2016年1月20日水曜日

20- 宜野湾市長選 志村氏、佐喜真氏が接戦

 17日に告示された沖縄・宜野湾市長選(24日投開票)は、安倍政権がバックにつく現職佐喜真淳と、翁長知事ら「オール沖縄」が全面支援する新人の志村恵一郎氏の一騎打ちとなりました。
 この選挙はいわば翁長知事と安倍政権の代理戦争でもあるのですが、何故か今回は自民党は表には立たずに、裏で地域の有力者や業界団体に強烈に働きかけているということです。そして一昨年以来連戦連敗のため、安倍首相は市長選の結果は辺野古基地問題には影響しないと予防線を張っています。
 いずれにしても今回は、昨年末 軽減税率で自民党が公明党に大幅譲歩したことで、公明党が現職の支持に回っているのでその固定票を侮ることはできません。
 
 前回900票差で辛勝した佐喜眞氏は、最も強いと言われている二期目の選挙にもかかわらず新人の志村氏に猛烈に追い上げられて完全に横一線で並んでいるということです。
 安倍官邸が佐喜眞氏を勝たせるために唐突に宜野湾市へのディズニー誘致構想をブチ上げたものの、地元への根回し等が一切なかったこともあって市民から一向に好感されていません。
 
 琉球新報と沖縄テレビ放送合同で1517におこなった電話による世論調査によると、両候補は横一線で並ぶ接戦を繰り広げています。
 投票日を間近に控えて8割が投票先を決めているので、残り2割の無党派や若者層などの帰趨が勝敗を決めると見られています
 辺野古基地については、「県外移設」「国外移設」「無条件の閉鎖撤去」と回答した人の割合は合計で744%、翁長雄志知事が前知事の埋め立て承認を取り消したことについて、「支持する」「どちらかと言えば支持する」と回答したのは合計で618投票する候補者を決める際に重視する点は、「普天間飛行場問題などの基地問題」が554%でした。
 
 日刊ゲンダイの記事も併せて紹介します。
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志村、佐喜真氏が接戦 宜野湾市長選世論調査
琉球新報 2016年1月19日
【宜野湾市長選取材班】琉球新報社と沖縄テレビ放送(OTV)は合同で15~17日の3日間、24日投開票の宜野湾市長選に向けて、市内の有権者を対象に電話による世論調査を実施した。本紙の取材を加味して情勢を分析したところ、元県幹部で翁長県政与党が支援する新人の志村恵一郎氏(63)=無所属=と、再選を目指す現職の佐喜真淳氏(51)=自民、公明推薦=が横一線で並ぶ接戦を繰り広げている。回答者の9割以上が市長選に関心があると答え、昨年12月末の本紙単独調査よりも市民の注目は高まっている。投票日を間近に控えて8割が投票先を決めた。残り2割の無党派や若者層などの掘り起こしが勝敗の鍵を握りそうだ。
 
 最大争点となる米軍普天間飛行場の返還・移設問題では「県外移設」「国外移設」「無条件の閉鎖撤去」と回答した人の割合は合計で74・4%で、前回調査より3・3ポイント上がった。「辺野古移設」「辺野古以外の県内移設」は計14・3%だった。
  普天間の辺野古移設問題をめぐり、翁長雄志知事が前知事の埋め立て承認を取り消したことについて、「支持する」「どちらかと言えば支持する」と回答したのは合計で61・8%だった。「支持しない」「どちらかと言えば支持しない」は計20・0%だった。
  投票する候補者を決める際に重視する点について「普天間飛行場問題などの基地問題」が55・4%で前回同様に最も高かった。基地問題を重視する回答者のうち、佐喜真氏に投票すると決めた人は3割弱、志村氏は5割強だった。
  13・7%で2番目に高かった「経済振興・雇用対策」で、佐喜真氏に投票すると決めた人は5割強、志村氏は2割だった。
  政党別の支持率は自民が18・0%と最も高く、社民6・5%、共産4・4%と続いた。支持政党なしは46・3%だった。
  現職の佐喜真氏は推薦を受ける自民の9割弱、公明の9割を固めた。新人の志村氏は社民と共産の8割、社大の7割強を固めた。民主は両氏に割れた
 
 
宜野湾市長選で現職苦戦 安倍官邸のディズニー誘致が裏目
日刊ゲンダイ 2016年1月18日
 夏の参院選の“前哨戦”である沖縄・宜野湾市長選(24日投開票)が17日、告示された。安倍政権がバックにつく現職、佐喜真淳(51)と、翁長知事ら「オール沖縄」が全面支援する新人の志村恵一郎(63)の一騎打ちだ。
  争点は決まっている。米軍・普天間基地を辺野古に移設するかどうかだ。
  ところが、自公推薦の佐喜真氏は移設の是非には触れず、ひたすら政府・与党との連携をPR。これに対し、志村氏は第一声で「移設反対」と明確に主張した。
 
  選挙情勢は全くの互角、横一線だ。
 「4年前の前回も、わずか900票差でした。あの時と有権者も、戦いの構図も、ほとんど変わらないため、今回も激戦は間違いないでしょう」(沖縄地元紙記者)
  本来、首長選は2期目が最も強いといわれる。なのに知名度ゼロの新人と「拮抗」しているのは、安倍官邸のヤリ方が裏目に出ているからだという。
 
「現職が苦戦している理由は2つあります。ひとつは唐突に出てきたディズニー誘致構想です。安倍官邸は、現職を支援するために、宜野湾市へのディズニー誘致構想をブチ上げた。しかし、この誘致構想は市民はもちろん、議会も寝耳に水のものでした。これが、有権者の間で『札束じゃロコツ過ぎるから遊園地か』と嫌悪されたのです。2つ目は、安倍政権が市長選の結果について『辺野古移設と関係ない』と言いだしたことです。勝てる自信があるなら堂々と移設を公約に掲げればいい。それをしないのは『敗色濃厚』と分析しているからだ、と新人を勢いづかせたのです」(前出の地元紙記者)

 沖縄国際大教授の前泊博盛氏はこう言う。
「背水の陣で臨んでいる新人が猛烈に追い上げているのは間違いない。現職側は相当、焦っているようです」
 新人が勝てば安倍政権に与えるインパクトは計り知れない。当然、辺野古移設の強行もできなくなる。