2016年10月7日金曜日

07- 広島平和宣言 51単語を分析 変遷をアニメーション化

 広島平和宣言を広島大の佐藤健一准教授(統計学)が分析したところ、時代ごとに特徴があることが分かりました
 12月22日まで広島医学部医学資料館で企画展を開催し、宣言で使われた言葉の変遷をアニメーション化した動画を公開しています
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広島「平和宣言」51単語を分析
          広大准教授、動画公開
  毎日新聞 2016年10月6日
 佐藤准教授は、1947年以降の平和宣言に使われたすべての単語のうち、多用された51単語の使用頻度を統計学的に分析した。すると、
(1)一時期増加し、近年は減少
(2)69年間何度も使われた
(3)年々増加している
(4)50〜70年代に増加
 の4グループに分類できた。
 
 分析結果によると、原爆投下後の45年9月から、占領軍のプレスコードにより原爆に関する報道が規制され、核兵器廃絶や原爆の犠牲に関する表現が控えられた影響がうかがえる。また、東西冷戦が終結し、1990年代初頭に旧ソ連や米英両国が地下核実験を停止したため、このころの平和宣言は核実験に対する懸念や軍縮に対する期待が表れていることが統計データで示されたという。
 
 今回製作された動画は、グループごとに色分けして単語の散布図をつくり、年とともに単語の使われ方がどう変化するかを視覚的に示した。多く使われた単語ほど大きく、中心に集めた。
 例えば、「国家」や「連帯」は時代とともに使用頻度が低くなり、動画では画面の外側に出ていってしまう。一方、使用頻度が高くなっていく「広島」「世界」「人類」はだんだんと中央に近づき、大きくなる。
 
 佐藤准教授は「平和宣言は、その時代をスナップショットのように捉えるだけでなく、変わらずに訴えている内容もある。宣言に興味を持つきっかけになればうれしい」と話す。
 企画展は12月22日まで。入場無料。動画のほか、過去の平和宣言でどのような内容が語られたかを示す一覧表も展示している。資料館の開館は午前10時〜午後4時(日曜、休日は閉館)。【山田尚弘】