2016年1月18日月曜日

18- 海兵隊移転促進を 米研究者、沖縄基地問題で提言

琉球新報 2016年1月17日
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】笹川平和財団米国のデニス・ブレア会長とジェームス・ケンダル研究員はこのほど、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設など沖縄の基地問題に関する報告書を発表した。ブレア氏は報告書で「沖縄の政治情勢は悪化しており、日米同盟に手厳しい」と指摘。遅くても2025年までに在沖海兵隊のグアムなど海外への移転完了、在日米軍再編に関わる施設の建設促進、駐留米軍跡地の開発、自衛隊による米軍基地の共同使用、オーストラリアへの海兵隊移転を早期に実施するよう提言した。ワシントンの陸軍・海軍クラブで14日、報告書に関するフォーラムが開かれた。
 
 報告書では米政府が在沖海兵隊を海外に移転する計画の中で、グアムの施設整備後にハワイの整備に取り掛かることについて、同時に整備を進めることを求めた。さらに米国防総省の基金を割り当てるよう提言。跡地利用では日本と県に西普天間住宅地区の跡地開発に取り組むよう求めた。
 さらに陸上自衛隊の回転翼機を那覇基地から辺野古の普天間代替施設に移設し、陸自の部隊をキャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブに配置し、航空自衛隊のF15飛行隊を那覇基地から嘉手納基地に移転するよう提案した。
 ブレア氏はフォーラムで、翁長雄志知事が名護市辺野古移設に反対していることについて「県外移設を最大の目的として試みているようにみえる。しかし沖縄の利益を傷つけている。私は理論的根拠は知事を説得するだろうと信じている」と述べた。
 登壇した元在沖米四軍調整官のグレグソン元米国防次官補は「沖縄は戦略的、地理的に重要である。日本にとって重要であれば、自動的に米国にとっても重要だ」と強調した。
 ブレア氏はオバマ米政権で情報機関を統括する国家情報長官(閣僚級)や太平洋軍司令官を務めた。