京10区】
鈴木庸介(40)=新= 東京都豊島区生まれ。コロンビア大学国際公共政策大学院修了。NHK記者、立教大学経済学部兼任講師を歴任
【福岡6区】
新井富美子(49)=新= 福岡県久留米市生まれ。早大第一文学部卒。元在インド・チェンナイ日本総領事館職員
 
 
衆院補選での野党共闘を歓迎し統一候補の当選を願う [選挙]
五十嵐仁の転成仁語 2016年10月6日 
 やっと、実現しました。衆院補選での野党共闘です。
民進・共産・社民・生活の野党4党は昨日幹事長・書記局長会談を開き、衆院東京10区と福岡6区の補選で共産党が候補を取り下げて民進党の公認候補に一本化することで合意しました。この合意を歓迎し、野党統一候補となった民進党公認候補の当選を呼びかけたいと思います。
 
 ただし、いくつかの問題があります。一つは、政策合意について口頭で確認しただけで文書での協定が結ばれなかったことです。
 もう一つの問題は、他党からの推薦を受けないことになったことです。これについて、『毎日新聞』は「共産の事実上の支援を受けても、独自候補をアピールしたい民進が『共産推薦』の看板は拒否した形だ」と解説しています。
 しかし、本来であれば、きちんと政策協定を結ぶべきだったでしょう。また、他の野3党からの推薦を受けて、統一候補として全力で闘えるようにするべきだったでしょう。
 
 そうならなかったのは、他の野党支持者の票は欲しいけれど、さりとて民進党としての独自性もなくしたくないという思惑があったからです。何という手前勝手で虫の良い対応なのかと言いたくなります。
 民進党の野田幹事長は5月の4党党首会談で合意された安保関連法の廃止などを引き続き目指す考えを示したものの「民進党の理念、政策をしっかり打ち出していく」と述べたそうです。文書で政策協定を結べば、それがやりにくくなるとでも思ったのでしょうか。
 また、共産党の小池書記局長は民進党の候補について「野党の統一候補だ」と強調したそうですが、当の野田幹事長は「どういう解釈で応援していただくかは各党の立場による」と述べるにとどめました。ここでも民進党の腰の引けた対応が際立っています。
 
 しかし、不十分な形であるとはいえ参院選の1人区に続いて「野党の統一候補」が実現し、市民と野党4党の共闘が可能になったわけですから、全力で統一候補の当選を目指していただきたいと思います。その条件は十分にあります。
 東京10区での自民党公認で出馬する若狭勝衆院議員は党都連が豊島・練馬両区議計7人に離党勧告を行い除名も検討していることに対して「著しくバランスを欠く」と批判し、もしこれらの区議が除名された場合、補選に当選しても自民党を離党する考えを示しています。若狭さん自身も都知事選で自民党推薦ではなかった小池さんを支援し、二階俊博幹事長から口頭で厳重注意されるなど、自民党内部はギクシャクしています。
 他方、福岡6区でも、自民党福岡県連会長の長男で参院議員秘書の蔵内謙さんと鳩山邦夫さんの次男で前福岡県大川市長の鳩山二郎さんのいずれも公認せず、候補者一本化の調整を断念しました。自民党は当選した方を追加公認する方針ですが、保守分裂選挙となることは避けられません。
 
 野党の側は統一して候補を立てるのに、与党の側は内部がギクシャクしていたり、分裂していたりという弱みを持っています。チャンスではありませんか。
 ぜひ、このチャンスを生かしていただきたいものです。参院選で示された市民と野党との共闘の威力を補選でも再現することができれば、腰の引けている民進党に活を入れ、来る衆院選での野党共闘実現に大きな弾みをつけることは間違いないのですから。