2016年9月22日木曜日

共産が野党共闘の協議を呼びかけ 民進党役員人事は「野田色」が前面に

 共産党の志位委員長は党の中央委員会総会で、次の衆議院選挙で野党共闘が実現すれば、多くの小選挙区で与野党の逆転が可能だなどとして、民進党などに対して連携強化に向けた協議を始めるよう呼びかける考えを示しました。また民進党の蓮舫代表が「綱領や理念などが違う党と連立は組まない」と述べていることについて、「野党連合政権は国民の切実な要求と利益にかなう当面の一致点:『安保法制廃止、立憲主義回復』という、直面する国民的な大義を実行するためのものだ」と反論しました。
 
 一方民進党の蓮舫代表は、「私はバリバリの保守ですよ。みんな間違っているけど。野田佳彦前首相並みの保守ですよ」と代表選挙中に語っていましたが党新執行部の陣容を野田幹事長に近い議員で固め21日の両院議員総会に提案しました。彼女は全ての党所属議員の力をいただき、今の政権に対峙する政党になる第一歩にしたい」と意気込んでいた筈ですが、党役員人事が野田政権時の顔触れと重なる陣容では「全員野球」からはほど遠いと言わざるを得ません。両院議員総会に出席した議員は全体の半数に満たない70人程度でした
 野田主導の人事であれば必然的にそうなるのに、彼女はその感覚に全く違和感を持っていないようです。そうであれば「新世代」などを標榜すべきではありませんでした。
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共産 志位委員長 野党共闘の協議を呼びかけ
NHK NEWS WEB 2016年9月20日
共産党の志位委員長は党の中央委員会総会で、次の衆議院選挙で野党共闘が実現すれば、多くの小選挙区で与野党の逆転が可能だなどとして、民進党などに対して連携強化に向けた協議を始めるよう呼びかける考えを示しました。
 
この中で志位委員長は次の衆議院選挙について、「野党共闘が実現すれば、多くの小選挙区で与野党が逆転し、情勢を大激変させ、現在、与党が握っている憲法改定に必要な国会の基盤を崩すことは十分可能だ」と指摘しました。
そのうえで、志位氏は「衆議院選挙で野党共闘をさらに発展させるために、民進党、社民党、生活の党に対して真剣な協議を開始することを呼びかける」と述べました。
一方で志位氏は、民進党の蓮舫代表が「綱領や理念などが違う党と連立は組まない」という考えを示していることについて、「野党連合政権は選挙での共闘よりも、さらに進んだ共闘となるが、国民の切実な要求と利益にかなう当面の一致点で力を合わせることに変わりない。『安保法制廃止、立憲主義回復』という、直面する国民的な大義を実行するためのものだ」と反論しました。そして、志位氏は次の衆議院選挙では、比例代表で850万票、得票率15%以上を目標に掲げ、立候補予定者の決定を急ぐ考えを示しました。
 
 
新執行部、「野田色」前面=民進、結束に不安も
時事通信 2016年9月21日
 民進党の蓮舫代表は新執行部の陣容を、野田佳彦幹事長に近い議員で固めた代表選を通じて訴えた「新世代」のイメージに乏しいのは否めない。党内では「全員野球になっていない」(閣僚経験者)と批判が出ており、新執行部は結束に不安を抱えたまま、26日召集の臨時国会に臨む。
 
 蓮舫氏は役員人事を提案した21日の両院議員総会で、「全ての党所属議員の力をいただき、今の政権に対峙(たいじ)する政党になる第一歩にしたい」と意気込んだ。ただ、出席した議員は全体の半数に満たない70人程度だった。
 蓮舫氏が野田氏と相談して決めた顔触れは、野田政権時の顔触れと重なる。大串博志政調会長は首相補佐官を務め、山井和則氏は当時も国対委員長だった。政調会長代理だった馬淵澄夫選対委員長は野田グループに所属していたことがあり、「今でも野田氏との関係は良好」(周辺)という。
 副総理として政権運営に参画していた岡田克也前代表は常任顧問に就任。「常任幹事会の構成員として党の意思決定に参画する」(党規約)という重要ポストで、今後も党運営に影響力を残す。岡田氏に近い安住淳前国対委員長も代表代行に就き、引き続きに国会対応に目配りする。
 一方、代表選を蓮舫氏と争った前原誠司元外相は、常任顧問の打診を受けたが固辞。21日の両院議員総会も欠席した。
 新執行部について、ある中堅議員は「蓮舫氏の意向は『野田幹事長』だけで、他の人事は全て野田氏が決めているのだろう」との見方を示した。代表選で蓮舫氏を支持した議員も「リベラル系が少ない」と不満を漏らしており、同氏にとっては早速、求心力の維持が課題となりそうだ。