2016年9月23日金曜日

23- 高野孟氏が野田佳彦批判の決定版を!!

 ジャーナリストの高野孟氏が、民進党の野田幹事長批判の決定版とでもいうべき記事を出しました。日刊ゲンダイの連載物:「永田町の裏を読む」の記事で、字数に制約があるため極めて簡略にですが、彼の首相時代の罪悪を7項目にまとめてあります。
 
 それを読むと野田佳彦が自民党の考え方や政策と全く変わるところがないことがよくわかります。野田は松下塾を卒業して政治家になるときに自民党入りを希望したのですが、選挙区の空きがなかったためやむを得ず民主党に転じたと言われています。その後は一応民主党議員ではあったものの、その政策や考え方は自民党議員そのものであったわけです。

 そもそも彼は財務省の絶大なる得票活動のお蔭で首相になれたので、その後は財務省の傀儡になるしかなかったという面があるのですが、普通は良心があるのでそこまで徹底して傀儡に化することはできません。彼の見事な徹底ぶりを見ると実はそれが本性であったのだと思われます。
 
 高野氏は鳩山由紀夫氏と長年の親交があり、民主党結成時のブレーンでもありました。それで民主党政権に対しては取り分け深い愛着を持っていただけに、民主党の理念を全てかなぐり捨てた彼の裏切りは許せなかったものと思われます。
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安倍悪政の下地つくった戦犯が幹事長 自公民大連立の悪夢
 高野孟 永田町の裏を読む 日刊ゲンダイ 2016年9月22日
「野田佳彦幹事長」には驚いた。旧民主党OBの何人かと話をすると、みな「安倍政権下で起きている悪いことのほとんどは、野田政権時代に始まった。そのことを蓮舫新代表は知らないとでも言うのだろうか」と怒っている。その通りである。
 
 第1に、安保法制。野田政権の国家戦略会議フロンティア分科会は12年7月、憲法解釈を変えて集団的自衛権を行使を認めるべきだと提言し、それを「能動的な平和主義」と名付けた。それと連動して自民党もほぼ同時期に「国家安全保障基本法(概要)」を発表して政権交代後に備えた。
 
 第2に、武器輸出。藤村修官房長官は11年12月、佐藤・三木両内閣以来の武器輸出3原則を見直して「包括的な例外協定」案を発表した。それを受けて安倍は14年4月、同3原則を廃止した。
 
 第3に、オスプレイ配備。米国の言いなりで受け入れ、12年10月に沖縄に配備を強行させた。
 
 第4に、尖閣国有化。12年9月、中国への根回しを欠いたまま尖閣諸島の国有化に踏み切り、日中関係が一気暗転、安倍政権の扇情的な「中国脅威論」キャンペーンに絶好の材料を提供した。
 
 第5に、原発再稼働。野田内閣は12年6月、3.11後初めて大飯原発3、4号機の再稼働を決定し、7月から運転させた。また同時に、再稼働の「新安全基準」を定め、それを担う「原子力規制委員会」を設置する法案を成立させた。同委員会は12年9月に発足し、せっせと再稼働推進に取り組み始めた。それを受けて安倍は、全面的な原発復活・輸出路線に突き進んだ。
 
 第6に、TPP。最初に「参加を検討する」と言ったのは菅直人首相だが、野田は11年11月「参加のため関係国と協議に入る」と表明、12年に入り各国に政府代表団を派遣し始めた。それを引き継いで安倍は13年3月、TPP参加を正式表明し、甘利明特命大臣を任命して交渉をまとめさせた。
 
 第7に、消費増税。野田内閣は12年2月に「社会保障・税一体改革」大綱を閣議決定し、8月に「14年に8%、15年に10%」とする消費税法改正案を成立させた。これをめぐる安倍との駆け引きの中で、やれば負けると分かっている解散・総選挙を打って、同志173人を落選させ、安倍に政権をプレゼントした。
 
 その野田が蓮舫の傀儡師になって、一体どのように自民党と対決して政権を奪い返すというのだろうか。見えているのは「自公民大連立」という悪夢の予兆だけである。