2016年8月30日火曜日

30- ヒラリー・クリントンは極め付きの好戦派 +

 安倍内閣の女性閣僚の面々を見れば、いまや「女性は平和の使徒」などと見る人はいません。
 オバマ大統領府にはビクトリア・ヌーランドという女性の国務次官補がいて、欧州・ユーラシアを担当していますが、彼女も極め付きの好戦派で、先のウクライナにおけるクーデターの際には実際に現地に赴いて親米派の連中とその段取りを打合せしました。彼女はヒラリー・クリントンと極めて親しい間柄だと言われています。
 
 ロナルド・レーガン大統領時代に経済政策担当の財務次官補を務めた著名なコラムニスト:ポール・クレイグ・ロバーツ氏も、ヒラリー・クリントン大統領候補を「最右翼の好戦派」と批判してやみません。
 「マスコミに載らない海外記事」で取り上げた彼の記事だけでも、8月だけで実に8本の記事でヒラリー・クリントンを取り上げています。
 下にその一覧を示しますが、このうち茶色文字で表示した記事では、ヒラリーのことを「ヒトラリー」と呼んでいます。かつてのナチスドイツのヒトラーと重ね合わせた呼び名であるのは言うまでもありません。
 
8月29日 トランプ 対 ヒラリー:最終弁論
8月20日 ロシア人を殺す-元CIA副長官、アメリカの二枚舌を明確化
8月19日 先細りの環太平洋協定:アメリカ選挙と自由貿易の政治的駆け引き
8月18日 ヒラリー・クリントンン-歴史は繰り返すだろうか
8月13日 冷戦と新冷戦再考
8月6日  帝国の亀裂
8月5日  民主党:マッカーシーとリンドン・ジョンソンの党
8月3日  アメリカ政府が子供を拷問というヒューマンライツウォッチ報告書
 
 29日の記事は「トランプ 対 ヒラリー:最終弁論」と題しています。
 これが彼女を取り上げる最後の記事になるとはとても思えませんが、これまでの批判を一旦総括するという意思のもとに題したものと思われます。
 櫻井ジャーナルの記事も併せて紹介します。
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トランプ 対 ヒラリー最終弁論
マスコミに載らない海外記事 2016年8月29日
Paul Craig Roberts 2016年8月25日
今年11月のアメリカ大統領選挙で、アメリカ国民の大多数が、救いようのないほど愚かなのかどうかが分かる。もし有権者がヒラリーを選べば、アメリカ国民は救い難いほど愚かであることを我々は知ることになる。
トランプについて我々は良く知らず、事実ではなく、反トランプ・プロパガンダが支配している。
だが我々はヒラリーに関しては多くの事実を知っている。彼女が機密種別分けの法律に違反したこと、民主党政権が、それについて何をするのも拒否したことを我々は知っている。民主党は、法律を実行するよりも、ホワイト・ハウスの支配を優先して、アメリカにおける法の支配が横たわっている柩に、とどめの釘を打ち込もうとしている。
彼らの言動、そして物質的成功から、クリントン夫妻が、ウオール街、巨大銀行、軍安保複合体、イスラエル、アグリビジネスや、採取業界の代理人であることを我々は知っている。二人の膨大な個人的財産、約1億2000万ドルと、夫妻財団の16億ドルの大半が、政治的便宜を計らう見返りに、海外から得たものであることが、クリントン夫妻は、アメリカを支配している、実際、オーストラリアから、日本、北アメリカや、ヨーロッバや、東欧、そしてロシア国境に到るアメリカ帝国を支配しているひと握りの集団の代理人なのだという疑いようのない事実を証明している。
 
ヒラリーが、夫のビル同様、ウソつきなのを我々は知っている。
ヒラリーが、戦争屋なのを我々は知っている。
ヒラリーが、これまでの大統領候補によるものの中で、最も無責任な発言で、ロシア大統領は、“新たなヒトラー”だと宣言して、核大国間の緊張を、冷戦時代の緊張よりも高いものにしたことを我々は知っている。
ヒラリーがネオコンと手を組んでおり、アメリカの世界覇権というネオコン・イデオロギーに対する彼女の思い込み ロシアと中国との戦争をもたらす結果になる可能性が高いことを我々は知っている
 
我々が、トランプについて知っていることと言えば、巨大な政治力持ったひと握りの支配集団、アメリカの雇用を外国に送り出した連中、アメリカを、なかなか同化しない移民だらけにした連中、公教育を破壊した連中、ウオール街や“大き過ぎて潰せない銀行”を救った連中、アメリカの自宅所有者や、固定した収入で暮らす退職者を犠牲にした連中、社会保障もメディケアも、民営化するのを狙っている連中、市民を殺害する警官や、容赦ないプライバシー侵害や、世界最多の刑務所収容者を生み出し、アメリカ国民に対する行政権力を強化する為、アメリカ憲法を破壊した連中が、トランプに猛烈に反対しているということだけだ。この反対が、トランプこそ、我々が大統領執務室にいて欲しいと思う人物であることを語っている。
 
全ては茶番で、トランプは、ヒラリーを選出するための役を演じていると主張する人々もいる。アメリカ政治は、実に腐敗しているので、どんなこともあり得る。だが、支配層エリートと連中の傀儡は、自分たちの支配に対する、トランプの挑戦を本気で懸念しているように見えるし、連中は、トランプ反対で団結している。連中は大金を使って、“進歩派”ウェブサイトを買収し、印刷媒体とTVに金を出して、反トランプ・プロパガンダをインターネットに進出させ、インターネットの売女マスコミと、印刷媒体、TVと、NPRの売女残業させて、トランプを悪魔化し、ヒラリーを選ばせようとしている
 
アメリカの権力構造丸ごと、ヒラリー支持だ。既存政治勢力の民主党も共和党も、ネオリベラルと、ネオコン双方のイデオロギーも、ヒラリー支持だ。
ヒラリーへの投票が自らの無力化への賛成投票であることを悟るのに、アメリカ国民は、これ以上どれだけ証拠が必要なのだろう?
どうやら、アメリカ人は、その無頓着さの虜になったままのようだ。ニュース報道によれば、有権者の大多数は、ヒラリーに投票した結果がどうなるのか、いまだに分かっていない。世論調査はヒラリーが大差でリードしていると報じている。こうした報道は本当の世論調査なのだろうか、それともトランプ支持者を落胆させるための売女マスコミによる、もう一つのウソなのだろうか? もう負けているのだから、投票に行っても無駄だよと。
 
トランプに対するプロパガンダ攻撃は実に激しかったが、共和党予備選挙では成功しなかった。マスコミによるトランプ非難にもかかわらず、他の共和党候補者連中を、彼は易々と一掃した。
現在のマスコミによるトランプの悪魔化も失敗する可能性がある。実際、あまりにあからさまなので、彼が選ばれそうなくらいだ。
 
もっぱら必要なのは、十分な人数のアメリカ国民を無頓着さから目覚めさせ、トランプに激しく反対している連中は、自分自身の生活、自分自身の生活水準や、自身の自由に対する敵であると認識させることだ。
もしアメリカ国民がこの理解に至れなければ、彼らに未来はなく、地球にとっても、未来はない。
ひと握りの支配集団は、彼がロシアとの戦争を否定し、NATOの目的に疑問を投じ、アメリカ人の雇用の海外移転に反対し、アメリカ合州国を、まとまりの欠けた多文化組織へと変えつつある野放しの移民に反対しているがゆえに、トランプを憎悪しているのだ。巨大な政治力持ったひと握りの支配集団は、アメリカ合州国をバベルの塔に変えようとしている。まとまりのない多様性の中では、ひと握りの支配集団の力が指数関数的に増大する。
言い換えれば、トランプは、アメリカのため、アメリカ人のためを思っているのだ。
ひと握りの支配集団と、連中のたいこもちが、トランプを憎悪するのはこれが理由だ
 
ヒラリーに投票する大間抜けなアメリカ人は、戦争と自分自身の貧困化に投票しているのだ。
トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある。しかしトランプの場合は、それが確実かどうかは分からない。ヒラリーの場合、我々はまず確実にそうと分かっている
もちろん、アメリカ人の投票だけが問題ではない可能性もある。電子投票装置をプログラムする連中が、投票結果を決定し、二大既存政治政党の支配層は、全面的に、トランプに反対なので、そのようにプログラムされた装置がヒラリーを選ぶ可能性はある。わが国の選挙の実績から、我々はそれを知っている。アメリカは、既に、出口調査でわかる勝利候補者が、投票用紙の証拠を残さず、票を確認する方法がない電子投票装置によって選ばれた候補者と異なる選挙を経験している
 
もしヒラリーが大統領執務室入りすれば、一期目の任期終了前に、核戦争になる可能性がある。ヒラリーへの投票は、核戦争への投票だ。
来る選挙を、現実的な目で見れば、売女マスコミ丸ごとと、アメリカ支配体制は、有権者によって、政府に対する支配を失うリスクより、核戦争のリスクを好んでいると結論する以外の道はないことがわかる。
アメリカ人が、責任を負わない権力の勃興を許してしまった事実から、我々が知るべきなのは、国民による職務怠慢のかどで、アメリカ合州国民が有罪だということだ。アメリカ人は、責任を負う政府を必要とする民主主義を維持しそこねたのだ。アメリカ政府は、自ら、アメリカ憲法にも、アメリカ法にも、国際法にも、有権者にも、説明責任を負わないことを証明している。
もし、アメリカ国民の職務怠慢の結果が、核戦争なのであれば、アメリカ国民は、地球の死にも責任があることになる。これだけ重い責任を背負えば、アメリカ国民とて、疑う余地のない戦争候補者を拒否し、彼の発言に責任を取らせるべく、トランプに賭けてみても良いではないかと思いたくなる。
 
Paul Craig  Roberts
  元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
 
ヒラリーが親しいリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドが結婚する直前にビル政権が好戦的に    
櫻井ジャーナル 2016年8月30日
 自分自身の電子メールを大量に消去したヒラリー・クリントンだが、消したはずのメールがWikiLeaksなどによって公表されている。彼女が頻繁に連絡している人物のひとりがリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドだ。
 この女性は1998年に開かれたビルダーバーグ・グループの会合で知り合った23歳年上のエベリン・ド・ロスチャイルドと2000年にロンドンで結婚している。ふたりを結びつけた人物はヘンリー・キッシンジャー。このタイミングは興味深い。
 
 本ブログでは何度か書いているが、戦争に消極的だったビル・クリントン大統領を戦争へと導いたのはヒラリー。彼女は親しくしている好戦派のマデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)を夫の政権へ引き込んでいた。ヒラリーは上院議員になって間もない頃、イラクへの軍事侵攻にも賛成していた。
 オルブライトは1997年1月から国務長官を務め、99年3月のNATO軍によるユーゴスラビアへの先制攻撃につながっている。言うまでもなく、ヌランドは選挙で選ばれたウクライナの政権をネオ・ナチのクーデターで破壊した人物だ。以前にも書いたが、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの弟子。
 
 1997年当時、クリントン夫妻はスキャンダル攻勢で経済的にも厳しい状況だったと言われている。その攻勢で黒幕的な役割を果たしていたのがメロン財閥のリチャード・メロン・スケイフ。情報機関やネオコンと近い人物だ。ネオコンのニュート・ギングリッチ下院議長(当時)の後ろ盾だったシカゴの富豪、ピーター・スミスもビル・クリントン攻撃に資金を提供していた。現在、クリントン夫妻は大金持ちである。