2016年3月20日日曜日

衆参ダブル選挙でも“自公は59人が敗北”

 消費増税が無理なことはもはや火を見るよりも明らかなのにもかかわらず、安倍政権がいまノーベル賞受賞者など著名な経済学者たちを呼んで消費増税の延期を提言させようとしているのは、そうすることで何とか「アベノミクス」の失政を隠蔽し、併せて財務省からの圧力を躱そうと考えているからです。
 そしてその自明である結論が得られるとそれを口実に「衆参ダブル選」を行うのではないか、と永田町は見ています。
 その辺の飛躍ぶりは何とも理解しがたいのですが、それ以前に野党共闘が整わないうちにまず衆院を解散することを目論んでいるという噂さえあります。まさに党利党略のための選挙=国費の無駄使いなのですが、「選挙に勝つためには何でもあり」の安倍氏に取っては当たり前の道筋なのでしょう。
 
 一方野党間においては、共闘が成立することで最も利益を得るはずの民主党が、支援組織の連合の強い意向もあって共産党との共闘を避けたがっているように見えます。しかし共産党が譲歩していることもあって、選挙実務を行う野党幹事長会議の雰囲気は良好で共闘は前進しつつあります。
 
 日刊ゲンダイが、衆参ダブル選挙になっても、「自公59人敗北する」という記事を掲げました。 
 安倍の描く「衆参ダブル選挙で圧勝」シナリオは甘いというわけです。
 
 ところで長野市で20日に開く「共同フリーテーブル」への呼びかけに対して、長野県の連合会長は共産とテーブルを共にすることはない」と断ったということです。その記事も併せて紹介します。  
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衆参ダブル 共産党200選挙区擁立見送りで“自公59人敗北”
日刊ゲンダイ 2016年3月19日
 ノーベル賞経済学者が「消費税10%の見送り」を安倍首相に提言し、17日は自民党の稲田政調会長も増税延期解散は「あり得る」と言及。永田町で「衆参ダブル選」ムードが急拡大している。
 
だが、安倍の描く「ダブルで衆参圧勝」シナリオは甘い。野党共闘の一環として、共産党は衆院選の小選挙区についても候補者を取り下げる方針で、その数、実に200選挙区。全295選挙区の7割弱で野党統一候補ができれば、自公はガタガタだ。
 
 「今月上旬の野党5党の幹事長・書記局長会談の場で、共産党が200選挙区で候補者擁立を見送る用意のあることを明らかにした。公式発表になっていないのは、民主党内のハレーションを避けるためではないか。『民共共闘』と騒がれ、自公に攻撃材料を与えてしまう。民主党は表向き共産党との選挙協力に距離を置いていますが、共産党の覚悟は相当のものです。京都3区補選で民主府連は『共産党とは共闘しない』と宣言しましたが、それでも共産党は候補者を立てなかった。衆院選でも同様の行動を取ると思う」(野党関係者)
 
 共産党が200選挙区で候補者擁立を見送れば、「20~30は容易に結果がひっくり返る」(自民党関係者)というが、2014年衆院選の得票で計算すると、逆転区はそんなもんじゃない。少なく見積もっても59選挙区で野党5党の得票が自公候補を上回っていた(別表参照 添付省略)。
 
  北海道、埼玉、東京、愛知など、もともと民主党が強く、共産党も票の多い地域、各県の1区など都市部で逆転現象が起こる。自公は多くが当選2期や3期の若手で、あのゲス議員の妻・金子恵美(新潟4区)も敗北だ。閣僚経験者では、松島みどり元法相(東京14区)や伊藤達也元金融担当相(東京22区)も苦杯をなめることになる。
 
  5野党の幹事長は15日夜も都内の日本料理屋で会談。「いい関係が築けている」(前出の関係者)という。大量落選覚悟で安倍首相は解散を打てるのか。
 
 
共産とテーブルを共にすることない」と連合長野会長
信濃毎日新聞 2016年3月17日
 夏の参院選県区(改選定数1)に向け、連合長野の中山千弘会長は16日の執行委員会で、連合が推薦する民主党新人の元ニュースキャスター杉尾秀哉氏(58)の支持拡大に向けた野党協力をめぐり、「共産党の皆さんとテーブルを共にすることは一切ない」と述べた。取材に対し、民主、共産、社民3党の県組織が市民団体などと連携を話し合うため、長野市で20日に開く「共同フリーテーブル」にも出席しない考えを示した。
 執行委で中山会長は、共産党とは「理念が違う」とし、席を共にすることはないというのが神津里季生会長ら連合全体の考え方―と説明。野党や市民団体などが連携する活動の場で共産党と一緒にならないよう求めた。
 民主党県連の倉田竜彦幹事長は取材に「連合には連合の立場がある」と理解を示し、県連としては野党協力に「責任をもって対応する」と述べた。共産党県委員会の鮎沢聡委員長は「安倍政権打倒の大義のため、いろいろな形で力を合わせたいという思いは変わらない」としている。
 県区には、自民党から現職で1期目の若林健太氏(52)が出馬を予定している。