2015年9月30日水曜日

株価1万7000円割れ 年初から4000円下落

 29日の東京株式市場では、1月19日以来初めて一時1万7000円の大台を割り込みました。
 
 これに対して日興アセットマネジメント神山直樹氏は、米景気に対する期待を背景に上昇していた分が剥げ落ちたためだで、1万7000円水準まで下げていることに違和感はないとしました(ロイター通信 以下同)。
 岡三オンライン証券伊藤嘉洋氏は、ここで一旦下げ止まって良い水準だが、世界的なリスク回避の中では下値不安がくすぶるとしました
 また三菱UFJ国際投信石金淳氏は、8月中ごろからの下落傾向はまだ終わっていない。日経平均は年初来高値から4000円近く調整したことで、割安とは言わないまでも「割高感」は解消されたと述べ、いずれも当然の下落だという見方をしています。
 ついに経済の実態に見合わないでバブル的な高騰をしていた株価が下落基調に入りました。
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株価1万7000円割れ 700円超下落 
NHK NEWS WEB 2015年9月29日
29日の東京株式市場は世界経済の先行きに対する警戒感から全面安の展開となって幅広い銘柄に売り注文が広がり日経平均株価は700円を超える大幅な値下がりとなりました。
 
日経平均株価、29日の終値は、28日より714円27銭安い1万6930円84銭で、終値としては、ことし1月以来、およそ8か月ぶりに1万7000円を割り込みました。
東証株価指数=トピックスは、63.15、下がって、1375.52でした。1日の出来高は27億9416万株でした。
市場関係者は、「きょうの東京株式市場では取り引き開始から幅広い銘柄で売り注文が広がって、下落幅は700円を超え、大きく値下がりした。背景には中国をはじめ世界経済の先行きに対する警戒感があり、当面、日銀の短観やアメリカの雇用統計などの経済指標をにらみながらの神経質な動きが続きそうだ」と話しています。
 
株価1万7000円割れ 700円超下落

大東大有志が安保法制の廃止をもとめる大東アピール

 「安保法制の廃止をもとめる大東文化大学関係者有志」が戦争法の実効化阻止と廃止のために、粘り強く、運動を継続していくとする「大東アピール」を出しました。
 
 「安全保障関連法案に反対する大東文化大学関係者有志」は、上記のように名称を改めました。
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安保法制の廃止をもとめる大東文化大学関係者有志
大東アピール
 
 去る9月19日未明、自民党安倍晋三政権は、安全保障関連法案を衆議院に続いて参議院でも強行採決し成立させた。国民の6割以上が法案に反対し、今国会で成立させるべきではないという声が8割にも達するなかでの、まさしく問答無用の蛮行である。私たち大東文化大学関係者有志は、この暴挙に満腔の怒りをもって抗議する。
 
 圧倒的多数の憲法学者をはじめとして、歴代の内閣法制局長官、さらには元最高裁判所長官までもが違憲と断じたこの法律は、「平和安全法制」なるその名称と裏腹に、戦後70年、諸外国の国民に一度も銃口を向けることのなかったわが国を、「戦争をする国」へと転換させ、国民を戦争の危険へと導く戦争法にほかならない。歴代の政権が違憲と言明してきた集団的自衛権の行使を、一内閣の恣意によって合憲と言いくるめることは、立憲主義の破壊であり民主主義の否定である。
 
 このような安倍内閣とそれを支える自民党・公明党の暴走に対し、全国各地で多くの抗議の声が上がった。それは世代をこえてあらゆる層におよび、あるときは地域の小さなコミュニティで、あるときは大学の教室で反対の意志を示し、あるときは国会周辺を数万のひとびとで埋めつくした。この運動の最大の特徴は、自立した個々人の意志、自由で平等な主体の集合体ということである。大学生たちのSEALDs、高校生たちの運動、ママの会、学者の会など無数の自発的な集まりが、権力の暴走に歯止めをかけるという一点で結びつき、かつてない大きなうねりを生みだしてきた。私たち「安全保障関連法案に反対する大東文化大学関係者有志」もまた、これらの声に触発されて立ち上がったものである。9月28日現在、この会には、46名が呼びかけ人として、206名が賛同者として名を連ねている。
 
 戦争法案は可決され成立した。しかし、たたかいはまだ終わっていない。むしろ戦争法の実効化阻止と廃止をかちとる長い過程を考えれば、いま始まったばかりである。すでに憲法学者による違憲訴訟も準備されている。わが国ではこれまで、いかなる悪法も、法律として成立すれば、反対運動は潮が引くように衰退し、なにごともなかったかのような日常に戻るのが常であった。しかしそのような健忘は許されない。その意味で、いま問われているのは、私たち自身の行動への意志であり、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」(日本国憲法第12条)のである。
 本学は、前身の大東文化学院の時代、他の大学と同じように、アジア・太平洋戦争で多くの学徒を戦場に送った痛恨の歴史をもっている。同じ過ちをくり返してはならない。
 
 これから長く困難なたたかいが予想される。私たちは戦争法の実効化阻止と廃止のために、「安全保障関連法案に反対する大東文化大学関係者有志」から「安保法制の廃止をもとめる大東文化大学関係者有志」に名称を改め、内外の声と連帯し、粘り強く、運動を継続していく。学生、教職員、卒業生その他、すべての大東文化大学関係者のみなさんに、私たちとともにたたかうよう呼びかける。希望は私たちとともにある。
2015年9月28日
安保法制の廃止をもとめる大東文化大学関係者有志

2015年9月29日火曜日

来年の参院選で与野党逆転が可能 (五十嵐仁氏)

 いま戦争法廃止に向けて民主党と共産党の会合が持たれていますが、それが野党間での選挙協力に発展した場合の効果について、元・大原社会問題研究所長の五十嵐仁氏は与野党逆転が可能だとする見解を述べました。
 
 今度の安保法制の審議を通じて、多数を頼んで憲法違反の立法を強行しようとする安倍政権の本性が暴露されました。それに対して学生や学者、女性たちや市民が一斉に立ち上がりました。いずれも自発的に立ち上がった人たちで、組織動員されたのではありませんでした。彼らの心底からの怒りがこの先簡単に消滅するとは思えません。必ず次回の選挙に反映される筈です。
 
 また、若い人たちは現状順応型だから保守に有利だと見て行った選挙権の18歳への拡大も、安倍政権の今回の所業によって結局真逆の結果に-反自民勢力の拡大につながりました。
 
 25日には、何を思ったのか安倍首相はTVに出て、「アベノミクスは第2ステージに移る。目指すは1億総活躍社会だ。強い経済・子育て支援・社会保障の新しい3本の矢を放つ。GDP(国内総生産)600兆円を目指す」などと言葉を踊らせましたが、誰もそんなものは相手にせず、翌日の社説は、例えば朝日新聞「新本の矢―言葉が踊るむなしさ」、新潟日報は「600兆円目標 躍る言葉にむなしさ募る」、南日本新聞は「本の矢目くらましでは困る」という具合でした(それにしても旧3本の矢は一体どこに飛んで行ったのでしょうか)。
 
 アベノミクスの破綻はもう明らかで、国民の生活は悪化の一途を辿っています。株価はこの先乱高下しながら下がり続けると見られます。
 
 そんな具合で、何処から見てもこの先自民党が勢いを回復するという見込みはありませんが、「自=公」という鉄壁の選挙協力関係だけは不変です。
 
 それだけに野党共闘の実現は絶対に必要なのですが・・・
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来年の参院選で与野党逆転が可能だというこれだけの理由
五十嵐仁の転成仁語 2015年9月27日
 戦争法廃止に向けて、「民共合作」が動き出しました。民主党と共産党の党首会談が開かれ、来る参院選での協力も視野に入れながら、引き続き協議することが合意されています。
 この協議を成功させ、参院選での選挙協力を具体化させることが必要です。それは戦争法を廃止させるだけでなく、安倍政権の暴走をストップさせ、満身創痍に陥った日本を救う唯一の道なのですから……。
 
 しかし、このような協力が具体化したとしても、果たして参院選で与野党逆転を実現させることが可能でしょうか。その可能性は十分あると、私は思っています。
 もちろん、選挙協力の内容や選挙をめぐる情勢がどうなるかは分かりません。今から予断を持たせることも、楽観論を振りまくことも避ける必要があります。
 とはいえ、全く可能性がないというのでは頑張る気持ちも出てこないでしょう。条件が整えば大きな成果を上げることができるというのであれば、その条件を整えるために力を尽くそうという気にもなろうというものです。
 
 来年の参院選については、すでに7月30日付のブログ「来年の参院選が楽しみだ」
 http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30 で書いたことがあります。
 そこでは、「第1に、選挙区の定数が変わり……、結果的には自民党にとって不利に、他の政党にとっては有利な形で選挙区の再編がなされ」たこと、「第2に、選挙権が拡大され、18歳以上とな」ったこと、「第3に、国民の政治的覚醒が格段に高ま」ったこと、「第4に、政党支持構造の地殻変動が始まり、政党支持率にも変化が生じ」たこと、「第5に、この間の『戦争法案』反対運動の中で野党間の連携が強まり……、このような経験を生かして、参院選の1人区などでの選挙協力の可能性が出てき」ことなどを指摘し、「これらの変化は、来年の参院選で与党に不利に、野党に有利に働くにちがいありません。安倍政権の暴走を阻止し、政権打倒にまで追い込んでいく運動が、とりもなおさず参院選に向けての準備になっている、それも野党勝利に向けての準備に、という関係が強まっているのではないでしょうか」と指摘しました。
 「というわけで、来年の参院選が楽しみです」というのが、この時の私の結論でした。
 
 基本的に、今もこれを修正する必要はありません。ただし、内閣支持率は下がり続けていますが、「政党支持構造」については「地殻変動」というほどの大きな変化が生まれているとは言えないでしょう。
 しかし、最後の「野党間の連携」については、大きな進展がありました。「戦争法廃止の国民連合政府」樹立という共産党の提唱をきっかけに具体的な協議が始まったからです。
 「この点では、沖縄での衆院選小選挙区の経験に学ぶことが必要でしょう。この間の運動によって培われた経験や信頼関係を、ぜひ来年の参院選での取り組みに活かしていただきたいものです」と、先のブログに書いた私の希望はかなえられる可能性が出てきました。ぜひ、これを実現していただきたいものです。
 
 今日の東京新聞は、来年の参院選について「野党協力なら8区で逆転」と報じています。これは、昨年末の衆院選での得票を元にした1人区についての予測です。
 2人以上の複数区を含めれば、もっと自民党の議席が減る可能性があります。比例代表でも自民党は議席を減らすでしょう。
 というのは、今回改選を迎える参院選は2010年に実施されたものだからです。この時は、選挙直前の菅首相による消費税10%引き上げ発言によって民主党が大敗し、逆に自民党が大勝しました。
 
 次の参院選をめぐる政治情勢は、これとは全く異なるにちがいありません。それは民主党など野党に有利で、自民党に不利なものとなる可能性が大きいと言えるでしょう。
 すでに、戦争法廃止をめざして次の選挙で賛成議員の落選運動が呼びかけられており、もし、明文改憲が争点とされればこのような運動の勢いはさらに増すでしょう。安倍政権打倒をめざした倒閣運動の一環として参院選が位置付けられているということも大きな意味があります。
 さらに、参院選前の通常国会では消費税の10%への再増税が問題となり、軽減税率をめぐって自民・公明の選挙協力がギクシャクする可能性が出てきています。間もなく再開されるTPP参加をめぐる閣僚協議が決着すれば、関連法案が審議されるのも来年の通常国会になります。
 
 そのうえ、日本経済をめぐる情勢も混とんとしてきました。安倍首相は自民党総裁への再選に当たって「アベノミクス第2ステージ」を宣言しましたが、これはほとんど「自爆路線」のようなものです。
 600兆円のGDPを目標とする経済成長などは実現不可能で、株価は乱高下しながら下がり続けており、アメリカの利上げも今年中には確実と見られています。アベノミクスを支えてきた円安・株高は終わりつつあり、ほとんど指標は「元の木阿弥」になっています。
 このようなかで、内閣支持率はさらに低下する可能性があります。内閣改造で一時的には多少上がるかもしれませんが、それを持続させるだけの材料は見当たりません。
 
 参院での現在の与野党差は28議席です。ということは、15議席が入れ替われば与野党の勢力関係は逆転し、野党優勢の「ねじれ現象」を生むことができるというわけです。
 先に紹介したように、野党が協力すれば1人区で8議席入れ替わる可能性があり、都市型の複数区でも与野党の議席が数議席入れ替われば10議席ほどの入れ替えは可能です。これに加えて、比例代表での議席が与党から野党に5議席入れ替われば「ネジレ」が生ずることになります。
 ただし、これだけでは、次世代、元気会、新党改革など戦争法案に賛成した「隠れ与党」がいますので、戦争法を廃止することはできません。しかし、その執行を停止させることができるようになります。
 
 衆参両院の「ネジレ」が生じるほどに自民党が議席を減らせば、安倍首相の責任問題が生ずるでしょう。参院での法案が通りにくくなれば安倍首相は窮地に立ち、早晩、辞任せざるを得なくなります。
 そのような可能性が高くなれば、衆参同時選挙に打って出るかもしれません。そうなれば、戦争法廃止の暫定政府樹立を目指して一気に政権交代を実現するチャンスが訪れることになります。衆院選が無くても、安倍政権を追い詰めて3割以下にまで内閣支持率を低下させれば、安倍首相を辞任に追い込むことができます。
 そうならない場合でも、参院選での敗北によって「ネジレ」が生じ、その差が大きなものであれば、いずれ解散・総選挙に追い込まれるでしょう。つまり、野党協力の進展次第では、安倍政権は長く持っても来年7月の参院選までということになります。
 
 これは、「夢物語」かもしれません。しかし、今後の運動の発展や野党の連携と協力、政治情勢いかんでは十分に実現可能な「夢」です。
 来年の参院選に向けて、この「夢」を現実のものとするために大いに力を尽くしたいものです。その選挙の結果、参院で与野党逆転が可能だというこれだけの理由があるのですから……。

27日も安保法制廃止の集会が各地で

 27日も、安保法廃止のための街頭演説や集会が、愛知、大阪、高知など全国各地で開かれ多くの人が集まりました。
 
 名古屋駅西口で、シールズ東海(SEALDs TOKAI)が戦争法廃止を訴え1500人が集まりました。
 集会には、共産党の小池晃参院議員本村伸子衆院議員、民主党の近藤昭一、山尾志桜里両衆院議員、そして池内了・名古屋大学名誉教授が参加しました。
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戦争法廃止「野党は共闘」若者コール 名古屋駅西口1500人
小池議員らに声援
しんぶん赤旗 2015年9月28日
 安倍自公政権が19日未明に戦争法の成立を強行して以降、同法の廃止を求める国民各界・各層の怒りの声は広がり続けています。日本共産党がよびかけた「戦争法廃止の国民連合政府」の提案への期待も高まっています。27日も、愛知、大阪、高知など全国各地で開かれた街頭演説や集会に、多くの人が集まりました。
 
 名古屋駅西口で27日午後、SEALDs TOKAI(シールズ東海)が戦争法廃止を訴え宣伝しました。1500人が集まり「野党は共闘」のコールが響き渡りました。
 
 国会議員のゲストとして、日本共産党の小池晃参院議員と本村伸子衆院議員、民主党の近藤昭一、山尾志桜里両衆院議員が参加。池内了・名古屋大学名誉教授も訴えました。
 小池氏は、違憲の戦争法をこのままにしておくわけにはいかないとし、「立憲主義を取り戻すたたかいは始まった。政権を変えることが必要と、野党が協力する提案をしました。皆さんの声をもっと大きくし東海から日本中に広げ、新しい歴史をつくろう」と呼びかけました。本村氏も「国民が声を上げたことに一番の希望がある」と話しました。
 近藤氏は「参院選で野党協力しよう」、山尾氏も「参院選で勝利し、ねじれをつくろう」と訴え、国会議員4氏がそろって壇上で手を上げると大きな声援が湧き起こりました。
 
 会場整理の手伝いに来た男性(30)は「(戦争法を)実際に行使させないよう、切れ目なく続けたい」。メンバーの女性(21)は「行動する仲間ができたことで、友達に政治の話ができるようになった。デモも大事だけど地道に話すこともしたい」と語りました。
 
写真
写真)手を上げ声援に応える(右から)小池、近藤、山尾、本村の各国会議員=27日、名古屋駅西口

2015年9月28日月曜日

自民党は「緊急事態条項の新設」を目論んでいる

 自民党は改憲の突破口として、環境権の創設等と並んで必ず災害時に必要なものとして「緊急事態条項」の新設を上げますが、同条項は決してそんな生易しいものではありません。
 災害時の法律に関しては、世界に類を見ないほど精緻に整備された災害対策基本法があり、緊急時の法の備えは既に整っています。東日本大震災において政府による対応が極めて不十分だったのは、偏に政府の能力不足に起因していたのでした。
 
 もしも憲法改正でそれが導入され、政府によって緊急事態宣言が行われれば、戒厳令が敷かれたと同じ状況になります。その結果国民の権利はいかようにも制限されるのでそれこそが緊急事態条項を新設する真の狙いなのですが、それを隠しておいて「大災害の発生時に・・・」などと述べるのは、まさに国民をたぶらかすものです。
 
 LITERAの記事を紹介します。
 当ブログでは、この条項の危険性を論じた記事は極力紹介してきましたので、ブログ内のグーグル検索欄でチェックしてみて下さい。
 以下にそのなかの一遍を上げておきます。
         (関係記事)
5月18日 危険極まる緊急事態条項の導入 
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安倍首相が安保の次は「改憲を争点にする」と宣言! 
自民党が目論む「緊急事態条項の新設」は9条改正よりヤバい
LITERA 2015年9月26日
 安保の次は改憲──。安倍晋三首相が24日の会見で「平和主義など現行憲法の基本原則を維持することを前提に必要な改正を行うべきだ」と述べ、来年夏の参院選では憲法改正を自民党の公約に掲げることを明言した。
 ただ、そうは言いつつも、具体的に何の条文を変えるかということまでは話さなかった安倍首相。じつは、ここに大きなポイントがある。というのも、安倍首相は本丸の9条ではなく、「災害時の緊急事態条項の新設」や「環境権」「財政規律条項」を全面展開し、世論を誘導しようと目論んでいることは目に見えているからだ。
 
 これら3つの条項はすでに自民党が優先的に改正しようと提案しており、例の「法的安定性は関係ない」発言の礒崎陽輔首相補佐官も、今年3月に行われた講演会で「一番テーマになっているのは緊急事態条項だ。そういうことをまずやっていきたい」と話している。なぜこれを優先させるかといえば、国民の支持を得られそうな条項を全面に押し出し、「改憲って必要だよね」のムードづくりを行うことにある。そして、その勢いで9条も変えてしまおう……。それが自民党の目論見だ。
 だが、じつはこの「災害時の緊急事態条項の新設」こそが、9条の改定と並ぶほど危険な、別の言い方をすれば“保守派の悲願”といってもいい案件なのだ。
「災害時の緊急事態条項」とは、簡単にいえば、巨大地震などの災害が起こった際に首相が緊急事態宣言を行えば、内閣は国会での事前承認なしに財政措置などをとることができるようになる条項だ。
 
 たとえば、自民党の憲法改正推進本部が国民の“啓蒙”のためにつくった改憲マンガ『ほのぼの一家の憲法改正ってなあに?』にも、この緊急事態条項は改憲の必要性を説くくだりでこんなふうに描かれている。
「地震なんかの時の憲法の規定はどうなってんだろう?」
 「ない」
 「えーっ⁉︎」
 「今の日本の憲法には地震なんかの緊急事態に関する規定はないんだよ」
 (中略)
 「緊急事態の時に多くの国では大統領などの行政のトップに強い権限が与えられるんじゃ」
 「海外では行政のトップが『緊急事態宣言』を出して国会での予算措置を待たずに被災地にお金を使ったり国会議員の選挙を延期したりできるんだよ」
 「どうして?」
 「スピードだな」
 「それだったら地震の時にもすぐに住民の避難や復旧活動ができるってわけだ‼︎」
 
 これだけ読むと、なんとなく緊急事態条項があってもいいような気がしてくる。とくに自民党が強調しているのは、東日本大震災発生時の対応。この緊急事態条項があれば、今後、大きな災害が起こっても、迅速に対応することが可能になる、というのが彼らの言い分だ。──頻発している火山の噴火や、先日の水害、首都直下地震や南海トラフ地震への懸念が高まるいま、「そりゃあったほうがいい」と納得してしまう人も多いだろう。
 ところが、こうした喧伝はまやかしに過ぎない。事実、自民党が発表している「日本国憲法改正草案」の当該箇所には、こんなことが書かれている。
 
《(緊急事態の宣言
 第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。》
 
 一目瞭然、自然災害が出てくるのは3番目だ。主たる目的は、外部からの武力攻撃への対応であり、重要なのは「内乱等による社会秩序の混乱」に対する措置。要は、明治憲法下での戒厳令を復活させようとしているのだ。
 
 この草案によると、緊急事態宣言は事後に国会の承認を得なければならないということになっている。事後承認でいいというのは事実上、やりたい放題ということだ。では、実際に緊急事態宣言が出るとどうなるのか。
《(緊急事態の宣言の効果
 第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対しても必要な指示をすることができる。》
 
 つまり、政権は国会の事後承認で好き勝手に法律をつくり、税金も自由に使えることになる。しかも、通常は国と対等な関係にある地方自治体の長も指揮下における。具体的には、尖閣諸島に中国の漁民が武装上陸しようとしていることを理由に緊急事態を宣言すれば、国の方針に従わない沖縄県知事に命令する立場になれる、というわけだ。そして自民党草案には、こんなことも書かれている。
《3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。》
 
 緊急事態宣言さえ出してしまえば、何人も国の指示に従わなければならないということになる。さらにダメ押しで、こうも書いている。
《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》
 14条は法の下の平等、18条は身体の拘束と苦役からの自由、19条は思想と良心の自由、21条は表現の自由だ。一見、人権尊重の文言に読めるが、よくよく考えると、この人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」(厳守ではない)程度でOKなのだ。
 
 緊急事態条項の“狙い”がこれでおわかりいただけただろう。「災害が起こったらすばやく対応できるよ!」という触れ込みは、結局、緊急事態条項の本質を隠すカモフラージュ。この条項を憲法に加える真の目的は、明治憲法下の戒厳令の復活であり、緊急事態を口実にした国民の権利の抑制であり、言うことを聞かない地方を国に従わせるということなのだ。
 
 緊急事態条項の根拠とされる「国家緊急権」は、歴史的にもさまざまな議論がされてきた。こうした権限が国家の権利として認められるか否かが19世紀半ばから20世紀初めにかけてのドイツで盛んに論じられた。国家権力を憲法の拘束の下に置くことを目的とした近代立憲主義のもとで、これが許されるかどうかという議論である。国家緊急権の問題点は、まず第一に、政府が緊急事態の宣言が正当化されないような場合でも宣言を行う傾向があること。第二は、緊急事態の危機が去った後も緊急事態措置を延長しがちであること。そして第三は、政府が緊急事態に対処するため、一般市民の人権を過度に制限しやすく、さらに裁判所も政府の判断を尊重して市民の権利を抑制する傾向がある、ことなどが指摘された。
 
 本来は緊急事態から国民と国家を守る規定であるにもかかわらず、緊急避難的措置として独裁を許容しかねない危険がある。1919年のドイツで制定されたワイマール憲法(第48条)では、公共の安全・秩序に重大な障害が生じた場合、または「その恐れがあるとき」、大統領は武力兵力を用いて緊急措置を取ることができ、この目的のためには、人身の自由、住居の不可侵、親書・郵便・電信電話の秘密、意見表明の自由等の7か条の基本権の全部または一部を一時的に停止しうるとしていた。この規定が乱用され、後のナチス支配への道を開くことになったことは、歴史が教えてくれている。世界各地で見られるクーデター後の軍事独裁政権が主張するのも、この国家緊急権だ。
 
 自民党憲法改正推進本部で起草委員である西田昌司・自民党副幹事長は、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演した際、「そもそも国民に主権があることがおかしい」などと発言している。こんな議員たちが押し進める憲法改正案が、人びとの安全を第一に考えているなどとは到底思えない。自民党のマンガの「大地震が起きたときに被災地に一刻も早くお金を送るため」などというペテンに、くれぐれも引っかからないよう気をつけなければいけない。  (野尻民夫)

共産党の頭の切り替えと素早い行動を見習うべき (小沢一郎氏)

 生活の党と山本太郎・・・の小沢一郎共同代表が、日刊ゲンダイ連載記事「安保法案を潰す秘策を話そうの最終回で、共産党が提唱した野党間の共闘を最大限追求する統一戦線構想を高く評価しました。
 
 小沢氏はもともと野党共闘を熱心に提唱していた人で、連載(週1回)の第1回目でも、「比例区の野党共闘は『オリーブの木』つまり『統一名簿』でやったらいい。候補者は元々の政党に属しながら個人として「オリーブの木』の公認になって立候補するものだ」という構想を述べています。
 
 かつて法務省の演出のもとで、民主党政権を瓦解させる目的で国を挙げて小沢バッシングが行われたときに、産経新聞と並んで小沢氏を最も激しく攻撃したのはしんぶん赤旗でしたが、彼にはそんなことには恬淡としているところがあります。
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      安保法案を潰す秘策を話そう/小沢一郎<第13回>
共産党の頭の切り替えと素早い行動を他の野党も見習うべき
日刊ゲンダイ 2015年9月26日
 安保法が成立したその日(19日)に、共産党が安保法廃止に向けた「国民連合政府」をつくりたいと他の野党に選挙協力を呼びかけた。「国民連合政府」構想というのは、お互いに野党が協力して、自民党を倒し、政権交代を図ろうということだ。国会で廃案を目指す戦いは終わり、法案は成立してしまった。だったら、次は選挙だ。選挙に勝利して政権を取り、法律の廃止を目指す。今回の共産党の声明は、そういう頭の切り替えと素早い行動だった。これは他の野党も見習わなきゃいけないね
 
 共産党が、全選挙区に候補者を立てるという、これまでの方針を転換することは、現実の選挙においてものすごいインパクトがある。1つの選挙区で野党候補が1人となれば、断然、勝利は近づく。共産党に先んじられてしまったのは、少しふがいないとは思うけれど、遅ればせながら、他の野党も連携の輪を広げるように努力すべきではないかと思う。動きの鈍い国会議員がまだまだ少なくないが、野党連携への流れは、今後、少しずつ加速していくだろう。
 
 安保法が成立し、安倍首相は「強い経済」を掲げて、国民の目先を変えようとしている。だが、国民はそう簡単に安保法の強行採決を忘れないだろうし、経済だって絶対によくはならない。
 
 もちろん安倍政権は、補正予算を組んだり、日銀がもう一度、金融緩和に踏み切ったりなど、ありとあらゆることをするだろう。しかしながら、すでにアベノミクスの失敗はハッキリしている。競争力のある大企業は史上空前の利益を上げているが、それが庶民生活には全く滴り落ちてこない。国民の実質収入は減る一方。これで景気がよくなるはずがない。加えて、中国やEUの経済不安もある。今年の年末から年明け、年度末に向け、日本経済はかなり悪くなるのではないか。
 
 だから、これからますます、野党を統一して、政権を代えて欲しいという国民の声が大きくなると思う。そうした声に応えないのでは、政党、政治家の存在理由がない。何としても野党は、一日でも早く、力を合わせて選挙に臨む体制をつくるべきだ。
 そして、有権者のみなさんにあらためて訴えたいのは、安倍首相の安保政策や経済政策がよくないと思うのなら、選挙を絶対に棄権してはいけないということだ。09年と14年総選挙を比較すると2000万人が棄権している。この票が野党に入っていれば、自民党がこれほど圧倒的な議席数を取ることはなかった。
 
 このままではこの国の政治も経済も、悪い方へズルズルと行ってしまう。いまの安倍政権のままではダメだと思うのなら、選挙に行かなきゃいけない。そのことを肝に銘じて欲しい。(おわり)

26日も各地で安保法制廃止のパレードや呼びかけ

 26日、川崎市のJR南武線武蔵溝ノ口駅前で憲法を学び始めた母親たちと憲法学者たち6人がリレートーク集会を行い、安全保障関連法への反対を訴えまし
 
 さいたま市では安全保障関連法に抗議するデモ行進が行われ、女性を中心に約750人が赤色Tシャツやスカーフなどを身にまとい参加しました。
 「戦争ゆるさない女性のレッドアクション実行委員会」が主催しました
 
 また熊本市では同じ日、「安保法制に反対するパパママの会」主催パレードが繁華街で行われ子どもや親ら約40人が参加しまし
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「憲法ないがしろにした」 母親と学者がリレートークで訴え
東京新聞 2015年9月27日
 「憲法をないがしろにした」-。日中は人の流れが途絶えることのない川崎市高津区のJR南武線武蔵溝ノ口駅前で二十六日、少しずつ憲法を学び始めた母親たちと、憲法学者が、安全保障関連法に同じ思いを口にした。二十一日の国際平和デーの記念も兼ねたリレートーク集会で、六人が反対意見を表明した。 (山本哲正)
 
 参加した母親たちは「安保関連法に反対するママの会」に会員制交流サイト(SNS)でつながった人々。「つい最近まで政治について何かしようとしたことはなかった」と口をそろえる。
 弁護士を先生役に基礎から学べる講座「憲法カフェ」に参加して、憲法は国民ではなく政府・権力を縛るものだと知った立場からは「安保法は大変なことと思った」という麻生区の五歳女児の母親(36)。「次に基本的人権や個人の尊重が侵害されて初めて『大変だ』と気付くのでは遅い」と語り、「憲法は、電気や水道のように生活に大きく影響し、普段意識しないが重要なもの。少しでも学んでみませんか」と呼び掛けた。
 大学生の一人息子(20)を思い浮かべマイクを握った同区の杉山敦子さんは、実際にウクライナで昨年復活したという徴兵制であれ、家計や就労事情から志願せざるを得なくなる経済的徴兵制であれ「日常の中に戦争が少しずつでも入り込み、幅を利かすことが不安だ」と訴えた。
 聖学院大の石川裕一郎教授(憲法学)は、「泥棒が自分たちを罰する法を緩めてはいけないのと同じく、政府は自分たちを縛る憲法を緩める解釈をしてはいけない」と力説。安保法についても「米英仏独の新聞雑誌が『戦後初めて日本の部隊が海外の紛争に派遣されうる』などと報道。これが法の中身を端的に示している」と批判した。
 母親たちと学者を引き合わせるのに一役買った、地元・高津区の武井由起子弁護士も登壇。大手商社で海外を渡り歩いた経験から、現在も国外で暮らす人やその経験者らに呼び掛けて「国外からの反対の声を届けるプラットホームに」と八月末に「OVERSEAs(オーバーシーズ)」を結成したことに触れ、「一週間で千二百人の賛同が集まった。海外で米国と一緒に武力行使をし、一味とみられることで、今までのように安心して暮らせないと心配している」と紹介し、旅行や仕事で自分や家族が海外に接点を持つ可能性がある人々に「困るのは私たち市民だと、ぜひ知ってほしい」と語りかけた。
  
 
安保法成立) 女性ら750人がデモ行進 反対意見を「今は言える」
 埼玉新聞2015年9月26日 
 参院で成立した安全保障関連法に抗議するデモ行進が26日、さいたま市浦和区内で行われ、女性を中心に約750人(主催者発表)が「強行採決は許さない」などと声を上げた。
 
 デモは「戦争ゆるさない女性のレッドアクション実行委員会」が主催。安保関連法に関する抗議デモは今回が4回目。
 参加者たちは午後0時半すぎに県庁前を出発。赤色Tシャツやスカーフなどを身にまとい、「戦争NO!」「9条守れ」などと書かれたカードを掲げて行進した。
 
 その中で一行は「憲法違反の法律いらない」「武力で平和はつくれない」などと訴え。JR浦和駅まで練り歩き、安保関連法に反対する姿勢を示した。
 発起人の一人の加藤ユリさん(68)は「反対している人がいるにもかかわらず、憲法違反の法案が成立してしまった。これからは廃止させるために頑張りたい」と意気込んだ。
 参加した越谷市の会社員戸村睦子さん(60)は「かつては反対意見さえ言えない時代もあったが、今は言える。声を上げていきたい」と力を込める。戸田市の会社員花井友里さん(32)は「国民の多くが反対しているにもかかわらず、混乱の中で可決された。議員の中の多数であって、国民の多数ではない。国民の声に耳を傾けてほしい」と憤った。
 


 
安保関連法に反対し、声を上げるデモの参加者たち=26日午後、さいたま市浦和区 

2015年9月27日日曜日

参院選「自民大敗」予測 野党共闘と落選運動で

 共産党の志位委員長と民主党の岡田代表25日、共産党の提案した「安保法制廃止の国民連合政府」についての話しあいを始めました。
 安倍内閣を退陣させるためにはどうしても野党の“選挙協力”が必要です。是非実りのあるものになって欲しいものです。
 
 日刊ゲンダイが、野党が一致協力すれば来年夏の参院選は“自民敗北”となる可能性が高いという見通しを示しています
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参院選「自民大敗」予測…始まった野党共闘に落選運動がトドメ
日刊ゲンダイ 2015年9月25日
 成功すれば安倍内閣を倒せるはずだ。ようやく野党の“選挙協力”が動きはじめた。民主党の岡田克也代表は25日、共産党の志位和夫委員長と会談。さらに、民主と維新は10月中に協議機関を設置する予定だ。これまでバラバラに戦ってきたために“安倍批判票”が分散し、“自民1強”を許してきたが、野党が一致協力すれば、来年夏の参院選は“自民敗北”となる可能性が高い。
 
 自民党が野党の選挙協力を脅威に感じているのは間違いない。さっそく谷垣禎一幹事長は「民主党が共産党と組むとすれば、果たしてどこへ行こうとしているのかという感じ」と牽制している。野党の選挙協力を嫌がっているのは明らかだ。
 
 実際、共産党の全面協力はインパクトが大きい。来年7月に行われる参院選の勝敗は、31から32に増える「1人区」がカギを握っている。これまで共産党は全選挙区に候補者を立ててきたが、野党協力を進めるために、「1人区」には候補者を擁立しない方針。共産党は各選挙区に堅い基礎票を持つだけに、そのまま野党候補に上乗せされたら、選挙情勢はガラリと変わる。
 たとえば2013年の参院選。自民党は1人区で「29勝2敗」と圧勝したが、野党共闘が実現すれば、宮城、山形、栃木、新潟、長野、山梨、三重の「7選挙区」で逆転する。さらに、青森、秋田、大分の「3選挙区」は3万票以内の大接戦だった。野党が共闘しただけで、自民党が圧勝した2013年参院選さえ「互角」に近い戦いだった。
 
 しかも、来年夏の参院選は、シールズなど「安保法案」に反対する勢力が「1人区」をターゲットにして「落選運動」を展開する予定だ。自民党候補が「1人区」でバタバタと落選しておかしくない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
 
「世論調査では“安倍首相を支持しない”が50%を超えている。野党が共闘し、“安倍批判票”の受け皿をつくれば、野党は大勝する可能性が高いと思う。過去の参院選を振り返ると、大きなテーマが争点になると激変が起こりやすい。07年は“消えた年金”が争点になり、自民党は1人区で6勝23敗と惨敗しています。国民の多くが“安保法案”に反対しているだけに、安保法案が争点になったら雪崩現象が起きると思います」
 問題は、本当に野党の選挙協力が実現するのかどうかだ。
 
「成否のカギは2つあります。1つは、共産党が後方支援に徹することができるかどうか。黙って何も言わず、候補者を擁立しないことが一番いい。民主や維新に条件をつけたら、まとまるものもまとまらない。もう1つは、民主党が大人の対応を取れるかどうかです。民主党の保守系議員は、“共産党と協力したら保守票が逃げる”と文句を口にしている。そうした不満を口にすれば、自民党に攻める材料を与えるだけだし、有権者の期待もしぼませてしまいます」(政界関係者)
 
 野党議員は来年夏の参院選が安倍政権を倒すラストチャンスだと考えるべきだ。もし、野党共闘が失敗し、自民党を勝たせたら安倍首相の暴走は止まらなくなる。