2016年5月24日火曜日

御坊市長選で二階総務会長の長男が惨敗

 和歌山県御坊市長選で、自公推薦の形で出馬した自民党二階総務会長の息子が惨敗しました。人口2万5千人規模の市長選に、二階会長はもちろん、閣僚や稲田朋美小泉進次郎らが応援にはいるなどしたにもかかわらず7選目の現市長にダブルスコア近い大差をつけられて負けました。
 
 現市長は多選を理由に引退もささやかれていたのですが、傲慢で地元の評判も良くない二階氏の息子が市長になることだけは反対で、7選目に立ったと言われています。
 先の北海道5区衆院補選では、やはり評判のよくないという町田氏の後継者が無名の新人(野党統一候補)に辛勝したばかりです。どうも二世なら盤石という状況ではなくなっているようで、そのこと自体は健全なことです。一つは地方選であったとはいえ、この変化には自民党は心胆を寒からしめているのではないでしょうか。
 
 日刊ゲンダイと、各紙の記事を豊富に紹介するブログ:「日本がアブナイ!」の記事を紹介します。
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“王国”に激震 御坊市長選で自民・二階総務会長長男が惨敗
日刊ゲンダイ 2016年5月23日
 二階「王国」に激震が走っている。22日投開票された和歌山県御坊市長選で、現職の柏木征夫氏(75)が、自民党の二階俊博総務会長の長男、俊樹氏(51)を破り、7選を果たした。
 現役市長で全国最多当選となる柏木氏。県職員時代に二階総務会長の要請を受け、92年に出馬して初当選。以来、二階門下生として長く「王国」を支えてきた。多選を理由に引退もささやかれたが、俊樹氏が2月に立候補を表明すると一転、出馬を決意したという。
 「柏木さんはとにかく、傲慢で地元の評判も良くない俊樹さんが市長になることだけは反対だった。選挙期間中、二階さんは地元ゼネコンの締め付けを徹底し、各ゼネコン担当者が俊樹さんの選挙事務所に何人の応援を出しているのかチェックしていました」(和歌山県政担当記者)
 投票率は78.10%で、9375票の柏木氏に対し、俊樹氏は5886票。保守分裂で接戦になるとみられていたが、“ダブルスコア”で現職圧勝だった。応援演説に入った二階本人はもちろん、稲田朋美政調会長や公明党の漆原良夫中央幹事会会長らの面目も丸つぶれ。7月の参院選にも影響を与えるのは間違いない
 
 
自民・二階の息子が市長選で惨敗・・・ 
日本がアブナイ! 2016年5月23日
  (前 略
 自民党の二階総務会長の息子が、地元・和歌山の御坊市の市長選で大惨敗しちゃったらしいぞ! (゚Д゚)
 当選した現職の柏木征夫氏(75)は、元県職員。92年の市長選に二階氏の求めで出馬し6選している。
 今回、二階氏は証券会社を経て政策担当秘書を務めていた息子の俊樹氏(51)を出馬させることに決めたのだが。柏木氏が勇退しようとしなかったため、いわゆる分裂選挙に。自公系の市議や支持者はかなり困惑したようだ。(~_~;)
 二階氏の息子は、自公推薦の形で出馬。人口2万5千人規模の自治体の市長選であるにもかかわらず、二階パパはもちろん、安倍内閣の閣僚稲田朋美政調会長、小泉進次郎衆院議員らが応援にはいるなど、めっちゃ選挙活動に力を入れたのであるが。
 柏木氏が9375票、二階氏が5,886票<投票率は78・10%(前回58・25%)>で。何と柏木氏が二階氏に2倍近い票差をつけて、7選してしまったのである。(・・)
 
 mewは「分裂選挙になった」ってことは記事を見て知っていたのだけど。「どうせ二階の息子が勝つんだろうな」と思ってたら、「まさかの結果」にビックリ。(@@)
 この結果は、自民党の重鎮(時に安倍政権の黒幕?)である二階総務会長にも、自民党&公明党にとっても、かなりのダメージを与えるのではないかと思うです。(++)
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『自民党の二階俊博総務会長のおひざ元、和歌山県御坊市の任期満了に伴う市長選は22日、投開票が行われ、即日開票の結果、現職の柏木征夫氏(75)が、二階氏の長男で元政策担当秘書の俊樹氏(51)=自民、公明推薦=を退け、7選を果たした。御坊市は「二階王国」とうたわれる二階氏の長年の地盤。牙城の陥落は、国政での二階氏の力にも少なからず影響しそうだ。
 同日夜、市内の俊樹氏の選挙事務所では、落選が決まると、詰めかけた地元の国会議員や県議らは、沈痛な表情を浮かべ、重苦しい雰囲気が広がった。
 今回の市長選は、安倍晋三政権の閣僚や自民の稲田朋美政調会長、小泉進次郎衆院議員らが俊樹氏の応援に入るなど、人口約2万5千人の自治体としては異例ずくめの選挙戦だった。
 二階氏父子と対峙することになった柏木氏自身、平成4年の市長選に二階氏の求めで出馬し、二階氏系の県議や市議らの支援で当選を重ねてきただけに、二階氏も当初は情勢を静観していた。ところが俊樹氏の劣勢が伝えられるようになると、「自分の選挙でもここまではしなかった」(柏木氏の陣営関係者)と言われるほど、積極的に街頭演説に繰り出し、俊樹氏の支持を呼びかけた。地元の有力者には二階氏自ら電話をかけるほどの念の入れようだったという。
 
 これまで、無類の選挙の強さが二階氏の力の源泉だっただけに、地元を二分した上、長男が敗北を喫したことで、国政や関西政界での影響力の低下は避けられそうにない。自民の地方議員は、「二階先生や閣僚らの熱心な応援が『父親がいなければ何もできないのか』とかえって市民から反発を招いたのかもしれない」と嘆いた。(産経新聞16年5月23日)』
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『「二階王国」で、先に立候補を表明したのは俊樹氏だった。父は衆院選で11回当選。各界に働きかけて整備された選挙区の衆院和歌山3区の道路は「二階道路」の名で呼ばれる。
 
 俊樹氏は2月の表明時の会見で、現市政に「大きな問題はない」と述べた。一方で「争点は若さ」と世代交代をアピール。自公の推薦を受け、大きな会議室を備える父親の2階建て事務所に拠点を置く。4月3日の「事務所開き」には、国会議員や現職閣僚、地方議員ら千人を集めた。地元県議は「現職は二階先生が連れてきた。やめてくれと言うのも連れてきた人の責任だ」と訴えた。
 
 柏木氏は1992年、二階氏の誘いで県職員から市長選に出て無投票で初当選。今年3月の市議会で7選を目指すと表明した。会見では「特定の人が(俊樹氏を)擁立した。私は市民の立場。特定の人に偏った形で市政運営をしたら大変なことになる」と俊樹氏側を牽制(けんせい)。「高齢者が活躍する社会にしないとだめだ」と世代交代にも反論した。(朝日新聞16年5月12日)』
 
『二階総務会長の後ろ盾を失った選挙戦で、一部の地元企業や主要産業の花卉(かき)生産農家などが柏木氏を支援。野党支持者ら「反二階」の有権者も味方につけた柏木氏は、相手候補を意識して「しがらみのない堅実な市政運営」などをアピールした。
 
 俊樹氏は二階総務会長の持つ組織力を活用。小泉進次郎衆院議員らが応援に駆け付け、国政選挙並みの態勢で臨んだが及ばなかった。敗戦の弁を聞いた市内の主婦(53)は「若い人にも関心が高く数百票以内で競ると思っていた。何があったんだろう」とぼうぜんとしていた。二階総務会長を支持してきた市内の元会社経営者(71)は「長男の落選が二階総務会長の権威や力に影響するのも心配だ」と話した。(毎日新聞16年5月22日)』
  (後  略