2016年7月14日木曜日

野党共闘の相乗効果 

統一候補得票数 大半の選挙区で4党合計票を上回る
 
 しんぶん赤旗が野党共闘の効果について分析しました。
 1人区32のうち28選挙区では、統一候補の獲得票数はその区の4野党の比例票合計よりも上回り、野党共闘の相乗効果は明瞭でした。因みに新潟選挙区の森ゆうこ氏の得票数は4野党の比例票合計の26%増しでした。
 毎日、朝日、東京、産経などの各紙も、野党統一化による相乗効果を認めています。
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“共闘効果”一目瞭然 得票 4野党の比例票合計超す
しんぶん赤旗 2016年7月13日
 国政史上初めて32の1人区すべてで市民と野党4党が共闘し、11選挙区で野党統一候補が勝利した参院選挙。前回参院選(2013年)の野党候補の当選は2だったので、プラス9議席の大幅増です。共闘効果はまた、議席だけでなく、票数でも顕著にあらわれており、メディアも「共闘『足し算』以上」(「毎日」12日付)などと報じています。「『1+1』が『2』ではなく、それ以上となる“共闘効果”が発揮」(日本共産党中央委員会常任幹部会声明)されたことは明らかです。
 
 野党共闘の効果は、今回の4野党(共産、民進、社民、生活)の比例票合計より、野党統一候補の出した票が多いことで証明されています。32選挙区中、28選挙区で増えています(グラフ 添付省略)。
 野党統一候補が当選した選挙区では、山形の舟山康江氏(無所属、元職)が4野党合計比で171%、沖縄の伊波(いは)洋一氏(オール沖縄、新人)が140%、青森の田名部匡代(たなぶまさよ)氏(民進公認、新人)が131%、新潟の森裕子氏(無所属、元職)が129%、宮城の桜井充氏(民進公認、現職)が126%と、“相乗効果”が強くあらわれました。
 
 また、惜しくも自民候補に敗れたものの、選挙戦最終盤まで大接戦だった愛媛選挙区の永江孝子氏(無所属、新人)の166%はじめ、長崎の西岡秀子氏(民進公認、新人)140%、福井の横山龍寛(たつひろ)氏(無所属、新人)138%、岡山の黒石健太郎氏(民進公認、新人)136%など、当選選挙区並みかそれ以上の数字が出ており、野党共闘を継続・発展させれば、今後、議席の獲得・奪還が現実のものとなる可能性があります。
 
野党共闘“相乗効果”各紙
 参院選で日本共産党、民進党、社民党、生活の党の4党が共闘し実現した野党統一候補。11選挙区で統一候補が与党候補に勝利したことを受け、12日付新聞各紙は共闘に成果があったと報じています。
 「共闘『足し算』以上」の見出しで選挙結果の分析を報じたのは「毎日」です。
 28選挙区で、統一候補の得票が野党4党の比例代表の合計得票を上回ったと指摘。「与党支持層の一部を取り込んだと見られ、選挙協力は単純な『足し算』以上の効果を生んだ」と分析しています。
 「朝日」も同様に4党比例得票と候補者の得票数の比較を「共闘達成率」としてグラフ化。2013年参院選では自民党が29勝2敗だった1人区で、共闘により野党が11勝したことを指摘。「32選挙区の平均の共闘達成率は120%」と効果を数字化しています。
 「東京」は都道府県ごとの投票率を分析。前回と比べ投票率の上昇幅が大きかった選挙区の上位を1人区が占めたとし、統一候補と自民党候補が事実上の一騎打ちになったことで「有権者の関心が高まった可能性がある」としています。
 「産経」は「1人区共闘で相乗効果」の見出しで、13年参院と比較して「野党が9選挙区で勝利を積み増した」とし、「得票率増が“逆転勝利”につながった」とみています。
 
 1人区選挙区の地方紙でも「『改憲阻止』野党共闘結実」(信濃毎日新聞)、「共闘効果 大票田制す」(東奥日報)、「共闘戦略奏功 組織力破る」(新潟日報)と共闘の成果とともに、市民との連携や無党派層への浸透をそれぞれ報じています。
 
 
政治考 野党共闘 政権打倒へ 可能性示す
しんぶん赤旗 2016年7月13日
 32の参院1人区でたたかわれた歴史的な市民と野党の初の共闘選挙。勝利した11選挙区をはじめ、安倍政治への批判の受け皿となった野党共闘は、どのような可能性を示したのか―。
 
「共闘が勝因」
 民進党の岡田克也代表の地元・三重選挙区で激戦を制した芝博一氏。開票から一夜明けた11日、民放テレビで激戦を振り返るなか、事務所で選挙結果を伝える「しんぶん赤旗」を広げる場面が映し出されました。「(自分の記事が)載っとるやん」「史上初だ」と記事を指さしました。共闘が新しい政党間の信頼関係をつくり出していることを示す1シーンです。
 
 自民党は岡田代表の地元でのたたかいを「天王山」などと位置づけ、安倍晋三首相はじめ政権・与党幹部を連続投入して、激しい押し上げをはかりました。伊勢新聞は「市民団体を介した野党候補の一本化」「共産との共闘が勝因」と強調しました(11、12日付)。
 
 安倍首相が3度も選挙区入りするなどして、激烈な競り合いとなった長野選挙区―。信濃毎日11日付は「『改憲阻止』野党共闘結実」との見出しを掲げ、野党統一候補の杉尾秀哉氏が「県内77市町村の76・6%に当たる59市町村でトップだった。衆院小選挙区別得票でも杉尾氏は全て最多」と指摘しました。県内の1~5区の全ての衆院小選挙区で、野党統一候補の得票が自公連合を上回ったとの指摘です。市民と野党の結束で「政治を変える」可能性が現実的に開かれる可能性を示しました。
 
与党揺るがす
 野党共闘の“威力”は与党を震撼(しんかん)させています。開票を受け、ある与党幹部は「(1人区で)数議席は取ると思っていたが、まさか11も負けるとは思っていなかった」と語りました。福島選挙区で落選した岩城光英法相は12日、敗因を分析し、「安倍政権を打倒する意味での野党共闘は、それなりの成果をあげると思う」と述べました。
 他方、激戦の末、当選した民進党議員の一人は「1人区での勝利は、共産党の英断と奮闘のおかげだ。本当に感謝している」と語ります。
 
 東北6県では5県で野党統一候補が勝利。東北6県のブロック紙・河北新報11日付は「東北 与党惨敗1議席 野党共闘、5県で奏功」の大見出しを掲げ、「野党共闘 無党派に浸透 東北6選挙区 5~7割占める」としました。
 
 震災復興の遅れ、農漁業を破壊する環太平洋連携協定(TPP)、アベノミクスの「成果」がまったく届かない―。「河北」12日付は、「政治の光が陰り、しぼむ人々の暮らし。野党共闘が花開く土壌は東北地方に広がっていた」と書いています。