2016年4月14日木曜日

14- OECDはいつから内政干渉機関になったのか

 EUの消費税は20%ほどもあるとして、日本の消費税率が低いことを強調する人がいますが、EUなどでは食料品をはじめとする生活必需品には消費税が掛からない方式なので、そういう論法は間違っています。食料品に8%もの消費税を掛けているのは世界で日本だけです。
 石原経再相が、来日中のグリアOECD事務総長が、日本は消費税を来年予定通り10%に上げてさらに15%まで小刻みに上げるべきだと提案したと述べたことについて、「日々雑感」氏が、それは「外圧」を利用して消費税率アップを誘導しようとするものだと怒りのブログを載せました。
 そして、そもそもOECDには日本から大量の財務官僚が天下っているので、財務省の意向に沿って彼らが策動したものにほかならないとしています。
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OECDはいつから内政干渉機関になったのか。
日々雑感 2016年4月13日
< 石原伸晃経済再生相は12日の閣議後会見で、来日中のOECD(経済協力開発機構)のグリア事務総長から来年4月の消費税10%への引き上げについて、予定通り実施すべきとの提言を受けたことを明らかにした。
 
 石原経済再生相によると、グリア事務総長から「EU全体の間接税は2割程度で、そのようなものが必要」「15%まで1%ずつあげていくのが望ましい」と提言されたという>
(以上「ロイター」より引用)
 
 日本の信認に消費増税が関係している、というのは日本の財務官僚の「財政再建派」の代表的な意見だ。先日、安倍氏が招いた米国ノーベル賞経済学者は「消費増税よりも財政出動を」とOECDグリア事務総長とは真反対の意見具申を行ったばかりだ。
 私は消費増税すべきでなく、むしろ8%の消費税から5%へ戻すべきだと考えている。そして政府が為すべきは財政出動による内需拡大だ。それも満腹消化不良の公共事業ではなく、保育士や介護士などの手当てとして支出を行うべきだ。
 
 OECDには多くの財務官僚OBが天下っていて、事務総長の口を借りて財務省の広報を行うのを常としている。財務官僚の狡猾さはこうした面にも如実に表れている。なぜ財務官僚OBがOECDに天下るのを政府は規制しないのだろうか。
 むしろ開発銀行に日本の見識を示すのなら都銀などから銀行家が出向すべきだ。あるいは企業家が日本政府の意向を受けて出向すべきだ。財務官僚の利権団体の一つにさせてい良いことは何もない。
 
 それにしても「外圧」を日本政治に用いようとする政府と官僚たちの思惑は危険
だ。なぜ日本の政治家諸氏は怒らないのだろうか。まさしく内政干渉だ。政府もグリア事務総長に「出過ぎた真似をするな」と抗議すべきだ。

 
予定通りの消費増税提言 OECD総長「将来15%」
東京新聞 2016年4月13日
 政府は13日、安倍晋三首相や閣僚らが有識者と意見交換する国際金融経済分析会合の第5回会合を官邸で開いた。講師を務めた経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は、消費税率を予定通り2017年4月に10%へ引き上げるよう提言し、将来的には「少なくとも15%」とするよう促した。
 
 グリア氏は会合で日本の政府債務残高の多さに懸念を示し、消費税増税に関して「一度先送りしており、(再延期すれば)信頼性の問題も出てくる」と指摘。経済への悪影響が心配される場合、毎年1%ずつ税率を引き上げる選択肢もあるとした。競争力強化や男女間格差の縮小といった構造改革の進展も求めた。(共同)