2016年10月23日日曜日

東京・福岡の補選で野党共闘を避ける民進党執行部

 最終盤になった東京・福岡の補選でも民進党執行部は一貫して野党共闘に前向きではありません。
 市民団体が呼びかけた19日の福岡での4党合同演説(会)にも蓮舫代表は顔を見せず、時間差をつけて志位共産党委員長と新井富美子候補(民進党)が選挙カーの上で並ばないようにと画策しました(実際には志位氏が予定より早く到着したため並びましたが・・・)。
 
 20日には東京・池袋駅前で4党の合同演説(会)が行われましたが、ここでも肝心の鈴木庸介候補は参加しませんでした同候補は池袋駅前のすぐ近くを候補車カーで回っていたのですが「党本部から連絡がなかったので合流しなかった」ということです。
 
 選挙区の情勢はどちらも自民党の候補が優勢だというのに民進党の執行部は一体何を考えているのでしょうか。
 
 共産党の志位委員長は次の衆院選挙での民進党などとの連携について、党の候補者を一方的に取り下げることはないとして、選挙区での候補者の一本化に向け各党が推薦を出すなど、相互協力が必要だという考えを強調しました。そして「民進党共産党が呼びかけている『国民連合政府』に反対するなら、どういう政権構想を考えているか示してもらいたい」と述べました。 
 志位委員長の参院選での野党共闘の提案は大変な英断でしたが、今回の補選における民進党執行部の傲慢な態度を見せつけられれば、そういう対応にならざるを得なくなります。
 
 反共の権化とされる連合の神津里季生会長は20民進党の蓮舫代表が米山隆一氏の応援に駆けつけたことについて、(自民候補を不利にさせるのに)「火に油を注ぐようなものだった」と述べ批判するとともに、衆院選で共産党を含めた野党共闘に対して「本来、政策協定は政策全般にわたって同じような方向性がなければ成り立たない」と述べ、民進党執行部が安易に共産党と合意を結ばないよう求めました
 党同士の方針が、政策全般にわたって同じような方向性を持っているのであれば合同すればよいわけで、彼の発言は単に共産党と一緒に行動するなということを言い換えたものに過ぎません。
 これまで通り民進党が自民党の補完勢力であればわが身も安泰ということでしょうか。民進党はそんな特異な人物の言うことにいつまで唯々諾々と従おうというのでしょうか。
 
 日刊ゲンダイ、NHK NEWS WEB、産経新聞の記事を紹介します。
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東京・福岡補選でも…野党共闘の足並み乱す民進幹部の愚
日刊ゲンダイ 2016年10月22日
 これじゃあ不戦敗も同然だ。投開票まで残り2日の衆院東京10区と福岡6区の補選をめぐり、民進党執行部のチグハグ対応が野党共闘の足並みを乱している。いずれも民進候補に一本化したが、支持基盤の連合を気遣って共産、自由、社民の推薦を拒否。そのくせ、票だけせがむダブルスタンダードを平然と続けているのだ。
 投票日が迫る19日、福岡・西鉄久留米駅前でようやく野党4党幹部による合同演説が実現。共産は志位和夫委員長が駆けつけたのに、民進が出したのは蓮舫代表ではなく、安住淳代表代行だった。
 
「市民団体の呼び掛けで形になったのですが、民進の対応は見苦しかった。連合福岡などの“共産アレルギー”に配慮して、志位委員長と新井富美子候補が並ぶことのないように、登場時間を調整したのです。偶然なのか、志位委員長が予定より早く到着して結局5人が揃ってしまい、民進関係者は冷や汗をかいていた」(地元メディア関係者)
 
 東京・池袋駅前で20日行われた合同演説はさらにお粗末だった。志位委員長に加え自由党の山本太郎代表も足を運んだが、民進は安住氏が再登板。肝心の鈴木庸介候補は不在だった。
「党本部から連絡がなかったので、こちらはこちらで遊説していました」(選対事務所関係者)
 
 補選を密着取材するジャーナリストの横田一氏は言う。
「東京10区はグチャグチャです。野田幹事長は共産嫌いだし、馬淵澄夫選対委員長も距離を置いている。現場を仕切る都連の松原仁会長や長島昭久幹事長は毛嫌いしている。合同演説の時間帯、鈴木候補は池袋まで電車で10分ほどの場所を回っていた。スケジュール調整がつかないはずがない。都知事選で対立した若狭勝候補の応援に小池知事と安倍首相が並び立つ自民党とは雲泥の差です」
 
 自由党の小沢一郎代表が「支持母体の連合言うことを一から十まで聞くなら出先機関になる」とチクリとやるのも当然だ。
「連合にも共産にもいい顔をしたい党執行部は野党共闘を打ち出す場面では蓮舫代表を隠し、安住代表代行に任せている状況なのです」(民進党関係者)
 新潟知事選の勢いはどんどん削がれていく。
 
 
共産 志位氏 衆院選連携で一方的に候補者取り下げず
NHK NEWS WEB 2016年10月22日 
共産党の志位委員長は東京都内で講演し、次の衆議院選挙での民進党などとの連携について、党の候補者を一方的に取り下げることはないとして、選挙区での候補者の一本化に向け各党が推薦を出すなど、相互協力が必要だという考えを強調しました。
この中で、共産党の志位委員長は民進党などとの野党4党の連携について、「参議院選挙の際は、まずは野党共闘を軌道に乗せるため、党の候補者をほとんど降ろした。降ろしてもまとめるという立場で臨んだことは正しかった」と述べました。
そのうえで、志位氏は次の衆議院選挙について「本来は選挙協力とは相互的なもので、共産党の候補者を一方的に降ろすことは全く考えていない。譲るところは譲るという本気の共闘を実現してこそ、選挙に勝ち安倍政権を倒すことができる」と述べ、候補者の一本化に向け各党が推薦を出すなど、相互協力が必要だという考えを強調しました。
一方、志位氏は「民進党の中には、『理念や政策が違うところとは、ともに政権を目指さない』という声があるが、共産党が呼びかけている『国民連合政府』に反対するなら、どういう政権構想を考えているか示してもらいたい」と述べました。 
 
 
連合・神津里季生会長、民進・蓮舫代表の応援
「火に油を注ぐようなものだった」 対応を批判
産経新聞 2016年10月20日
 連合の神津里季生会長は20日の記者会見で、民進党の蓮舫代表が新潟県知事選で、党が「自主投票」と決めたにもかかわらず米山隆一氏=共産、自由、社民推薦=の応援に駆けつけたことについて、「(与党系候補を支援した)連合新潟にとっては、火に油を注ぐようなものだった」と述べ、対応を批判した
 神津氏は、知事選の告示前に連合新潟が民進党の候補を擁立するよう求めたにもかかわらず、党新潟県連が擁立断念を決めたため、連合は与党系候補の支援に回ったと説明。「米山氏の出馬で連合は最後にはしごを外された形だが、『自主的な判断』として民進党のさまざまな人が応援にいく。県連に対する不信感が残った」と語った。
 神津氏は、原発に関する連合の基本政策について「国の原子力規制委員会で安全が確認され、地元住民の同意があるものは再稼働すべきだというのが基本的な流れ」と説明。さらに共産党が次期衆院選で野党共闘する際に、原発政策を共通政策に盛り込もうとしていることについて「本来、政策協定は政策全般にわたって同じような方向性がなければ成り立たない」とも述べ、民進党執行部が安易に共産党と合意を結ばないよう求めた