2016年4月10日日曜日

TPP審議紛糾を伝えないマスメディア(植草一秀氏)

 ここにきて突然東京地検特捜部が、甘利明前大臣の事務所をめぐる「口利き疑惑」で、甘利氏側に現金を渡していた建設会社薩摩興業やUR=都市再生機構などの強制捜査に乗り出しました。なぜか甘利事務所はスルーしています。
 甘利氏の疑惑については、既にかなり以前から十分すぎるほどの情報がメディアから流されていますが、特捜部は全く動く気配を見せませんでした。それがなぜか俄かに動きを見せて、それをこんどはNHKなどが大々的に報じました。
 
 植草一秀氏はその理由について、それは政府強制捜査に乗り出させたもので、メディアがこの問題に時間を割くことでTPP問題から国民の視線を逸らせようとしたものだという見方をしています。
 
 そして
TPPは多くの課題の中で最もその影響が広範でありかつ重大である。何よりも問題なのはTPPが日本の国家主権を奪うことであり、日本のことを日本が決められなくなる。TPPはグローバルに活動する強欲巨大資本が、日本を収奪するための枠組みであって、日本の国民の利益を拡大するための枠組みではない。
TPPの恐ろしさは、TPPの入り口が不明確であるのにひとたびTPPに入り込んでしまえば、そこから抜け出すことは難しく最後には悲惨な結末が待ち受けているという点にある
と述べています。
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TPP審議紛糾をまったく伝えない腐敗マスメディア
植草一秀の「知られざる真実」 2016年4月 9日
衆議院のTPPに関する特別委員会の審議が紛糾している。
しかし、インターネット上の大手ポータルサイトはこの重要事実を伝えない。代わりに政府は甘利明前経済相に関わるあっせん利得疑惑に関する強制捜査に乗り出した。メディアがこの問題に時間を割くように仕向けているのだ。
原発、憲法、TPP、基地、格差 の5大問題のなかで、最もその影響が広範であり、かつ、重大であるのはTPPである。
 
TPPの影響は単に貿易にとどまらず、日本の諸規制、諸制度の全面にわたる。
そして、さらに重大なことは、TPPが日本の国家主権を奪うことである。日本のことを日本が決められなくなる。日本のことを日本の国民が決められなくなるのである。
TPPはグローバルに活動する強欲巨大資本が、日本を収奪するための枠組みであって、日本の国民の利益を拡大するための枠組みではない。
TPPの恐ろしさは、TPPの入り口が不明確であるのに、ひとたびTPPに入り込んでしまえば、そこから抜け出すことは難しく、最後には悲惨な結末が待ち受けているという点にある。
第二次大戦直後にソ連に抑留された人々は、日本に変える汽車だと思い、シベリア行きの汽車に乗り込んだ。このシベリア行きの汽車がTPPなのである。あるいはTPPは富士の樹海にたたえることもできるだろう。この樹海に迷い込む前に日本の主権者を救わねばならないのだ。
 
TPP違憲訴訟は4月11日、第4回口頭弁論期日を迎える。 http://goo.gl/pCDmJk 
これまでの訴訟期日には、TPP交渉差し止め、TPP批准阻止を求める主権者が多数参集し、訴訟に実質的な意味を与えることと実現してきた。
私も原告の一人として毎回訴訟期日に参加してきた。
訴訟の会サイトから、4月11日口頭弁論期日ならびに違憲訴訟の会の第2回総会についての案内を転載させていただく。
 
TPP交渉差止・違憲訴訟第4回口頭弁論期日及び第二回総会のご案内.
当会は、東京地方裁判所に1582名の原告が提訴を行い、9月7日、11月16日、2月22日に続き、4月11日が第四回口頭弁論期日となります。
(中略)
1.日 時:4月11日(月)14時30分~
2.場 所:東京地方裁判所103法廷
3.当日スケジュール:
(後 略)