2016年3月2日水曜日

02- キャスターらが抗議するもテレビ局はダンマリ

 高市早苗総務相の「電波停止」発言を受け29日、テレビキャスターら7人が都内で抗議会見を開き、高市大臣の「停波」発言など政府の姿勢を真っ向批判しましが、肝心のテレビ局は政府に対して全く抗議をしていません
 会見の場でもテレビ局からの質問は一切なく、NHKに至っては会見に参加さえしませんでした。
 
 そもそもキャスターらが抗議の声明を出すに至ったのは、本来高市発言で最も被害を受けるはずのテレビ局が、何時まで経っても一切抗議などしなかったためでした。
 これはテレビ局の親会社である大手新聞社などが、国有地の払い下げ地に社屋を建てたり、電波枠を入札にしないで政府から割り当てて貰ったり、トップが定期的に首相と食事会をしていることと無関係ではありません。新聞に軽減税率が適用されるというのもその表れです。
 記者クラブ制度や同じ経営者がテレビと新聞を運営するというクロスオーナーシップも、日本だけの特異なあり方です。
 
 安倍政権の報道に対する規制は異常そのものですが、それを許容している責任の一端は大手メディアにもありそうです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「電波停止」にキャスターら抗議も…テレビ局ダンマリの怪
日刊ゲンダイ 2016年3月1日
 高市早苗総務相の「電波停止」発言を受け29日、ジャーナリストの田原総一朗氏やTBS系「NEWS23」でアンカーを務める岸井成格氏ら6人が、都内で抗議会見を開催。高市大臣の「停波」発言を真っ向批判した。
 
 田原氏は、「(高市発言に対し)全テレビ局は抗議しないといけない。政権は図に乗るばかりだ」と発言。岸井氏も、「高市大臣は『政治的公平性』を重視しているというが、一般国民にとっての『公平性』とは全く異なるものだ。ジャーナリズムが権力の腐敗、暴走を止め、国民の知る権利を追求し続けなければならない」と訴えた。
 
 異様だったのは会見の後半だ。記者から質問が出たが、なぜか質問は新聞社とネットメディアのみ。「停波」になれば、最も被害を受けるはずのテレビ局からの質問は一切なく、NHKは会見に参加すらしなかった。一体、テレビメディアは何を考えているのか。会見で質問していたジャーナリストの神保哲生氏はこう言う。
 
「そもそも、安倍政権は『停波』をできない。政権がテレビ局の放送内容の公平性を判断すれば、『違憲』とのそしりは免れず、世論の猛反発を食らいます。高市発言など無視すればいいし、むしろ、批判姿勢を強めるべきです。ところが、テレビ局をはじめとした大手既存メディアは、記者クラブ制度や軽減税率など、政権から“特権”を与えられ、優遇されている側面がある。だから忖度し、批判の手を緩めてしまうのでしょう。既存メディアは“特権”を返上するくらいの覚悟で臨まなければ、権力の暴走を止めることはできません」
 やっぱり、今もテレビ局は「御用メディア」なのである。