2016年10月14日金曜日

14- 年金減額法を無年金者救済法案と一緒にと 自民党

 年金受給必要な保険料支払期間を、現行の25年から10年に短縮する『無年金者救済法案』は、野党も多年成立を求めてきたもので、これで64万人の無年金者が救われます
 ところが自民党は、「物価」の変動に合わせて変動させるべき年金支給額を、今後は「物価」と「賃金」のうち下落幅が大きい方に合わせて減額さ、最悪、物価が上がっても“強制減額”させるように改悪する法案と抱き合わせで、強行成立させようとしているということです。
 そもそも年金支給額は自民党が勝手に削っていいものではありません。上記の2法案はどう考えても別々のものであって別々に審議すべきものです。それなのに救済法案を人質にして両法案を成立させるというのはあまりにも狡猾です。
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自民が狙う年金「強制減額」 無年金者救済法案を“人質”に
日刊ゲンダイ 2016年10月13日
 国民の年金を何だと思っているのか。安倍政権が臨時国会で成立させようとしている悪評ふんぷんの「年金制度改革関連法案」。現在、公的年金の支給額は「物価」の変動に合わせて上下しているが、この法案が成立すると「物価」と「賃金」のうち下落幅が大きい方に合わせて減額され、最悪、物価が上がっても“強制減額”されてしまう。安倍政権はこんな悪法を“無年金者救済法案”と抱き合わせで強行しようとしているのだ。
 
 民進党国対幹部はこう言う。
「年金を受給するのに必要な保険料支払期間を、25年から10年に短縮する『年金機能強化法改正案』は、民進党が長年、成立を求めてきたものです。これで64万人の無年金者が救われる。ところが自民党は、“無年金者救済法案”は、“減額法案”とセットでなければ審議に応じないというのです。安倍総理自身も5日の参院予算委で『セットで審議を』と言っていた。“減額法案”単独では、野党が採決に応じないということが分かっているからです。両法案を分割することを求めても、聞き入れる様子はありません」
 強化法改正案が成立すれば、来年10月にも約64万人の無年金者が年金を受け取れるようになる。厳しい生活を送る高齢者にとっては、法案成立の可否は死活問題と言っていい。
 それに対し、“年金強制減額法案”はヒドイ中身だ。厚労省の出したデータを基に試算した民進党の井坂信彦衆院議員によると、「仮に“減額法案”が10年前に成立していたとしたら、10年前に比べ現在の年金額は5・2%減っていた可能性がある」という。
 
 経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「政府は年金給付額を絞るため、“無年金者救済法案”と“減額法案”を『アメとムチ』にしているようにしか見えません。1年3カ月で10兆円以上の損失を出したGPIFもそうですが、安倍政権は、年金を自分たちのサイフのように思っている。国民の不信感は募るばかりです。なぜこんな法案を成立させる必要があるのか、政府は国民に対し明確に説明する必要があります」
 
 無年金者を救いたければ、“強制減額”をのめ――人質を取ったようなやり方は許されない。