2016年8月6日土曜日

安倍政権は「高齢者の未来を奪う内閣」

 安倍内閣が改造時に謳う独りよがりのネーミングには国民はもはや何の関心も払いませんが、先の「1億総活躍社会」という空虚なネーミングに続いて今回の改造ではナント「未来チャレンジ内閣」と名付けたということです。
 
 政府はこれまで異次元緩和と称して300兆円もの資金を投じて円安株高を演出し、デフレから脱却しようとしましたが、所謂『アベノミクス」で恩恵を受けたのは一部の富裕層(株主)と企業だけで、「国民のデフレマインド」には何の変化もありませんでした。そもそも国民の所得が低下し将来への不安材料しかない中で、国民の消費行動が促される筈はありません。
 
 政府は一体何にチャレンジするというのでしょうか。
 日刊ゲンダイが、安倍政権がいま考えている「要介護・要支援高齢者」に対する締め付けの過酷さを取り上げました。
 その冷酷な収奪ぶりとその結果の行き着くところを考えると、「アベノミクスのエンジンを吹かしてデフレから脱却する」などというのは本当にタワゴトというしかありません。
 日本の未来には何の期待も持てません。
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弱者切り捨て 安倍首相が「未来チャレンジ内閣」騙る笑止
日刊ゲンダイ 2016年8月5日
「ヒロシ&キーボー」のヒット曲「3年目の浮気」の歌詞じゃないが、「バカ言ってんじゃないよ」と突っ込みを入れたくなった国民も多いだろう。安倍首相が3日に改造した内閣について「未来への責任を果たしていく。この内閣はいわば『未来チャレンジ内閣』だ」と名付けたことだ。
 前回の内閣改造時も、安倍首相はなんて言って勝手に盛り上がっていたが、今回ほど酷いネーミングはない。安倍政権が進めているのは「未来への責任を果たす」どころか、「未来を奪う」政策ばかりだからだ。
 
■安倍政権の現実は「未来収奪内閣」
 日本は今、超が付く少子高齢化社会に突き進んでいる。安倍首相が本気で「未来」を考えているのであれば、何よりも取り組むべきは「未来の安心」=社会保障制度の充実だろう。ところが、安倍政権がやっていることは真逆で、社会保障をバンバン削りまくっている。
 “狙い撃ち”されているのは高齢者だ。これまでも、70~74歳の窓口負担を1割から2割に引き上げ、療養病床の入院給食を1食260円から460円に引き上げるなどの制度改悪を進めてきたが、今後、さらなる引き締めを図る考え。とりわけ高齢者が震え上がっているのが、来年の介護保険法改正に向けて検討されている、車いすや杖といった福祉用具貸与の給付が「要介護3以上」になることだ。
 
「現在、要支援1、2の高齢者は介護保険を利用すれば月数百円で車いすをレンタルできます。これがすべて自腹になると費用は数十倍にハネ上がるほか、ヘルパーを依頼しなければならず、その費用負担も重くなる。日本福祉用具供給協会の調査だと、用具貸与からヘルパーに切り替えると、利用者の支払う金額は低く見積もっても総額1370億円増える。制度改正されたら、これまで気軽にレンタルしてきた車いすに乗れなくなるため、引きこもり状態になるお年寄りも出てくるでしょう」(都内福祉業者)
 同協会のホームページによると、全国の都道府県議会、市町村議会で福祉用具貸与制度の現行維持を求める意見書が可決されているが、安倍政権は知らん顔だ。
 
「未来の保障」であるはずの年金積立金だって、安倍政権は株式投資の比率を引き上げ、昨年度は約5兆円もパーにした。一体どこが日本の「未来」を見据えた政策なのか。経済評論家の荻原博子氏はこう言う。
「安倍政権が大事にしたい未来とは、安倍首相が総裁任期を延ばしてやりたい放題やろう――という自分たちの未来であって、国民生活の未来と何ら関係ありません」
 安倍政権には「未来収奪内閣」という言葉こそピッタリだ。